ビジネス挨拶の定型文まとめ|シーン別フレーズと使い方・NG例

突然「乾杯の音頭をとってください」と言われたとき、頭が真っ白になった経験はありませんか?ビジネスシーンのスピーチや挨拶には、長年使われてきた「定型フレーズ」があります。それさえ押さえておけば、急な指名でも落ち着いて対応できるのが定型文の強みです。

この記事では、「僭越ながら」「光栄でございます」などの冒頭フレーズ一覧をはじめ、乾杯・締め・会議・朝礼・表彰式まで場面別の定型文を網羅しました。さらに「一本締め」「三本締め」の正しい進行フレーズや、やりがちなNG例も詳しく解説します。ビジネスシーンの日本語をもっと知りたい方には、意識高い系ビジネスカタカナ用語201選もあわせてご覧ください。

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冒頭フレーズ一覧|「僭越ながら」の格式別使い分け

スピーチや挨拶の最初に使う「つかみフレーズ」は、格式感によって使い分けるのが基本です。指名されたときの「受け答えフレーズ」と、司会・進行役が使う「開会フレーズ」の2種類を押さえておきましょう。

指名・ご依頼を受けたときの冒頭フレーズ

格式の目安:★=カジュアル、★★=標準、★★★=フォーマル

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フレーズ 格式 使う場面・ニュアンス
僭越ながら、〇〇よりご挨拶申し上げます ★★★ 最も格式が高い。乾杯・式辞の指名受け全般
大変光栄でございます。ただいまご紹介にあずかりました〇〇でございます ★★★ 主賓・来賓として登壇するとき
ご指名にあずかりまして、誠にありがとうございます ★★★ 乾杯・締め・謝辞の指名受け
身に余る光栄でございますが、一言ご挨拶申し上げます ★★★ 過分なお役割を受けたとき
誠に恐縮でございますが、僭越ながら乾杯のご発声を申し上げます ★★★ 乾杯の発声を引き受けるとき
僭越ではございますが、一言お礼を申し上げます ★★★ お礼の挨拶を述べるとき
ただいまご紹介いただきました〇〇と申します ★★ 講演・研修・セミナーの登壇時
短い時間ですが、ひとことお礼を申し上げたいと思います ★★ 感謝の挨拶・社内のお礼の席
おめでとうございます。一言だけ申し上げます ★★ 社内の昇進・受賞祝いの場
では、ひとこと申し上げます 社内の気軽な席での冒頭

司会・進行役が使う開会フレーズ

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フレーズ 格式 使う場面
本日は誠にご多忙のところお集まりいただき、ありがとうございます ★★★ 式典・懇親会・記念パーティーの司会冒頭
ただいまより〇〇の会を執り行います ★★★ 式典・歓送迎会の正式な開会宣言
少しお時間をいただきまして、僭越ながら進行を務めさせていただきます ★★★ 司会を引き受けた際の冒頭
本日はご多忙の中ご参加いただき、誠にありがとうございます ★★ ビジネス懇親会の司会冒頭
それでは定刻となりましたので、ただいまより始めさせていただきます ★★ 会議・研修・社内行事の開会
本日はご参集いただきありがとうございます ★★ 社内懇親会・チーム会議の開会
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乾杯の挨拶 定型文一覧

乾杯の挨拶は「冒頭フレーズ→短い祝辞・感謝→乾杯の発声」の3段構成が基本です。シーン別のポイントも確認しましょう。

シーン別 乾杯定型文

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シーン 定型文例 ポイント
歓迎会(歓迎する側) 「ご指名にあずかりました〇〇です。本日は〇〇さんのご着任を心よりお祝い申し上げます。〇〇さんのこれからのご活躍と、皆さんの健康を祈念しまして、乾杯!」 新メンバーの名前を必ず入れる
送別会 「〇〇さんの長年にわたるご貢献に深く感謝申し上げます。新天地でのさらなるご活躍を祈念しまして、乾杯!」 長年の労をねぎらう言葉を入れる
新年会 「昨年は皆様のご支援ご協力のおかげで〇〇を達成できました。今年もより一層のご活躍を祈念して、乾杯!」 昨年の感謝+今年への期待
忘年会 「今年一年、大変お世話になりました。皆様のご尽力に深く感謝を申し上げます。来年のさらなる飛躍を祈念して、乾杯!」 一年の労をねぎらう
懇親会(社内) 「では、本日お集まりいただいた皆さんとの親睦を深めるべく、また皆さんのご健勝を祝しまして、乾杯!」 シンプルに短くまとめる
懇親会(社外・フォーマル) 「僭越ながら、乾杯のご発声を申し上げます。本日ご参集の皆様方の一層のご発展とご健勝を祈念しまして、乾杯!」 格式高い席は「ご発展・ご健勝」
創立記念・周年パーティー 「本年で創立〇〇周年を迎えました。これもひとえに皆様のご支援の賜物でございます。次なる〇〇年に向けてご発展を祈念し、乾杯!」 節目の年数を入れる

乾杯の発声フレーズ 格式別一覧

乾杯の締めくくりに使う「発声フレーズ」は、場の格式によって使い分けます。

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格式 発声フレーズ
最もフォーマル 「ご発展とご健勝を祈念しまして、乾杯!」
フォーマル 「皆様のご活躍を祈念して、乾杯!」
標準 「皆さんのご健康と〇〇の成功を祝して、乾杯!」
カジュアル 「それでは盛大に、乾杯!」
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締め・中締めの挨拶 定型文一覧

中締めの定型文

宴会の「中締め」とは、2時間程度で行う区切りの挨拶です。「一本締め」「三本締め」と組み合わせて使います。

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シーン 定型文例
中締め(標準) 「いよいよお開きの時間が近づいてまいりました。まだまだ名残惜しいところではございますが、本日はここで中締めとさせていただきます」
中締め(格式) 「宴もたけなわではございますが、お時間となりましたので、ここで一度中締めとさせていただきます」
中締め(二次会へ誘導) 「一次会はここで締めとなりますが、ご希望の方は二次会もご用意しております。ぜひご参加ください」

締め・閉会の定型文

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シーン 定型文例
送別会の締め 「本日は〇〇さんのために素晴らしい時間を共有できました。〇〇さんの新天地でのご活躍を心よりお祈り申し上げます。それでは、盛大に一本締めで締めたいと思います」
歓迎会の締め 「本日は〇〇さんをお迎えして、にぎやかな会となりました。改めて〇〇さんのご着任を歓迎し、今後のご活躍に期待を込めて締めたいと思います」
忘年会・納会の締め 「今年も皆様のおかげで無事に業務を終えることができました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。それでは、一本締めでお開きとさせていただきます」
懇親会の閉会 「本日は誠にありがとうございました。皆様の今後のご健勝とご活躍を祈念して、閉会とさせていただきます」
周年記念の閉会 「本日はお集まりいただき、誠にありがとうございました。引き続き皆様のご支援・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。それでは三本締めでお開きとさせていただきます」

一本締め・三本締め・一丁締めの進行フレーズ

手締めの進行フレーズは意外と知られていない部分です。それぞれの手拍子パターンと司会フレーズを一覧にしました。

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種類 司会の呼びかけ 手拍子のパターン 使う場面
一本締め 「では、一本締めでお願いします。よぉ〜!」 パパパン・パパパン・パパパン・パン(3・3・3・1の計10拍) 一般的な社内宴会・懇親会
三本締め 「では、三本締めでお願いします。よぉ〜!(一本締めを3回繰り返す)」 一本締め×3セット 格式の高い式典・記念行事・冠婚葬祭
一丁締め 「では、一丁締めでよろしくお願いします。よぉ〜!」 パン(1回のみ) 時間を短縮したいとき・二次会の締め

「一本締め」と「一丁締め」は混同されやすいので要注意です(詳細はNG例を参照)。

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会議・朝礼の定型文一覧

競合記事では手薄な「業務進行系の定型文」もまとめました。会議の開閉会から朝礼スピーチ、オンライン会議まで網羅しています。

会議の開会・閉会定型文

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場面 定型文例
開会(司会) 「定刻になりましたので、ただいまより〇〇会議を開始いたします。本日の議題は〇〇です。それでは〇〇さん、よろしくお願いいたします」
開会(役職者) 「本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。早速ですが、議事に入らせていただきます」
閉会(議事録・確認あり) 「本日の決定事項を確認いたします。〇〇については……。以上ですが、ご不明な点はございますか?それでは、閉会いたします」
閉会(簡潔) 「以上をもちまして、本日の〇〇会議を終了いたします。お疲れ様でした」
休憩案内 「ここで〇〇分間の休憩を取らせていただきます。〇〇時から再開いたしますので、よろしくお願いいたします」

朝礼スピーチの定型文

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パターン 定型文例
冒頭(基本) 「おはようございます。〇〇です。本日の朝礼スピーチを担当します。今日は〇〇についてお話しさせていただきます」
季節・時事から入る 「おはようございます。〇〇です。先日〇〇というニュースがありました。私たちの〇〇にも通じる話だと感じましたので、少しご紹介させていただきます」
締め(簡潔) 「以上です。本日もよろしくお願いいたします」

オンライン会議の冒頭・進行定型文

ハイブリッドワークが定着した現在、オンライン特有の定型フレーズも押さえておきましょう。

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場面 定型文例
開始確認 「皆さん、映像・音声は聞こえていますでしょうか。それでは、ただいまより〇〇を始めます」
発言ルールの案内 「発言される際はマイクをONにしてお話しください。それ以外はミュートでお願いします」
録画の告知 「本日の会議は後から見返せるよう録画させていただきます。ご了承ください」
遅延・接続トラブル時 「少々お待ちください。通信の確認をしております。大変失礼いたしました、再開します」
閉会 「以上で本日のオンライン会議を終了いたします。ご参加ありがとうございました」
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式典・表彰式・研修の定型文一覧

表彰式の司会進行フレーズ

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場面 定型文例
開会 「ただいまより〇〇年度表彰式を執り行います。受賞された皆様、誠におめでとうございます」
受賞者の呼び込み 「続きまして、〇〇賞の受賞者は〇〇様です。大きな拍手でお迎えください」
表彰状の授与 「〇〇様、誠におめでとうございます。記念品を合わせてお受け取りください」
受賞者コメント促し 「では、一言ご感想をいただけますでしょうか」
閉会 「以上をもちまして、〇〇年度表彰式を終了いたします。受賞された皆様、改めておめでとうございます」

入社式・内定式の挨拶

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登壇者 定型文例
代表(入社式) 「本日はご入社おめでとうございます。皆さんのご入社を、社員一同心よりお待ちしておりました。これから一緒に〇〇という目標に向かって歩んでいきましょう」
新入社員代表 「ただいまご紹介いただきました新入社員を代表して、一言ご挨拶申し上げます。本日より皆様のご指導のもと精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします」

キックオフミーティングの挨拶

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場面 定型文例
プロジェクト開始宣言 「本日はお集まりいただきありがとうございます。いよいよ〇〇プロジェクトが始まります。チーム一丸となって取り組みましょう」
目標の宣言 「本プロジェクトの目標は〇〇です。期限は〇月〇日。一人ひとりのお力を結集して、必ず達成しましょう。よろしくお願いします」
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「僭越ながら」「光栄でございます」の正しい使い方

ビジネスシーンで頻出する敬語表現を、意味・正しい使い方・注意点に分けて解説します。

僭越ながら(せんえつながら)

「僭越(せんえつ)」とは「自分の立場を越えた言動をすること」という意味の言葉です。「自分には分不相応なのですが」というへりくだりの表現として使います。

  • 正しい場面:自分より立場が上の人から指名を受けたとき、または先輩・目上の人が多い場で発言するとき
  • 「僭越ながら、乾杯のご発声を申し上げます」(○)
  • 「僭越ながら、私の意見を申し上げます」(○)
  • 注意点:主賓・来賓・最上位者が「僭越ながら」を使うのは意味が矛盾します。そのような立場では「光栄でございます」「ご紹介にあずかりました」に切り替えましょう。

光栄でございます(こうえいでございます)

「大変名誉なことです」という意味で、喜んで役割を引き受けるニュアンスが含まれます。

  • 正しい場面:賞を受けたとき、来賓として招かれたとき、主賓・スピーカーとして指名されたとき
  • 「このような名誉ある賞をいただき、誠に光栄に存じます」(○)
  • 「ご指名をいただき、誠に光栄でございます」(○)
  • 注意点:「光栄に思います」はやや砕けた表現。フォーマルな場では「光栄に存じます」「光栄でございます」が適切です。

誠に恐縮でございます(まことにきょうしゅくでございます)

「申し訳なく思う・恐れ多い」というニュアンスで、謝罪にも感謝にも使える表現です。

  • 正しい場面:お礼を述べるとき(感謝)、または迷惑をかけたことへのお詫びのとき(謝罪)
  • 「ご丁寧にお祝いをいただき、誠に恐縮でございます」(感謝・○)
  • 「ご迷惑をおかけして、誠に恐縮でございます」(お詫び・○)
  • 注意点:謝罪と感謝の両方で使うため、文脈を明確にしないと受け取り方にズレが生じることがあります。

ご指名にあずかりました(ごしめいにあずかりました)

「ご指名をいただきました」という意味。「あずかる」には「大切なことを任せてもらう」というニュアンスがあり、「いただく」より丁寧な印象を与えます。

  • 正しい場面:乾杯・締め・スピーチの進行役を指名されたとき
  • 「ご指名にあずかりまして、誠にありがとうございます」(○)
  • 注意点:「ご指名をいただきました」でも正しいですが、「ご指名にあずかりました」の方が格式感が高くなります。

NG例・よくある誤用パターン

ビジネスシーンで「あれ、大丈夫だったかな?」と後から気になる誤用を事前に把握しておきましょう。

「宴もたけなわですが」の使い方間違い

  • NG:「宴もたけなわとなりましたので、終わりにしたいと思います」
  • なぜNG?:「たけなわ」は「最も盛んな状態・ピーク」を意味する言葉です。「宴の最高潮」という意味なので、「終わり」の場面で単独で使うのは不自然です。
  • ○正しい使い方:「宴もたけなわではございますが、お時間となりました。ここで中締めとさせていただきます」(まだ盛り上がっているが、という文脈で使う)

「一本締め」と「一丁締め」の混同

  • NG:「では一本締めでお願いします!(パン、と一回だけ手を叩く)」
  • なぜNG?:これは「一丁締め」です。一本締めは「パパパン・パパパン・パパパン・パン」の計10拍が正しいパターンです。
  • ○正しい区別:一本締め=3・3・3・1の10拍、一丁締め=1拍のみ、三本締め=一本締めを3セット

「僭越ながら」を主賓・最上位者が使う

  • NG:(会の主賓である社長が)「僭越ながら、ご挨拶申し上げます」
  • なぜNG?:「僭越」は「立場を越えた」という謙遜表現なので、その場の最上位者が使うと意味が矛盾します。
  • ○代替表現:「誠に光栄でございます」「ただいまご紹介にあずかりました〇〇でございます」を使いましょう。

「ご苦労様でした」を目上の人に使う

  • NG:(上司に向かって)「今日もご苦労様でした!」
  • なぜNG?:「ご苦労様」は目上の人が目下の人をねぎらうときに使う表現です。上位から下位への言葉なので、逆方向に使うと失礼に当たります。
  • ○代替表現:上司・取引先には「お疲れ様でございました」を使いましょう。

「了解しました」を目上の人に使う

  • NG:(上司・取引先に)「了解しました!」
  • なぜNG?:「了解」は対等な関係か、やや目上が目下に使うカジュアルな同意表現です。
  • ○代替表現:上司・取引先には「承知いたしました」「かしこまりました」が適切です。

「よろしかったでしょうか」の多用

  • NG:「〇〇でよろしかったでしょうか?」(現在の状況確認に過去形を使う)
  • なぜNG?:現在の確認事項に過去形「よろしかった」を使うのは時制の誤りです。飲食・サービス業でよく見られる「バイト敬語」のひとつとして知られています。
  • ○代替表現:「〇〇でよろしいでしょうか?」が正しい形です。

まとめ

ビジネスシーンの挨拶・スピーチは、「定型フレーズの型」を覚えておけば場面ごとに応用が利きます。特に冒頭フレーズ「僭越ながら」「光栄でございます」「ご指名にあずかりました」の3つを使い分けられると、どんなスピーチも落ち着いてスタートできます。また「一本締め」「宴もたけなわ」などの定番NGを知っておけば、場を冷やす場面を減らせます。ビジネスシーンで使うその他の言葉に興味がある方は、社会・ビジネスの法則63選もあわせてご覧ください。

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