ラテン語フレーズ・格言一覧160選|格言・法律・医学・略語まで完全網羅

現代の英語・日本語には、実はラテン語がたくさん生き残っています。毎日どこかで目にする etc. や i.e. はもちろん、法律用語の「de facto(事実上の)」、医学用語の「in vitro(試験管内で)」、格言の「Carpe diem(今この日を摘め)」まで、すべてラテン語です。この記事では、有名格言・法律・医学・略語・宗教・国家モットーなど8カテゴリで160件以上を一覧化しました。カタカナ読みと日本語訳つきなので、ラテン語が初めての方にも読みやすい構成です。

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ラテン語フレーズ一覧(カテゴリ別160選)

有名格言・名言(30件)

知名度が高く、現代でも引用される定番格言を30件まとめました。

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ラテン語 カタカナ読み 日本語訳 出典
Carpe diem カルペ・ディエム 今この日を摘め ホラティウス
Veni, vidi, vici ウェニ・ウィディ・ウィキ 来た、見た、勝った カエサル
Cogito, ergo sum コギト・エルゴ・スム 我思う、ゆえに我あり デカルト
Memento mori メメント・モリ 死を忘れるな 古代ローマ
Alea iacta est アレア・ヤクタ・エスト 賽は投げられた カエサル
Amor vincit omnia アモル・ウィンキット・オムニア 愛はすべてに勝つ ウェルギリウス
Per aspera ad astra ペル・アスペラ・アド・アストラ 困難を越えて星へ 古代ローマ格言
Tempus fugit テンプス・フギット 時は飛ぶように過ぎる 古代ローマ格言
Mens sana in corpore sano メンス・サーナ・イン・コルポレ・サーノ 健全な精神は健全な身体に宿る ユウェナリス
In vino veritas イン・ウィーノ・ウェリタス 酒の中に真実あり 古代ローマ格言
Festina lente フェスティナ・レンテ ゆっくり急げ アウグストゥス帝の座右の銘
Errare humanum est エッラーレ・フマーヌム・エスト 間違うことは人間的だ セネカ
Dum spiro, spero ドゥム・スピーロ・スペーロ 息ある限り希望あり 古代ローマ格言
Ars longa, vita brevis アルス・ロンガ・ウィタ・ブレウィス 術は長く、人生は短し ヒポクラテス(セネカによるラテン語訳)
Si vis pacem, para bellum シ・ウィス・パーケム・パラ・ベッルム 平和を望むなら戦争に備えよ ウェゲティウスの思想に基づく後世の定型表現
Vox populi, vox Dei ウォクス・ポプリ・ウォクス・デイ 民の声は神の声 中世の格言
Nosce te ipsum ノスケ・テ・イプスム 汝自身を知れ デルフォイの神託→ラテン語
Homo homini lupus ホモ・ホミニ・ルプス 人は人に対して狼だ プラウトゥス
Divide et impera ディウィデ・エト・インペラ 分断して支配せよ 古代ローマの政略
Panem et circenses パーネム・エト・キルケンセース パンとサーカス ユウェナリス
Scientia potentia est スキエンティア・ポテンティア・エスト 知識は力なり フランシス・ベーコン
Sapere aude サペレ・アウデ 知る勇気を持て ホラティウス→カント
Acta non verba アクタ・ノン・ウェルバ 言葉ではなく行動を 古代ローマ格言
Sic transit gloria mundi シク・トランシット・グロリア・ムンディ 世の栄光はかくも過ぎ去る 中世カトリック
Fiat iustitia, ruat caelum フィアット・ユスティティア・ルアット・カエルム たとえ天が落ちようとも正義を 古代ローマ法言
Veritas vos liberabit ウェリタス・ウォス・リベラービット 真実はあなたを自由にする ヨハネ福音書
Aut viam inveniam aut faciam アウト・ウィアム・インウェニアム・アウト・ファキアム 道を見つけるか、なければ作る ハンニバルの言とされる
Post tenebras lux ポスト・テネブラス・ルクス 闇の後に光あり 宗教改革の標語
Dum vivimus vivamus ドゥム・ウィウィムス・ウィウァームス 生きている間は生き切れ ラテン語格言
Nemo propheta in patria ネモ・プロフェタ・イン・パトリア 預言者は故郷では認められない 聖書(ラテン語版)に由来

法律・法学用語(30件)

日本の法律書や英語の法律文書でも頻繁に登場するラテン語です。

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ラテン語 カタカナ読み 日本語訳 使用場面
Ad hoc アド・ホック その場限りの・臨時の 委員会・対策チーム名
De facto デ・ファクト 事実上の 国際法・政治
De jure デ・ユーレ 法律上の 国際法・政治
Habeas corpus ハビアス・コーパス 人身保護令状 基本的人権保障
Bona fide ボーナ・フィデ 誠実に・善意で 契約法・民法
Prima facie プリーマ・ファーシエ 一見して・外見上は 証拠法
Pro bono プロ・ボーノ 公共のために(無償) 弁護士の無償奉仕
Amicus curiae アミークス・クリアエ 法廷助言者 訴訟への第三者意見
Mens rea メンス・レア 犯意・故意 刑法の主観的要件
Actus reus アクトゥス・レウス 犯罪行為 刑法の客観的要件
Caveat emptor カウェアット・エンプトル 買主は注意せよ 売買法の原則
In camera イン・カーメラ 非公開で 裁判官室での非公開手続き
Stare decisis スタレ・デキシス 先例拘束 英米法の判例主義
Corpus delicti コルプス・デリクティ 犯罪構成事実 犯罪の存在を示す証拠
Ab initio アブ・イニティオ 初めから 契約の遡及的無効
Ultra vires ウルトラ・ウィーレス 権限踰越 会社法・行政法
Res ipsa loquitur レス・イプサ・ロクィトゥル 事実が語る 過失推定の原則
A fortiori ア・フォルティオリ なおさら・より強い理由から 法律論証・論理学
Ad litem アド・リテム 訴訟のための 訴訟目的限定の代理人
Ad valorem アド・ウァロレム 価格に応じて 従価税(関税・消費税)
Conditio sine qua non コンディティオ・シネ・クア・ノン 不可欠の条件 因果関係・必要条件の判断
Pacta sunt servanda パクタ・スント・セルワンダ 約束は守られるべき 国際法・契約法の根本原則
Certiorari サーショラーリ 事件移送命令 米最高裁への裁量上訴
De novo デ・ノーウォ 改めて・新規に 新規審査・やり直し
Casus belli カスス・ベッリ 開戦事由 国際法・外交
Contra proferentem コントラ・プロフェレンテム 作成者不利益解釈 契約の曖昧な条項の解釈
In absentia イン・アブセンティア 欠席のまま 欠席裁判・欠席授賞
Nemo iudex in causa sua ネモ・ユーデクス・イン・カウサ・スア 何人も自己の事件の裁判官たり得ない 公平性・中立性の原則
Per curiam ペル・クリアム 裁判所の全員一致意見 最高裁の判決形式
Res publica レス・プーブリカ 公共のこと 「republic(共和国)」の語源

医学・科学研究用語(15件)

論文や実験レポートで使われるラテン語略語・解剖学用語です。

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ラテン語 カタカナ読み 日本語訳 使用場面
In vitro イン・ウィトロ 試験管内で 細胞培養・培地での実験
In vivo イン・ウィウォ 生体内で 動物実験
Ex vivo エクス・ウィウォ 生体外で 摘出した組織・臓器の実験
In situ イン・シトゥ その場で・現位置で 組織切片の観察・現地調査
In silico イン・シリコ コンピュータ上で シミュレーション解析
Per os(p.o.) ペル・オス 経口で 薬の経口投与経路
Per rectum(p.r.) ペル・レクトゥム 直腸経由で 薬の投与経路
Aqua vitae アクア・ウィタエ 命の水 蒸留酒・アルコールの古名
Femur フェムル 大腿骨(「腿」の意) 解剖学
Tibia ティビア 脛骨(「縦笛」の意) 解剖学
Patella パテッラ 膝蓋骨(「小皿」の意) 解剖学
Cranium クラニウム 頭蓋骨(「兜」の意) 解剖学
Sternum ステルヌム 胸骨(「竜骨」の意) 解剖学
Curriculum vitae(CV) クリクルム・ウィタエ 人生の行路→履歴書 医学・学術界
Homo sapiens ホモ・サピエンス 知恵ある人間 人類の生物学上の学名

哲学・学術用語(19件)

哲学・論理学・経済学などの学術分野で使われるラテン語です。

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ラテン語 カタカナ読み 日本語訳 解説
A priori ア・プリオリ 先験的 経験以前からの知識(カント哲学の中心概念)
A posteriori ア・ポステリオリ 後験的 経験に基づく知識
Tabula rasa タブラ・ラーサ 白紙状態 生まれた時の心は白紙という考え(ロック)
Reductio ad absurdum レドゥクティオ・アド・アブスルドゥム 背理法 仮定が不条理を招くことで反証する論証法
Sui generis スイ・ゲネリス 独自の・唯一無二 他に類例がない
Per se ペル・セ それ自体として 本質的に・本来的に
Non sequitur ノン・セクウィトゥル 論理的帰結でない 前提と結論がつながらない論理的誤謬
Ad hominem アド・ホミネム 人身攻撃 議論でなく相手の人格を攻撃する論理的誤謬
Status quo スタートゥス・クウォ 現状 現在の状態・現状維持
Quid pro quo クイド・プロ・クウォ 等価交換 何かと何かを交換する取引・見返り
Modus operandi(M.O.) モドゥス・オペランディ 行動様式・手口 犯罪捜査・ビジネス用語
Modus vivendi モドゥス・ウィウェンディ 生活様式・妥協案 外交・交渉の暫定合意
Sine qua non シネ・クア・ノン 不可欠の条件 それなしには成立しない要素
Alter ego アルター・エゴ もう一人の自分 心理学・文学・法学
Vice versa ウィケ・ウェルサ 逆もまた然り 逆の場合も同様
Terra incognita テッラ・インコグニタ 未知の地 地図の未踏領域→未知の分野
Ceteris paribus ケテリス・パリブス 他の条件が等しければ 経済学・哲学の仮定条件
Ad nauseam アド・ナウゼアム 嫌になるほど 不快になるほど繰り返す
Persona non grata ペルソナ・ノン・グラータ 好ましからぬ人物 外交官の追放に使う正式表現

宗教・キリスト教関連(15件)

聖書・ミサ・典礼文として使われてきたラテン語です。

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ラテン語 カタカナ読み 日本語訳 使用場面
Agnus Dei アグヌス・デイ 神の子羊 キリストの象徴・ミサの典礼文
Pater Noster パテル・ノステル 我らの父(主の祈り) カトリックの最重要祈祷文
Ave Maria アウェ・マリア 聖母マリアへの挨拶 カトリックの祈り・音楽作品名
Gloria in excelsis Deo グロリア・イン・エクスェルシス・デオ 天のいと高きところに栄光あれ ミサの典礼文グロリア
Fiat lux フィアット・ルクス 光あれ 創世記の神の言葉(ウルガタ聖書)
Ora et labora オラ・エト・ラボラ 祈り、そして働け 聖ベネディクトゥスの戒律
Deus ex machina デウス・エクス・マキナ 機械仕掛けの神 劇の強引な解決→都合よい救済
Requiescat in pace(R.I.P.) レクウィエスカット・イン・パーケ 安らかに眠れ 墓碑銘・追悼の言葉
Soli Deo gloria(S.D.G.) ソリ・デオ・グロリア ただ神の栄光のために バッハが楽譜に書き続けた署名
Mea culpa メア・クルパ 我が罪・私の過ち 告白・謝罪の言葉
Vade retro Satana ウァデ・レトロ・サタナ 退け、サタンよ 悪魔祓いの祈り
Pax vobiscum パクス・ウォビスクム あなたに平和を ミサの典礼応答
In hoc signo vinces イン・ホク・シグノ・ウィンケス この印において汝は勝つ コンスタンティヌス帝のビジョン
Sursum corda スルスム・コルダ 心を高く ミサの典礼文
Lux aeterna ルクス・エテルナ 永遠の光 死者のためのミサ(レクイエム)

日常略語(etc.・i.e.など)(19件)

毎日の文章・論文・メールで使われるラテン語略語です。実は「etc.」も「e.g.」もすべてラテン語の略です。

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略語 元のラテン語 カタカナ読み 日本語訳・使い方
etc. et cetera エト・ケテラ その他・〜など
i.e. id est イド・エスト すなわち(言い換え)
e.g. exempli gratia エクセンプリ・グラティア 例えば
cf. confer コンフェル 参照せよ・比較せよ
vs. versus ウェルスス 〜に対して・〜対〜
et al. et alii / et aliae エト・アリイ 〜ら(論文の著者表記)
A.M. ante meridiem アンテ・メリディエム 午前
P.M. post meridiem ポスト・メリディエム 午後
N.B. nota bene ノタ・ベネ 注意せよ・重要事項(ノーテン・ベーネ)
P.S. post scriptum ポスト・スクリプトゥム 追伸
viz. videlicet ウィデリケット すなわち(列挙)
[sic] sic erat scriptum シク・エラット・スクリプトゥム 原文ママ(誤りを指摘する記号)
ibid. ibidem イビデム 同書・同箇所(注釈で使用)
ca. / c. circa キルカ 約・おおよそ(年代の前に付ける)
loc. cit. loco citato ロコ・キタトー 前掲書の同箇所
op. cit. opere citato オペレ・キタトー 前掲書
q.v. quod vide クウォド・ウィデ 〜を見よ(参照指示)
passim (そのまま)passim パッシム 随所に・あちこちに
ad lib. ad libitum アド・リビトゥム 自由に→アドリブの語源

国家・組織のモットー(14件)

国家の紋章・軍のモットー・都市の標語として刻まれたラテン語です。

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ラテン語 カタカナ読み 日本語訳 使用者
Per ardua ad astra ペル・アルドゥア・アド・アストラ 困難を越えて星へ 英国空軍(RAF)
Semper fidelis センペル・フィデリス 常に忠実に 米海兵隊
Semper paratus センペル・パラートゥス 常に準備万端 米沿岸警備隊
Semper supra センペル・スプラ 常に上へ 米宇宙軍(2019年創設)
A mari usque ad mare ア・マリ・ウスクェ・アド・マレ 海から海まで カナダ国家標語
Sic semper tyrannis シク・センペル・ティランニス 暴君にはかくあるべし バージニア州モットー
In varietate concordia イン・ウァリエタテ・コンコルディア 多様性の中の調和 EU(欧州連合)モットー
Fluctuat nec mergitur フルクトゥアット・ネク・メルギトゥル 揺れても沈まず フランス・パリ市の標語
E pluribus unum エ・プルリブス・ウーヌム 多数から一つへ 米国国章
Annuit coeptis アンニュイット・コエプティス 我らの試みを祝う 米国グレートシール(1ドル札)
Novus ordo seclorum ノウス・オルドー・セクロールム 新しき時代の秩序 米国グレートシール(1ドル札)
Alis volat propriis アリス・ウォラット・プロプリイス 自らの翼で飛ぶ オレゴン州モットー
Non ducor, duco ノン・ドゥコル・ドゥコ 導かれず、我が導く ブラジル・サンパウロ市
Fortes fortuna adiuvat フォルテス・フォルトゥナ・アジュウァット 勇者に幸運は味方する テレンティウス→各国の軍モットー

ビジネス・日常に溶け込んだラテン語(18件)

普段使っている日本語・英語の単語が、実はラテン語に由来しているケースです。

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ラテン語(由来) 現代語 ラテン語の元の意味 解説
agenda アジェンダ(議題) なされるべきことのリスト agere(行動する)の動名詞
data データ 与えられたもの dare(与える)の過去分詞複数形
veto ヴィトー(拒否権) 我は禁ずる ローマ護民官が使った一言
forum フォーラム(討論の場) 広場・市場 古代ローマの公共広場から
bonus ボーナス(特別報酬) 善きもの bonus(良い)から
campus キャンパス(学園) 平原・野原 古代ローマの野外集会場から
quota クォータ(割当) いくつかのもの quot(いくつの)から
propaganda プロパガンダ(宣伝) 広められるべきもの カトリック布教局の用語が起源
facsimile(Fax) ファックス 同じものを作れ fac(作れ)+simile(同じ)
via ビア(〜経由で) 道・街道 ローマ街道(Via Appia等)から
alumni アルムナイ(卒業生) 養い子・乳飲み子 alere(養う)から
per capita ペル・カピタ(1人あたり) 頭(caput)ごとに GDP per capita(1人当たりGDP)
per annum ペル・アンヌム(年間) 年(annus)ごとに 契約書・金融に登場
pro rata プロ・ラータ(按分) 割合に応じて 保険料・日割り計算
interim インテリム(暫定) 間に・その間に 「暫定社長(interim CEO)」など
alma mater アルマ・マーテル(母校) 養育する母 大学・学校への帰属感
inter alia インテル・アリア(とりわけ) 他のものの中でも 複数の事項から特定のものを示す
ad interim アド・インテリム(暫定の) その間のために 臨時・暫定的な役職・措置

特に知っておきたいラテン語格言5選

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一覧では紹介しきれない格言の背景を5件深掘りします。

Carpe diem(カルペ・ディエム)

紀元前1世紀の詩人ホラティウスの詩集『頌歌(Carmina)』に登場する言葉です。正確には「Carpe diem, quam minimum credula postero(今日という日を摘め、明日をできるだけ信じずに)」という一節の前半部分。「carpe」は「摘む・捕まえる」という動詞で、庭師が果実を摘み取るイメージから「今この瞬間を逃さず取る」という意味になりました。映画『いまを生きる』でロビン・ウィリアムズが「Carpe diem!」と叫んだシーンで世界的に広まりました。

Memento mori(メメント・モリ)

「死を忘れるな」を意味するこの言葉は、古代ローマで将軍が凱旋パレードを行うとき、後ろに立つ奴隷が耳元でつぶやいたとされています。栄光の絶頂にあるときこそ「あなたも死ぬ身だ(Memento mori)」と囁かれることで、傲慢さを戒めたのです。中世のキリスト教美術では「ドクロ」の絵と共に描かれ、死の必然性と現世のはかなさを人々に意識させるモチーフとして使われました。

Mens sana in corpore sano(メンス・サーナ・イン・コルポレ・サーノ)

日本語では「健全な精神は健全な身体に宿る」として知られていますが、1世紀のローマ風刺詩人ユウェナリスの原文は「健全な精神は健全な身体の中にあってほしい(orandum est)」という祈願の形です。「〜であるべきだ」という主張ではなく、「そうあってほしいと神に祈れ」という意味合いでした。現代では教育・スポーツの理念として引用されますが、原意はやや異なります。

Habeas corpus(ハビアス・コーパス)

「あなたは身体を有する(べき)」という意味のこの言葉は、英国の人権保護の根幹を支える法律概念です。1679年に「人身保護法(Habeas Corpus Act)」として成文化され、政府が人を不当に拘束した場合、裁判所に令状を出させて釈放を命じる権利が保障されました。英米法を経由して民主主義国家に広まり、現代の「令状なき逮捕の禁止」の原型となっています。

Festina lente(フェスティナ・レンテ)

「ゆっくり急げ」という逆説的な表現は、ローマ皇帝アウグストゥスが座右の銘としていた言葉とされています。「慌てて行動すると失敗する、しかし悠長にしすぎても機を逸する。ちょうど良いペースで着実に進め」という教えです。ルネサンス期の出版人アルドゥス・マヌティウスは、錨とイルカを組み合わせた「Festina lente」の印章を使用し、「重厚さと速さを両立する」出版への姿勢を示しました。

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まとめ

ラテン語は古代ローマで使われていた言語ですが、法律・医学・科学・宗教・外交といった分野に深く根付き、現代でも現役で使われ続けています。今回は8つのカテゴリで160件のフレーズを一覧化しました。日常で使う「etc.」や「i.e.」から、有名格言の「Carpe diem」まで、ラテン語は思っている以上に身近な存在です。ギリシャ語と並ぶ西洋文化の礎として、気になるフレーズをぜひ覚えてみてください。

ラテン語を学ぶと語源が見えてきて、英語や哲学・法律の理解も深まります。ギリシャ文字との関係が気になる方はギリシャ文字24文字一覧|α〜Ωの読み方・意味・科学での使われ方まとめも参考にしてください。また、翻訳できない世界の言葉に興味がある方は翻訳できない世界の言葉194選もあわせてどうぞ。

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