風呂敷の包み方28選|名前の由来と使いどころを徹底解説

風呂敷は一枚の布から生まれる、日本の知恵の結晶です。お弁当を包む基本のお使い包みから、ワインボトルをスマートに持ち運ぶ瓶包み、花のように美しいプレゼントラッピングまで、包み方の種類は実に豊富。でも「平包みってどういう意味?」「なぜスイカ包みと呼ぶの?」という疑問に答えてくれる記事はほとんどありません。

この記事では、風呂敷の包み方28種類を名前の由来・使いどころを中心に解説します。基本の手順だけでなく「その包み方が生まれた理由」を知ると、風呂敷という道具の奥深さがぐっと増します。

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「風呂敷」という名前はなぜ生まれた?

包み方の前に、まず「風呂敷」という言葉の由来を押さえておきましょう。

通説では、室町時代の将軍・足利義満が建てた大浴場(大湯殿)がきっかけとされています。大名たちが湯殿を利用する際、他人の衣服と混ざらないよう家紋入りの布で自分の着物を包み、入浴後はその布を床に広げて着替えをしました。「風呂(浴場)に敷く布」→「風呂敷(ふろしき)」という名前が定着したというわけです。

ただし異説もあります。「風呂」の語源になった茶道の「風炉(ふうろ)」に由来するとの説、江戸時代に包んで運ぶ布として庶民に広まった際に命名されたとの説など諸説があり、正確な起源は定かではありません。古くは「衣包み(ころもつつみ)」「平包み(ひらつつみ)」と呼ばれていたことが記録に残っています。

一枚の布が「風呂場の備品」から「日本人の暮らしの道具」に進化した歴史が、この名前の中に凝縮されています。

基本の結び方を先に覚えよう

風呂敷のほぼすべての包み方は、次の2種類の結び方を組み合わせています。先にこの2つを覚えておくと、どの包み方にも応用できます。

真結び(まむすび):ほどけにくい正式な結び方。「左を上に交差→右を上に交差」の二段重ね。贈り物や重いものを安定して運ぶときに使います。リボン結びと違い、縦・横どちら向きにも解けないのが特徴です。

一つ結び(ひとつむすび):1回だけ交差させて止める結び方。平包みの角を押さえるときや、端を簡易的に固定したい場面に使います。

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基本の包み方4種類

1. お使い包み(本包み)

名前の由来:「使者(お使い)が品物を届けるときの正式な形式」が原点です。「本包み」の「本」は「正式・基本」を意味し、日本でもっとも歴史が長い包み方のひとつ。古くは「衣包み(ころもつつみ)」と呼ばれ、大切な贈り物を届ける際の礼儀として武家社会に定着しました。

使いどころ:お弁当箱・重箱・お土産・ケーキの箱など四角いものを包むのに最適。日常使いからフォーマルな贈り物まで幅広く使えます。

手順のポイント:風呂敷を菱形に広げて箱を中央に置き、手前の角→奥の角の順に被せ、左右の角を真結びします。箱の対角線と風呂敷の対角線を合わせるのがきれいに仕上げるコツ。

2. 平包み(ひらつつみ)

名前の由来:「平ら(ひら)」=結び目がなく、表面が平らに仕上がることから。古くは「衣包み」とも呼ばれ、奈良時代の貴族が衣装を包むのに用いた日本最古の形式とされています。風呂敷の包み方の中で唯一結び目がなく、最も格式が高い包み方です。

使いどころ:慶事(お祝い)の贈り物・のし袋を包む「金封包み」の原型として、改まった場面に用います。結び目がないため高価な品物を傷つけにくく、丁寧な印象を与えます。

手順のポイント:箱の中央に風呂敷を置き、端を三角形になるよう折り込みながら被せ、最後に角を差し込んで固定。折り方を逆(慶弔の区別)にするマナーもあります。

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3. 斜め包み

名前の由来:風呂敷を45度斜めに置いて包むことから。商家の奉公人が品物を素早く包んで運ぶために発展した実用的な手法で、その手軽さからデパートの包装にも応用されました。「デパート包み」と呼ばれることもある現代感覚の包み方です。

使いどころ:書籍・お菓子の箱・贈り物など。正方形に近い箱との相性が抜群で、見た目もすっきりします。

手順のポイント:風呂敷の角がそれぞれ「右・左・手前・奥」を向くよう45度に置き、箱を中央に置いて手前と奥の角を被せてから左右を結びます。

4. 隠し包み

名前の由来:品物を「隠す」ように包む形から。角を内側に折り込んで中身が外から見えないよう完全に覆うのが特徴で、差し出がましくなく品物を持参したい場面に重宝されてきました。ビジネスシーンでの手土産文化と深く結びついた包み方です。

使いどころ:お土産・お菓子の箱・内緒のプレゼントなど。見た目がすっきりしたシンプルな仕上がりで、中身を想像させる「含み」を演出できます。

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形状別の包み方10種類

5. 四つ結び

名前の由来:「四つの角を全て使って結ぶ」ことから。向かい合う2組の角をそれぞれ真結びし、四方から固定する安定感の高い包み方です。重厚な印象があり、かつては武家の道具類を持ち運ぶ際にも用いられました。

使いどころ:重い本・食器・工具など、重量のあるものを安定して包むのに最適。安定感を重視したい場面で選ばれます。

6. 二つ結び

名前の由来:向かい合う2つの角だけを使って結ぶことから。四つ結びを簡略化した形で、素早く包めるのが特徴です。

使いどころ:軽い箱状のもの・急いで包む場面に。日常的な持ち運りに向いています。

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7. うさぎ包み(うさぎの耳結び)

名前の由来:結んだ2つの角が、ぴょんと跳ねたうさぎの耳のように見えることから。「うさぎ耳結び」とも呼ばれます。かわいらしい見た目から子ども向けプレゼントや春・秋の行事ギフトに好まれ、現代の風呂敷ブームの中で再注目されています。

使いどころ:子どもへのプレゼント・お月見の行事(うさぎにちなんで)・春のギフトなど。包み方自体がメッセージになります。

8. ブック包み

名前の由来:本(ブック)を包むのに最も適した形から命名。本のスリムな形状にフィットするよう角の折り方を工夫した包み方で、現代に入ってから広まった比較的新しい名称です。

使いどころ:本・手帳・フォトアルバムなど。書物を贈る際の定番ラッピングとして定着しています。

9. 瓶1本包み

名前の由来:「瓶(びん)1本を包む」からそのまま命名されています。ワインや一升瓶など縦長の瓶を安全に持ち運ぶために江戸時代の酒屋や菓子屋が工夫した形が原型と伝わります。

使いどころ:ワインボトル・日本酒・醤油などの瓶のギフトに。風呂敷のラッピングはスタイリッシュで環境にも優しく、近年人気が高まっています。

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10. 瓶2本包み

名前の由来:2本の瓶を同時に包むために考案された形から。1本包みの応用形で、2本を向かい合わせに置いてバランスよく包みます。

使いどころ:日本酒やワインの2本セット贈り・ジュースやソースの夫婦(ペア)プレゼントなどに。

11. 長もの包み

名前の由来:「長いものを包む」からそのまま。巻物・書道の筒・傘など縦長で特殊な形状のものを包むために工夫された形式です。用途が明確な実用の知恵そのままの命名です。

使いどころ:書道用品・巻物・ポスター・傘など縦長のギフトに。端を交互に折って安定させるのがポイントです。

12. たすき包み(たすきがけ包み)

名前の由来:「たすき(襷)」から。たすきとは着物の袖をまとめるために肩から背中へ斜めに掛ける紐のことで、この包み方が風呂敷の端を斜めに交差させる形に似ているところから命名されました。駅伝や時代劇でおなじみの「たすき掛け」と同じ語源です。

使いどころ:瓶・筒状のもの・縦長の箱など。たすきのように端を斜めに交差させることで内容物を安定させます。

13. スイカ包み

名前の由来:かつて農家や市場の人々がスイカ(西瓜)を風呂敷で包んで運んでいたことから。丸くて大きなスイカをきちんと包み、肩に担いで運ぶための実用的な形として日本各地で自然に発達した包み方です。現在は球形のメロン・キャベツなどにも応用されています。

使いどころ:スイカ・メロン・キャベツ・ボールなど丸いものに。夏の贈り物(スイカ・メロン)の定番包み方として日本の暮らしに根付いています。

14. まん丸包み(球包み)

名前の由来:「まん丸(真ん丸)」の形に仕上がることから。スイカ包みの小型版ともいえる包み方で、角が均等に広がり真球に近い美しい仕上がりになることから区別して呼ばれます。

使いどころ:オレンジ・りんご・手まりなどを贈るとき。お見舞いの果物ギフトや、お正月の手まり飾りにも向いています。

バッグとして使う5種類

風呂敷の活用法として近年もっとも注目されているのが「バッグ代わり」の使い方です。結ぶだけで荷物が入り、洗濯もでき、たたんでポケットに入るエコバッグとして再注目されています。

15. トートバッグ包み

名前の由来:英語の「tote(トート)」が由来で、「持ち歩く・運ぶ」を意味します。対角線上の2か所を真結びするだけでトートバッグの形になることから名付けられました。エコバッグとして注目が集まった2000年代以降に急速に広まりました。

使いどころ:買い物・日常の荷物持ち・お稽古バッグとして。結ぶだけで即席エコバッグになる手軽さが最大の魅力です。

16. ショッピングバッグ包み

名前の由来:「ショッピングバッグ(買い物袋)」の形になることから。トートバッグ包みの発展形で、底部をひと工夫して安定させることで、重い荷物にも対応できるようにした実用版です。

使いどころ:スーパーでの買い物・お弁当・重めのお土産の持ち運りに。折りたたんでバッグに入れておけば急な荷物増しにも対応できます。

17. しずくバッグ

名前の由来:結んだ形が水滴(しずく)が落ちる直前のふっくらとしたシルエットに見えることから。カバーをたたんで中央の結び目を持つ形が、しずくを逆さにしたような輪郭を描きます。現代の風呂敷文化の再発見とともに広まった、比較的新しい結び方です。

使いどころ:お稽古・カフェへのお出かけ・お弁当持ちに。コンパクトでかわいらしい見た目が女性を中心に支持されています。

18. ショルダーバッグ包み

名前の由来:肩(ショルダー)に掛けられるバッグの形になることから。持ち手部分を長くして斜めがけができるよう工夫した形式で、両手が空くことが名前の由来とも一致した実用設計です。

使いどころ:ハイキング・マーケット・旅行など両手を空けたい場面に最適。二巾(にはば)や三巾(みはば)の大判風呂敷との相性が抜群です。

19. 巾着包み(きんちゃく包み)

名前の由来:「巾着(きんちゃく)」は口を細く絞った伝統的な袋のことで、江戸時代から庶民が小銭や薬を入れてきた道具です。風呂敷で同じ形を再現した包み方が「巾着包み」と呼ばれるようになりました。

使いどころ:お弁当・果物・まとめた小物の収納に。口を絞ることで中身がこぼれにくく、移動中も安心です。

ギフト・プレゼント向け4種類

プレゼントを風呂敷で包むと、包みそのものが贈り物の一部になります。外国人旅行者の間でも「日本土産として喜ばれるラッピング」として人気が高まっています。

20. 花包み

名前の由来:4つの角を結ぶと花びらが開いたように美しく仕上がることから。「四つ結び」の変形で、角の余りを広げて花形に整えます。風呂敷専門店では「最も人気の高いラッピング」として紹介されることが多く、日本のプレゼント文化を代表する包み方です。

使いどころ:誕生日・お祝い・ホワイトデーなどのギフトラッピングに。丸い缶・四角い箱どちらにも対応できる万能な形です。

21. バラ包み

名前の由来:結び方がバラ(薔薇)の花形に見えることから。4つの角を複雑にひねりながら結ぶことで、バラの花弁が重なるような立体的な形が生まれます。

使いどころ:プロポーズ・誕生日・バレンタインなど特別なシーンのプレゼントに。難易度はやや高めですが、完成したときの存在感は格別です。

22. コサージュ包み

名前の由来:胸に飾る花飾り「コサージュ(corsage)」の立体的な形に見えることから。フランス語由来の名称が示すとおり、洋風ファッションに合わせやすいモダンな包み方です。

使いどころ:入学・卒業式のプレゼント・花飾りとしての飾り包みに。風呂敷自体が装飾品として機能するユニークな使い方です。

23. リボン包み

名前の由来:蝶結び(ちょうむすび)のリボンを模した形から。西洋のプレゼントラッピングに慣れ親しんだ現代人に向けて、風呂敷で同じ見た目を実現した包み方です。和洋折衷のラッピングとして近年定番化しています。

使いどころ:誕生日・クリスマスプレゼントのラッピングに。洋風の雰囲気でありながら、風呂敷の素材感が品格と温かみを加えます。

フォーマルな包み方3種類

冠婚葬祭の場で金封(ご祝儀袋・香典袋)を持参する際、風呂敷や袱紗で包むのが日本のマナーです。ここでは「折り方の向き」が慶事と弔事で逆になる点に注意が必要です。

24. 金封包み(慶事用)

名前の由来:「金封(きんぷう)」=現金を入れた封筒(のし袋)を包む形式から。冠婚葬祭の場で金封を風呂敷に包んで持参する作法は、平安時代の宮廷文化に遡ります。慶事(お祝い)では朱・金色・鮮やかな色の風呂敷が選ばれてきました。

使いどころ:結婚式・出産祝い・入学祝いなど慶事の祝儀袋を持参する際に。平包みを応用した格式ある形です。

マナーのポイント:慶事では最後の折り込みが「上向き」になるよう折ります(慶事は「上に向かう」という縁起を表す)。

25. 金封包み(弔事用)

名前の由来:慶事用の金封包みと形式は同じですが、折りの方向が逆になります。日本の礼法では弔事(お悔やみ)の作法を慶事と正反対にする習わしがあり、この包み方もその伝統に従っています。弔事では深緑・紫・灰色など落ち着いた色の風呂敷が選ばれます。

使いどころ:通夜・葬儀・法事などの香典袋を持参するとき。

マナーのポイント:弔事では最後の折り込みが「下向き」になるよう折ります。右開きか左開きかも慶弔で逆になるため、事前に確認しておくと安心です。

26. 袱紗包み(ふくさ包み)

名前の由来:「袱紗(ふくさ)」は茶道・香道で道具を包むために使われてきた一枚布の礼法道具で、風呂敷の親戚ともいえる存在です。「袱紗包み」はこの茶道・香道の作法を風呂敷で再現したもの。袱紗という言葉は「袱(ふく)」(布で包む)と「紗(しゃ)」(薄い絹)を組み合わせた日本語で、中国文化の影響を受けた飛鳥・奈良時代から道具として使われてきたとされています。

使いどころ:改まった贈り物・茶道具の持ち運り・高級なギフトの包装に。現代では冠婚葬祭の金封をより丁寧に包む場面で用います。茶道との深いつながりに興味があれば、茶道の歴史・流派・用語一覧も参考にしてください。

日常の活用2種類

27. ブックカバー

名前の由来:本(ブック)のカバーとして使えることから。風呂敷を折りたたんで本のサイズに合わせ、表紙を包み込む形に仕上げます。「一枚の布がいろんな用途になる」という風呂敷の原点を日常で体感できる活用法です。

使いどころ:通勤・通学中に読む本のカバーに。おしゃれな和柄の風呂敷は電車の中でさりげなく目を引き、話題にもなります。風呂敷の柄選びのヒントは日本の伝統柄・和柄87種一覧をどうぞ。

28. ティッシュカバー

名前の由来:ティッシュボックスを覆うカバーとして使えることから。家に眠っている小さな風呂敷の活用法として、風呂敷メーカーや和雑貨ショップが推奨している現代的な使い方のひとつです。

使いどころ:インテリアとして・風呂敷の柄を部屋のアクセントにしたい場面に。45cm角の中型風呂敷との相性が良く、季節ごとに柄を変えれば手軽に部屋の雰囲気を変えられます。

まとめ

風呂敷の包み方は28種類にのぼり、基本のお使い包みから、バッグとして使う応用技、冠婚葬祭のフォーマルな礼法まで幅広く発展してきました。それぞれの名前には日本の文化・礼法・職人の知恵が凝縮されており、「なぜその名前か」を知ることで一枚の布が語りかけてくる道具になります。まずは「お使い包み」と「トートバッグ包み」のふたつから試してみてください。風呂敷一枚がどれほど便利で豊かなものか、きっと実感できるはずです。

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