
「bash run.sh」と打つだけで、ブログ記事が1本自動で完成する。Claude Codeを使ったブログ自動化システムを、当サイト「トリヴィペディア」でゼロから構築・運用しています。テーマ選びから競合調査、記事執筆、SEOチェック、画像取得、WordPress投稿まで、すべてAIが自動でこなしてくれます。
ただし、記事の「公開」だけは絶対に自動化していません。技術的には可能ですが、あえて下書き止まりにして、公開前に必ず私が確認する設計にしています。その理由も含めて、システムの全体像をお伝えします。
なぜブログ運営を自動化しようと思ったのか
「書く時間がない」という壁
ブログを継続する上で、最大のボトルネックは「記事を書く時間」でした。
1本の記事を仕上げるには、テーマ選び・競合調査・構成案の作成・本文執筆・SEOチェック・画像選定・WordPress投稿まで、すべて合わせると軽く3〜4時間はかかります。雑学記事のように調査が必要なテーマだと、さらに時間がかかることもある。
日々の仕事や生活の合間に、毎日コンスタントに高品質な記事を書き続けるのは、現実問題としてかなり難しい。頑張っても週に2〜3本が限界で、書けない日が続くと「もうやめようかな」という気持ちが頭をよぎることもありました。
何かを継続するとき、「やる気」ではなく「仕組み」で解決できないか。それが自動化を考え始めたきっかけです。
作業ではなく、運営に集中したかった
正直に言うと、私がやりたかったのは「記事を書くこと」そのものではありませんでした。
ブログというメディアを育てること。どんなテーマを扱うか、読者にどんな価値を届けるか、サイト全体の方向性をどう決めるか。そういう「運営者としての判断」に集中したかった。個々の記事を書くという繰り返し作業ではなく、メディアの設計と改善に時間を使いたかったんです。
そこで、「記事を書く作業」はAIに任せ、「運営の判断」は自分でやる、という明確な役割分担を目指すことにしました。
使ったツールとコスト
ツールとして選んだのはClaude ProとClaude Codeです。
- Claude.ai(チャット):システムの設計相談・ルールの追加・新機能の検討など、意思決定のパートナーとして使用
- Claude Code(ターミナル):ファイル操作・エージェントの実行・WordPress投稿など、実際の自動作業を担う実行エンジンとして使用
- GitHub:ブログエージェントのコードと設定をバージョン管理・バックアップ
追加で必要なAPIキーは、Pexels(画像取得・無料)、Unsplash(画像取得・無料)、Anthropic API(画像キーワード自動生成・月1〜2円程度)の3つ。Claude Proの月額20ドル以外はほぼ無料で動いています。※これは現在の運用ペースでの実績値で、記事数が増えれば月数十円〜数百円程度になる見込みです。
「高価な開発環境が必要」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、サブスクリプション1本分のコストで全自動システムが稼働しています。
実際に作ったシステムでできること
完成したシステムの核は、bash run.sh という1コマンドです。これを実行すると、以下の7ステップが自動で走ります。
① ネタの自動選定
topics.md というネタストックリストに候補テーマを蓄積しておき、そこから未執筆の「執筆待ち」テーマを1件自動選択します。ストックが少なくなったときは、auto-research.sh というスクリプトが自動でアイデアを10件補充する仕組みになっているので、ネタ切れで悩む必要がありません。
② 競合調査(Google上位5件)
メインキーワードでGoogle検索し、上位5件の記事の文字数・H2・H3の見出し構成・扱っている項目を自動取得します。「競合の平均文字数の1.5倍を目標にする」「差別化ポイントを3つ以上盛り込む」というルールをAIに渡し、どう上回るかをAI自身が判断して執筆に臨みます。
③ 記事構成・本文執筆
競合調査の結果をもとに、AIが構成案を作り、本文を書きます。ブログのコンセプト・対象読者・文体・トーン・SEOルール・見出し構造・禁止事項など、運営に関するすべてのルールを CLAUDE.md という指示書ファイルにまとめてあり、AIはこれを読み込んだ状態で執筆します。指示を毎回説明し直す必要がありません。
④ SEOチェック・自動修正
タイトルの文字数(28〜32字)・メタディスクリプション(120〜160字)・キーワード密度・H2とH3の構造など、SEOの基準を自律的にチェックして自動修正します。問題がなければ「自己レビューOK」の一言で完了。修正した場合は変更箇所を報告してくれます。
⑤ 画像の自動取得・WordPress挿入
PexelsとUnsplashのAPIを使って、記事の各見出しに合った画像を自動取得します。著作権フリー・商用利用可能な画像のみを使用し、見つからない場合はWikimedia Commons(CC BY・CC0・パブリックドメインのみ)を参照します。取得した画像はWordPressに自動アップロードされ、アイキャッチ画像と本文内の適切な位置に挿入されます。
⑥ WordPress下書き投稿
Markdown形式で書かれた本文をHTMLに変換して、WordPress REST APIで下書きとして投稿します。広告タグの挿入位置の自動調整や、記事末尾への関連記事ブロック生成もこのタイミングで行われます。
⑦ タグ・カテゴリ・関連記事の自動設定
記事のタイトルと本文のキーワードを分析して、カテゴリを自動判定します。関連記事は公開済みの既存記事から最大3件を自動選定して挿入。タグはWordPressに存在しない場合でも自動作成されます(カテゴリは既存のもののみ使用・自動作成禁止というルールを設けています)。
毎日3回、自動で記事が積み上がっていく
上記の7ステップを、cronを使って毎日10時・14時・18時の3回、自動実行する設定にしています。PCがスリープ中はスキップされ、1日の実行上限は5本。放っておくだけで、気づいたら下書きが溜まっている状態です。
実際のテスト実行では、「サッカーW杯の雑学まとめ25選」というテーマで競合調査からWordPress下書き投稿まで通しで実行し、8,292字の記事が自動生成されました。アイキャッチ・本文画像8枚・関連記事3件・カテゴリ・タグがすべて自動設定されており、私がやったのは「bash run.sh」と打っただけです。
あえて「公開」は自動化しない
技術的には、下書き投稿の後に「公開」まで自動化することは可能です。でも、私はあえてそうしていません。
理由はシンプルです。AIのファクトチェックは強力ですが、完璧ではないからです。
数字・固有名詞・「諸説あり」情報の扱いなど、品質に関するチェックルールはシステムに組み込んでいます。それでも、人間が最終的に目を通すことが、記事の品質と読者への誠実さを担保すると考えています。
大量の薄い記事を垂れ流すのではなく、自動生成された下書きを人間がきちんと確認してから世に出す。これがトリヴィペディアの運用スタンスです。「完全に自動化できる技術力」と「品質のために人間が確認する誠実さ」を両立させているという感覚です。
自動化して何が変わったか
システムが動き始めてから、ブログとの関わり方が大きく変わりました。
以前は「今日は何を書こう」と悩みながら、記事1本のために数時間を費やしていました。今は、朝起きてWordPressの管理画面を開き、自動生成された下書きを確認するところから1日が始まります。
私の役割は、「書く」から「確認・判断・改善」に変わりました。確認作業は1本あたり5〜10分ほど。本文を読んで情報に問題がないかチェックし、内部リンクのURLを手動で設定して(後続記事がまだない場合は予告文のまま残す)、問題なければ公開ボタンを押す。それだけです。
自動化しても残る「人間の仕事」
ただし、自動化しても人間がやるべき仕事はなくなりません。むしろ、自動化によって浮いた時間を、本来やるべきことに使えるようになった感覚があります。
- ネタのストック整備:topics.mdに候補テーマを追加・整理する作業(週1回程度)
- 分析と改善判断:Google Search ConsoleとGA4のデータを読んで、リライト対象の記事を見極める
- サイト設計の判断:カテゴリの追加・記事の方向性・サイト全体の路線変更などの意思決定
- システムのアップデート:新しいルールや機能を追加するための設計・実装
これらは、AIが代替できない「運営者としての判断」です。自動化したのは繰り返しの実行作業。判断そのものは、引き続き人間が担います。
そして、これがこのシリーズを通じて一番伝えたいことでもあります。「AIを使えば全部おまかせできる」ではなく、「AIを使うことで、自分が本当にやるべきことに集中できる」という話です。
次章からは、ゼロから構築した全過程を詳しく解説していきます。フォルダ構造の設計から始まり、なぜそのルールが生まれたのか、どんなトラブルが起きてどう解決したのか、実体験ベースでお伝えします。まず第1章では、私が最初にやらかしたAPIキーの課金トラブルからお話しします。「設定を1か所間違えただけで、想定外の請求が来た」というリアルな失敗談から始めます。
まとめ
「bash run.sh」の1コマンドで記事が自動生成されるシステムを、6つのSTEPに分けてゼロから構築しました。このシリーズでは、STEP1のフォルダ構造・指示書の設計から、STEP2のネタ出し・SEOルール整備、STEP3のサブエージェント実装とGitHub設定、STEP4のSEOチェック機能強化、STEP5のWordPress自動投稿実装、STEP6の画像自動取得実装まで、実際に作ったコードと設定を含めて順番に公開していきます。上で紹介した7つのステップ(①〜⑦)は、それぞれ後の章で詳しく解説します。
「自分でもブログを自動化してみたい」という方や、「Claude Codeを実際にどう使うのか知りたい」という方に、リアルな構築体験をお届けします。次章をお楽しみに。









