都道府県の県庁所在地一覧|47都道府県と名前が違う18道府県の理由

47都道府県のうち、じつは18の道府県で「県名と県庁所在地の名前が違う」ことをご存じですか?栃木県の県庁所在地は「宇都宮市」、石川県は「金沢市」、沖縄県は「那覇市」──なぜこのような「ずれ」が生まれたのか。全47都道府県の県庁所在地を一覧表で完全網羅しながら、1871年の廃藩置県に隠された歴史と「戊辰戦争説」の真偽を解説します。

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47都道府県の県庁所在地一覧

地方ブロック別に整理しました。「◎」は都道府県名と一致、「―」は異なる市が県庁所在地であることを示します。

北海道・東北地方(7道県)

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都道府県 県庁所在地 一致
北海道 札幌市 ―
青森県 青森市 ◎
岩手県 盛岡市 ―
宮城県 仙台市 ―
秋田県 秋田市 ◎
山形県 山形市 ◎
福島県 福島市 ◎

関東地方(7都県)

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都道府県 県庁所在地 一致
茨城県 水戸市 ―
栃木県 宇都宮市 ―
群馬県 前橋市 ―
埼玉県 さいたま市 ―
千葉県 千葉市 ◎
東京都 ※特別区(都庁は新宿区) ―
神奈川県 横浜市 ―

※東京都は市制を持たず特別区が置かれる特殊な行政区画。都庁舎は新宿区に所在。

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中部地方(9県)

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都道府県 県庁所在地 一致
新潟県 新潟市 ◎
富山県 富山市 ◎
石川県 金沢市 ―
福井県 福井市 ◎
山梨県 甲府市 ―
長野県 長野市 ◎
岐阜県 岐阜市 ◎
静岡県 静岡市 ◎
愛知県 名古屋市 ―

近畿地方(7府県)

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都道府県 県庁所在地 一致
三重県 津市 ―
滋賀県 大津市 ―
京都府 京都市 ◎
大阪府 大阪市 ◎
兵庫県 神戸市 ―
奈良県 奈良市 ◎
和歌山県 和歌山市 ◎

中国地方(5県)

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都道府県 県庁所在地 一致
鳥取県 鳥取市 ◎
島根県 松江市 ―
岡山県 岡山市 ◎
広島県 広島市 ◎
山口県 山口市 ◎
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四国地方(4県)

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都道府県 県庁所在地 一致
徳島県 徳島市 ◎
香川県 高松市 ―
愛媛県 松山市 ―
高知県 高知市 ◎

九州・沖縄地方(8県)

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都道府県 県庁所在地 一致
福岡県 福岡市 ◎
佐賀県 佐賀市 ◎
長崎県 長崎市 ◎
熊本県 熊本市 ◎
大分県 大分市 ◎
宮崎県 宮崎市 ◎
鹿児島県 鹿児島市 ◎
沖縄県 那覇市 ―
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県名と県庁所在地が異なる18道府県まとめ

東京都を含めると19の道都府県で名前が一致しません。以下は18道府県(東京都を除く)の不一致一覧と、その主な理由です。

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都道府県 県庁所在地 主な理由
北海道 札幌市 「北海道」は地域名で「北海道市」は存在しない
岩手県 盛岡市 「岩手」は旧郡名。盛岡は南部藩の城下町
宮城県 仙台市 「宮城」は旧郡名。仙台は伊達政宗が築いた城下町
茨城県 水戸市 「茨城」は奈良時代の旧郡名。水戸は徳川御三家の城下町
栃木県 宇都宮市 廃藩置県後に栃木町から宇都宮市へ県庁移転(1884年)
群馬県 前橋市 「群馬」は旧国名(上野国の郡名)。前橋は前橋藩の城下町
埼玉県 さいたま市 「埼玉」は旧郡名。さいたま市は2001年の3市合併で誕生
神奈川県 横浜市 「神奈川」は東海道の宿場名。開港で横浜が急成長し県庁に
石川県 金沢市 「石川」は旧郡名。金沢は加賀百万石・前田藩の城下町
山梨県 甲府市 「山梨」は旧郡名。甲府は「甲斐府中」の略で武田氏の本拠
愛知県 名古屋市 「愛知」は旧郡名。名古屋は尾張徳川家の城下町
三重県 津市 「三重」は旧郡名。津は津藩の城下町で日本一短い市名(1文字)
滋賀県 大津市 「滋賀」は旧国名(近江国)。大津は琵琶湖畔の古代からの要衝
兵庫県 神戸市 「兵庫」は古代の武器庫施設の名。神戸は開港で発展した港湾都市
島根県 松江市 「島根」は旧郡名。松江は松江藩(松平氏)の城下町
香川県 高松市 「香川」は旧郡名。高松は高松藩(松平氏)の城下町
愛媛県 松山市 「愛媛」は古事記の雅称。松山は松山藩の城下町
沖縄県 那覇市 「沖縄」は島全体の地名。那覇は琉球王国の首都だった港湾都市

「名前が違う」3つの理由

① 廃藩置県で旧郡名・旧国名が県名になった

1871年(明治4年)、明治政府は廃藩置県を断行しました。約300あった藩を廃止して府・県に統合するという、近代日本史上最大級の行政改革です。

このとき、新たに設置された「県」の名前には旧国名や旧郡名が多く採用されました。「石川県」は旧・石川郡、「三重県」は旧・三重郡、「茨城県」は旧・茨城郡の名前に由来します。

一方、県庁(行政の拠点)は、その地域で最も経済的・交通的に発展していた城下町に置かれたケースが多くありました。城下町の名前は江戸時代から根付いた独自の地名(宇都宮・金沢・名古屋・神戸など)だったため、新たに付けられた「県名」と食い違いが生まれたのです。

「石川県」の県庁が金沢に置かれたのも、加賀百万石を誇った前田藩の拠点として金沢が圧倒的に繁栄していたからです。「三重県」の県庁が津に置かれたのも、当時の三重地方で最も整備されていた津藩の城下町・津が選ばれたためです。

② 廃藩置県後の県庁移転

廃藩置県直後の1871年時点で、現在の県庁所在地に最初から県庁があったわけではありません。その後の行政区画の統廃合や合併の中で、県庁が移転したケースも複数あります。

栃木県はその典型例です。廃藩置県直後は「栃木町」(現・栃木市)に県庁が置かれていましたが、1884年(明治17年)に宇都宮市へ移転しました。東北本線の要衝として交通・経済的に優位だった宇都宮が選ばれた結果、「栃木県の県庁所在地が宇都宮市」という現在の形が定着しました。

群馬県でも、廃藩置県後の複数回の統廃合を経て、前橋藩の城下町だった前橋が最終的な県庁所在地として確定しています。

③「戊辰戦争の賊軍説」は俗説

SNSやウェブでよく見かける説に「県名と県庁所在地が違う18道府県は、戊辰戦争(1868年)で幕府側(賊軍)として戦った藩が多い」というものがあります。

しかし、この説は学術的な裏付けがない俗説です。実際に照らし合わせると矛盾が目立ちます。

  • 石川県(金沢藩):戊辰戦争では幕府側ではなく新政府側(官軍)に早期転換。しかし石川県の県庁所在地は金沢市(不一致)
  • 神奈川県(横浜):開港という特殊な地政学的事情によるもので、戊辰戦争との関係はない
  • 沖縄県(那覇):戊辰戦争当時は独立した琉球王国で、戊辰戦争に参加していない

「名前が違う本当の理由」は戊辰戦争の勝敗ではなく、旧郡名・旧国名を県名に採用した廃藩置県の制度設計と、城下町・港湾都市という交通・経済の実情にあります。

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豆知識

日本一短い市名は三重県の「津市」
47都道府県の県庁所在地の中で最も短い名前は三重県の「津」(漢字1文字・読み1音節)。日本全国で漢字1文字の市名は津市だけです。「津」は古語で「港・渡し場」を意味し、伊勢湾に面した港湾都市として古代から栄えてきました。

さいたま市は2001年誕生の比較的新しい市
埼玉県の県庁所在地「さいたま市」が誕生したのは2001年(平成13年)。旧・浦和市・大宮市・与野市の3市が合併して生まれました。「埼玉市」ではなくひらがな「さいたま市」になったのは、かつて「埼玉市」という名前の市(現在は廃止)が存在していたという複雑な経緯があるためです。

北海道は「道」なので市がない
北海道の「道」は都道府県制度の「道」で、都・府・県と同格の行政区画です。「北海道市」という市は存在せず、北海道庁が札幌市に置かれています。道庁が置かれた1886年(明治19年)当初から、行政機能は札幌に集中していました。

那覇は琉球王国の首都だった
那覇市はかつて琉球王国(1429〜1879年)の首都でした。首里城が国の中枢として栄え、中国・日本・東南アジアとの交易の拠点でもありました。1879年の琉球処分で沖縄県となり、1972年の本土復帰後に沖縄県の県庁所在地として現在に至っています。

腕試しクイズ(全5問)

県名と異なる県庁所在地を中心に出題します。全問正解を目指してください。

腕試しクイズ(全5問)|都道府県の県庁所在地
全5問。「採点する」で正解数と解説が表示されます。
第1問 栃木県の県庁所在地はどこですか?

第2問 三重県の県庁所在地はどこですか?

第3問 石川県の県庁所在地はどこですか?

第4問 神奈川県の県庁所在地はどこですか?

第5問 沖縄県の県庁所在地はどこですか?

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まとめ

47都道府県の県庁所在地を地方別の一覧表にまとめました。18の道府県で「県名≠県庁所在地名」が生まれた主な理由は2点です。

  1. 廃藩置県(1871年)で旧郡名・旧国名が県名に採用された
  2. 城下町や港湾都市など経済・交通の拠点に県庁が置かれた

「戊辰戦争の賊軍藩が多い」という俗説は、実際のデータと照らし合わせると矛盾が多く、定説にはなっていません。地名の不思議に興味が出た方は、日本全国の難読地名一覧もあわせてご覧ください。

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