絵文字の歴史と種類一覧|1999年日本発祥から世界標準になるまで

「絵文字」は英語でも"emoji"(エモジ)と呼ばれ、世界共通のコミュニケーション手段として定着しています。実は絵文字は日本生まれ。1999年にNTTドコモのiモード向けに作られた176種の小さな画像が、20年以上かけてUnicode国際標準に採択され、現在では3,782種以上が世界中のスマートフォンで使われるまでになりました(Unicode 15.1時点)。本記事では絵文字の誕生から国際化・9大カテゴリ別種類一覧・プラットフォームごとのデザイン差まで、その全経緯を解説します。

スポンサーリンク

絵文字とは?顔文字・ステッカーとの違い

絵文字とは、文字コードの一種として登録された「1文字で画像を表す記号」のことです。😊や🍣のように、1つの絵が1文字分のコードに対応しており、テキストの中に混ぜて送受信できます。

よく混同される顔文字(カオモジ)とは別物です。顔文字は記号・文字を組み合わせてテキストで表現したもの(例:(^▽^) )で、1980年代から使われてきた日本独自の文化。一方、絵文字は画像データそのものを文字として扱う点で根本的に違います。LINEやMessengerのステッカーは独自画像ファイルなので、どのアプリでも使えるわけではありません。絵文字は文字コードで標準化されているため、AndroidからiPhoneへ送っても受け取れる点が強みです。

顔文字の歴史・種類一覧については顔文字一覧|感情別170種まとめ【コピペOK・定番から激レアまで】をあわせてご覧ください。

絵文字の誕生:1999年、ドコモiモードから

絵文字を生み出したのは、NTTドコモの栗田穣崇(Shigetaka Kurita)です。1999年2月、ドコモが携帯インターネットサービス「iモード」を開始する際、文字数が厳しく制限されたメールでも感情や情報を素早く伝えるために、12×12ピクセルの画像を「1文字」として扱う「絵文字」を考案しました。

最初のセットは176種。天気(☀️☔)、乗り物(🚃✈️)、食べ物、感情表現など、日常の伝達に必要な情報をカバーするよう設計されました。電光掲示板や天気予報記号などからインスピレーションを受けたとされています。

ただし当初はドコモ独自の規格だったため、auやSoftBankなど他キャリアとの互換性はなく、「ドコモで送った絵文字が他社では文字化けする」問題が長年続きました。

2016年には、この最初の176種の絵文字がニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションに収蔵され、「デジタル時代の重要なデザイン遺産」として世界に認められています。

スポンサーリンク

国際化の年表:Unicodeバージョン別の歩み

日本国内にとどまっていた絵文字が世界標準になった経緯を、Unicodeのバージョン別に整理します。

← 横にスクロールできます →

Unicodeバージョン 主な出来事・追加絵文字
1995 ポケベルに「ハートマーク」登場(絵文字の原型といわれる)
1999 ドコモiモード向けに初代絵文字176種が誕生(栗田穣崇)
2010 Unicode 6.0 絵文字が国際標準へ初収録(約722文字)。日本3キャリアの絵文字を整理・統合
2011 Apple iOS 5で絵文字キーボードが全世界で標準搭載。国際普及が加速
2013 「emoji」がOxford English Dictionaryに正式収録
2014 Unicode 7.0 250種以上を追加。絵文字の種類が大幅に拡充
2015 Unicode 8.0 肌の色バリエーション(フィッツパトリック尺度に基づく5種類)を初追加
2015 Oxford Dictionariesが「今年の言葉」に😂を選定(史上初の絵文字受賞)
2016 初代176種の絵文字をニューヨーク近代美術館(MoMA)が永久コレクションに収蔵
2016〜2019 Unicode 9.0〜12.0 ジェンダーニュートラル絵文字の展開・動物や食べ物が大幅充実。毎年50〜250種追加
2020 Unicode 13.0 🤌(ピンチハンド)・🧊(氷)など117種追加。カップル多様性バリエーション拡充
2021 Unicode 13.1 🥲(笑いながら涙の顔)など追加
2021 Unicode 14.0 🫠(溶ける顔)・🫶(ハートの手)など37種追加
2022 Unicode 15.0 🩷(ピンクハート)・🫎(ムース)・🪼(クラゲ)など31種追加(2022年9月リリース)
2023 Unicode 15.1 🐦‍🔥(不死鳥)・🙂‍↕️(縦揺れ顔)など追加。累計約3,782種に到達
2024 Unicode 16.0 🐦‍⬛(黒い鳥)など追加(2024年9月リリース)。3,800種以上

絵文字の種類:9大カテゴリ一覧

Unicodeでは絵文字を9つの大カテゴリに分類しています。現在の全3,782種以上(Unicode 15.1時点)を分類別にまとめます。

← 横にスクロールできます →

カテゴリ名(英語) 代表的な絵文字 概要・内容
スマイリー&感情 😊😢😂😡🥺🥰 顔の表情・感情表現・ハート各種。最も使用頻度が高いカテゴリ
人物・身体 👋🤝🧑‍💻👩‍👧‍👦🦷 ジェスチャー・人物・身体パーツ・職業・家族構成。多様性バリエーションが豊富
コンポーネント 🏻🏼🏽🏾🏿 肌の色(6段階)・髪の色など、他の絵文字に組み合わせる修飾子
動物・自然 🐶🦁🌸🌊⚡🍄 哺乳類・鳥・虫・魚・植物・天気・地形現象。新種動物の追加が毎年話題
食べ物・飲み物 🍣🍕🍺🧁🥑🫖 料理・食材・飲料・スイーツ。国際化に伴い世界各国の食文化が充実
旅行・場所 🗼✈️🌍🏕️🚗🏟️ 乗り物・建物・観光地・地理・自然風景。国・地域を超えた普遍的場所
活動 ⚽🎮🎸🎯🧘🎭 スポーツ・ゲーム・音楽・芸術・趣味活動
📱💻📚🔑💡🪝 デジタル機器・家具・道具・衣類・家庭用品
記号 ❤️✅🔴➡️♻️🔞 幾何学図形・色・矢印・宗教・数字・警告サイン

旗カテゴリは上記9カテゴリとは別に管理され、195か国以上の国旗に加えLGBT旗・職業旗・地域旗など250種以上を含みます。

肌の色バリエーション(2015年〜)

2015年のUnicode 8.0から、人物系絵文字に医学的な「フィッツパトリック尺度」に基づく5種類の肌色バリエーションが追加されました(フィッツパトリック尺度の6分類のうちType I・IIを統合)。デフォルト(黄色)に加え、👋🏻(最も明るい)から👋🏿(最も暗い)まで選択可能。肌の色で人物を画一的に表現しない多様性への配慮として、世界的に評価されました。

ジェンダーニュートラル絵文字(2016年以降)

2016年以降、Googleが主導する形で「ジェンダーニュートラルな職業絵文字」の追加が進みました。👩‍💻(女性エンジニア)や🧑‍🔬(性別不問の科学者)など、性別を問わない表現が拡充。現在は多くの人物絵文字に「男性・女性・性別なし」の3バリエーションが存在します。

スポンサーリンク

プラットフォームによるデザインの違い

「同じ絵文字なのに相手の画面では違う顔に見えた」という経験はありませんか?これはUnicodeが文字コード(何を表すか)だけを定めており、デザイン(どう見せるか)は各企業が自由に設計できるからです。

← 横にスクロールできます →

プラットフォーム 名称 デザインの特徴
Apple(iOS/Mac) Apple Emoji 丸みがありリアルで立体的。細部まで精巧に作り込まれた高品質な仕上がり。グローバルで最も参照される事実上の基準
Google(Android) Noto Emoji 2017年以前は独特の楕円形デザイン「Blobmoji(ブロブモジ)」として話題に。Android 8.0(Oreo)から現在のすっきりしたフラット系に変更
Twitter/X Twemoji シンプルでフラットな線画スタイル。オープンソース(Apache 2.0ライセンス)で公開されており、多くのウェブサービスが採用
Samsung(Galaxy) Samsung Emoji 目が大きく表情豊かな独自デザイン。Galaxy端末ユーザーには見慣れているが、他社と並べると「ちょっと違う」と気づかれる
Microsoft(Windows) Fluent Emoji 以前は2Dのカラフルデザイン。2022年以降は「Microsoft Fluent Emoji」として3D風の立体的なデザインに全面刷新。オープンソースで公開
Meta(WhatsApp/Facebook) Meta Emoji WhatsAppとFacebookで独自の絵文字セットを採用。ただし近年はApple/GoogleのUnicode準拠デザインに近づいている

同じ😂のコードを送っても、iPhoneとAndroidで微妙に違って見えるのはこのためです。基本的な感情や意味は共通ですが、スタイルや細部の表情はプラットフォームごとに個性があります。

知っておきたい絵文字の豆知識

「世界絵文字の日」は7月17日
毎年7月17日は「World Emoji Day(世界絵文字の日)」です。📅(カレンダー絵文字)の日付が多くのプラットフォームで「7月17日」を示すことから定められました。AppleがカレンダーアプリiCalを発表したMacWorld Expo(2002年7月17日)の日付に由来するとも言われています。

「emoji」はOxford辞典に収録された日本語由来の語
「emoji」という言葉は2013年にOxford English Dictionaryに正式収録されました。英語の"emoticon"(emotion+icon)とは別語源で、日本語の「絵(え)文字(もじ)」がそのまま世界語として採用された珍しいケースです。「sushi」「tsunami」「karaoke」などと並ぶ、日本語起源の国際語の一つです。

新しい絵文字はどう決まる?
新絵文字の採否は「Unicode Emoji Subcommittee(絵文字小委員会)」が審査します。申請書類を提出して委員会で審議され、年1回のUnicodeアップデートで追加・却下が決定。一般ユーザーも申請でき、🫎(ムース)や🪷(蓮の花)など実際に採用された例もあります。審査では「単独の文字として使われるか」「幅広い文化・地域で通用するか」などが基準になります。

文化・世代によって意味が変わる絵文字
同じ絵文字でも受け取り方は文化や世代によって異なります。😂(嬉し泣き)はZ世代では「おじさんっぽい」とされ、😭(号泣)の方がリアルな涙の表現として好まれる傾向が指摘されています。また🍑(モモ)は日本では普通の果物ですが、英語圏では別の意味で使われることが多く、海外とのやり取りには注意が必要な絵文字もあります。

スポンサーリンク

まとめ

1999年に栗田穣崇が176種の小さな12×12ピクセル画像として生み出した絵文字は、Unicode 6.0(2010年)への収録とiPhone搭載(2011年)を経て世界標準のコミュニケーション文字へ進化し、今や3,782種以上(Unicode 15.1時点)が世界中で使われています。プラットフォームによってデザインは異なりますが、同じコードで感情や情報を伝えられる絵文字は、言語の壁を超えた現代の「世界共通語」といえます。

顔文字との違いや日本のテキスト文化については顔文字一覧|感情別170種まとめ【コピペOK・定番から激レアまで】、ネット上で生まれた言葉の文化については現代ネットスラング119選|草・エモい・ぴえんの意味・語源まとめもあわせてご覧ください。

一緒に読まれている人気記事

スポンサーリンク

X でフォローしよう!

おすすめの記事