ヒゲ
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この記事はソクラテス【後編】です。【前編】はこちら↓
この記事の目次
よく生きること
ソクラテスが知を探求した理由は、知ることが、人間の生き方全体に関わると考えたからです。
そしてソクラテスの主張というのは、人間にとって大事なのは、ただ生きることではなく、「よく生きること」であると。
これは僕たち現代人にとってもまさにその通りで、人というものは、ついつい長生きすること、長く生きることそのものが目的になりがちですが、哲学という視点から言えば、ただ長く生きるということではなく、「よく生きる」ということが大事だと、考えたわけです。
人。付属物と、真の自分
人は、肉体・財産・地位などを自分だと思い、恵まれることを望んでいます。
しかし、肉体・財産・地位というものは、自分の付属物であると言います。
そしてソクラテスは続けます。真の自分とは、「魂」であると。
魂をよくすることによって、よく生きることができ、魂への配慮が人間の関心事であると言いました。
ソクラテスによる、よく生きるための3ステップ
1. 智徳合一
↓
2. 知行合一
↓
3. 福徳一致
このように言われています。これらを解説していきたいと思います。
1. 智徳合一
ソクラテスは、徳(アレテー)とは、卓越していることではなく、魂が優れていること、と捉えました。
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すなわち、智徳合一とは、「真の善を知ることが魂をよくする」ことになる、という意味です。
2. 知行合一
簡単にですが、よい行いを実行することです。
3. 福徳一致
真の意味で生きれば、幸福に生きられるということです。
よく生きるということは即ち幸福に生きることに繋がると言っています。
なので、よく生きる、をまとめると、
1. 真の善を知り、魂をよくする
↓
2. よい行いを実行する
↓
3. 真の意味で生きられ、幸福になれる
これらがソクラテスのいう「よく生きること」です。
人々との対話を通じて
ソクラテスは、人々との対話を通じて、本当の意味での「善とは?」を絶えず探求していきました。
ソクラテスの知の探求という哲学的精神が、人生観や世界観を主体的に形成していくうえで、重要な意味を持ちました。
完全なる秩序、興味関心が、神から自然、そして人間に移って言った中で、ソフィストという職業的教師は雄弁さとか、弁論が上手とかいう、真実そのものよりも、人々がどのように真理を思っているかというその主観的解釈に移っていったわけですが、ソクラテスはまた戻って、人々の一人一人の主観ではなくて、普遍性の真理、そして、善というものを常に探求し続けました。
そして、人々が真理や善を探求し続けることが、人間の生き方なり世界観を形成していくのに役立っていったというわけです。
【悲報】ソクラテス、告発される
無知を自覚させる活動「問答法」によって、一部の人々の反感を買いました。
告発された理由としては、国家の認める神々を信じず、新たな神を唱えたというのが理由です。
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無実を主張
プラトン『ソクラテスの弁明』
このエピソードは、ソクラテスは自身の書物をのこしていませんが、弟子のプラトンが書いた、「ソクラテスの弁明」で語られています。
死刑宣告
もちろんソクラテスは無実なので、友人から逃亡をすすめられたが、ソクラテスは逃亡を拒否し、処刑されました。
なぜ逃げなかったのか。それは人々に「よく生きる」ことを主張している自分が、逃亡という不正を働くことはできないという信念からです。
ソクラテスは、「よく生きる」を貫くとともに、アテネ市民に身を以て示しました。
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書籍紹介