昆虫の種類一覧|カブトムシ・チョウ・セミの分類と名前の由来まとめ

地球上で最も種類が多い動物グループ、昆虫。日本だけで約3万種、世界では100万種以上が確認されており、地球に生息する動物の約3分の2を昆虫が占めます。本記事では昆虫を「目(もく)」という分類単位ごとに整理し、全24目を代表種・特徴つきで一覧化しました。完全変態・不完全変態の違い、カブトムシやセミなど身近な昆虫の名前の由来も解説します。

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昆虫とは何か

昆虫(Insecta)は節足動物門の一綱で、体が頭部・胸部・腹部の3つの部分に分かれ、6本の脚を持つことが最大の特徴です。翅(はね)を持つ動物の中では最も原始的なグループとされ、3億5000万年以上前(石炭紀)に登場したと考えられています。

クモや百足は「虫」と呼ばれることがありますが、昆虫ではありません。クモは脚が8本、ムカデは多数の脚を持ち、昆虫綱には含まれません。

昆虫の目(Order)別一覧

昆虫綱は現在24〜30の「目(もく)」に分類されます。「目」とは生物分類の一単位で、科→属→種よりも大きなくくりです。以下では日本に生息する主要な24目を、完全変態・不完全変態・無翅昆虫の3グループに分けてまとめました。

完全変態の昆虫(卵→幼虫→蛹→成虫)

卵・幼虫・蛹(さなぎ)・成虫の4段階を経るグループ。幼虫と成虫で体の形が大きく変わります。

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目の名前 読み・英語名 代表的な昆虫 主な特徴
コウチュウ目(鞘翅目) こうちゅうもく / Coleoptera カブトムシ・クワガタ・テントウムシ・ホタル・カミキリムシ・ゾウムシ・ゲンゴロウ 前翅が硬い鞘(さや)に変化。動物全体で最大の目(世界約40万種)
チョウ目(鱗翅目) ちょうもく / Lepidoptera モンシロチョウ・アゲハチョウ・スズメガ・ヤママユ 翅に鱗粉(りんぷん)があり、チョウとガを含む。日本に約7,000種
ハチ目(膜翅目) はちもく / Hymenoptera ミツバチ・スズメバチ・アリ・ハバチ 翅が薄い膜状。アリも翅のない女王アリ以外の働きアリも含む
ハエ目(双翅目) はえもく / Diptera イエバエ・蚊(カ)・アブ・ガガンボ 翅が前の2枚のみ(他の昆虫は4枚)。後翅は「平均棍」に変化
アミメカゲロウ目(脈翅目) あみめかげろうもく / Neuroptera クサカゲロウ・ウスバカゲロウ(アリジゴク) 翅に細かい網目状の翅脈。幼虫のアリジゴクが砂地に落とし穴を作る
トビケラ目(毛翅目) とびけらもく / Trichoptera トビケラ各種 幼虫は水中で石や砂を使った「巣」を作る。清流の指標生物
ヘビトンボ目(広翅目) へびとんぼもく / Megaloptera ヘビトンボ・センブリ 幼虫は水中生活。成虫は大型で翅が4枚。名前の通りトンボ目とは別
ノミ目(隕翅目) のみもく / Siphonaptera ネコノミ・イヌノミ・ヒトノミ 翅が完全に退化。後脚でジャンプし哺乳類に寄生
ネジレバネ目(撚翅目) ねじればねもく / Strepsiptera ネジレバネ各種 他の昆虫に寄生する特殊なグループ。メスは生涯宿主の体内で過ごす
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不完全変態の昆虫(卵→幼虫→成虫)

蛹の段階を経ずに、幼虫が脱皮を繰り返しながら成虫になるグループ。幼虫も成虫に近い形をしています。

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目の名前 読み・英語名 代表的な昆虫 主な特徴
カメムシ目(半翅目) かめむしもく / Hemiptera セミ・カメムシ・アブラムシ・タガメ・コオイムシ 口が細長い針状の口吻(こうふん)になり、植物の汁を吸う。セミも同じ仲間
バッタ目(直翅目) ばったもく / Orthoptera バッタ・コオロギ・キリギリス・カマドウマ 後脚が非常に発達しジャンプ力が高い。コオロギは翅を擦って鳴く
トンボ目(蜻蛉目) とんぼもく / Odonata アキアカネ・ギンヤンマ・イトトンボ 古翅類で、翅を折り畳めない原始的なグループ。複眼が頭部の大部分を占め、ほぼ360度の視野を持つ
カマキリ目(蟷螂目) かまきりもく / Mantodea カマキリ・ハナカマキリ 前脚が鎌(かま)状の捕獲肢に変化。交尾後にメスがオスを食べる例も
ゴキブリ目(網翅目) ごきぶりもく / Blattodea チャバネゴキブリ・クロゴキブリ・シロアリ シロアリはこの目に含まれる。ゴキブリ類は3億年以上前から形がほぼ変わっていない
ナナフシ目(竹節虫目) ななふしもく / Phasmatodea ナナフシモドキ・トゲナナフシ 擬態の名手で枝や葉に完璧に溶け込む。日本には約30種が生息
カゲロウ目(蜉蝣目) かげろうもく / Ephemeroptera カワカゲロウ・ヒラタカゲロウ 古翅類。成虫は口が退化し食事できず、寿命は数時間〜2週間。幼虫は水中
カワゲラ目(積翅目) かわげらもく / Plecoptera カワゲラ各種 幼虫は清流に生息する水生昆虫。成虫になると陸上で生活。水質の指標生物
ハサミムシ目(革翅目) はさみむしもく / Dermaptera ハサミムシ・ヒゲジロハサミムシ 腹部末端に挟む「鋏尾器(きょうびき)」がある。植物の葉を食べるほか、小昆虫も捕食
アザミウマ目(総翅目) あざみうまもく / Thysanoptera ミカンキイロアザミウマ・ヒラズハナアザミウマ 体長1〜2mm前後の微小昆虫。農作物の大害虫で吸汁被害・ウイルス媒介も
チャタテムシ目(噛虫目) ちゃたてむしもく / Psocoptera チャタテムシ各種 古本や押し入れで見かける小さな昆虫。本の糊や黴(かび)を食べる

無翅昆虫(翅のない原始的な昆虫)

翅を持たない昆虫は、昆虫の中でも最も原始的なグループとされています。

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目の名前 読み・英語名 代表的な昆虫 主な特徴
シミ目(総尾目) しみもく / Zygentoma ヤマトシミ・セイヨウシミ 体が銀色の鱗でおおわれ、本の糊や紙を食べる古書の害虫。「紙魚」とも書く
イシノミ目(古顎目) いしのみもく / Archaeognatha イシノミ各種 石の多い海岸や山地に生息する最も原始的な有顎昆虫
トビムシ目(粘管目) とびむしもく / Collembola トビムシ各種 腹部の「跳躍器」でジャンプする。土壌の分解者として生態系に重要
コムシ目(双尾目) こむしもく / Diplura コムシ各種 地中や腐植土に生息。眼がなく触角が長い。腹端に尾角を持つ
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完全変態と不完全変態の違い

昆虫の変態は大きく2種類に分けられます。

完全変態(ホロメタボラ)は「卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫」の4段階。コウチュウ目・チョウ目・ハチ目・ハエ目などが該当します。幼虫期にエネルギーを蓄え、蛹の中で体が大きく作り変えられます。カブトムシの幼虫と成虫の姿が全く違うのがその典型です。

不完全変態(ヘミメタボラ)は蛹の段階がなく「卵→幼虫(若虫)→成虫」の3段階。バッタ目・カメムシ目・トンボ目などが該当します。セミの幼虫と成虫は体の形が似ており、翅が生えて成虫になります。

カゲロウ目とトンボ目は不完全変態ですが、他の昆虫と翅の構造が異なる「古翅類」に分類されます。

夏に見かける代表的な昆虫

7〜8月は昆虫が最も活発になる季節です。日本の夏を代表する昆虫を紹介します。

カブトムシ(コウチュウ目):雄のツノが武士の兜(かぶと)に似ることから「兜虫(かぶとむし)」の名がつきました。夜間にクヌギやコナラの樹液に集まります。日本に生息するのはヤマトカブトムシ1種。

クワガタムシ(コウチュウ目):大あごが武具「鍬形(くわがた)」に似ることが名前の由来。日本にはオオクワガタ・ヒラタクワガタ・ノコギリクワガタなど約40種が生息します。

セミ(カメムシ目):セミはカメムシ目に分類される吸汁性昆虫。口吻で木の幹の樹液を吸います。幼虫期間は種によって3〜17年。日本ではアブラゼミ・ミンミンゼミ・ヒグラシ・ニイニイゼミなどが代表的です。

アキアカネ・ギンヤンマ(トンボ目):トンボは複眼でほぼ360度を見渡せ、飛翔能力に優れます。ギンヤンマは時速70〜100kmで飛ぶとも言われますが、実測では25km程度という報告もあり諸説あります。

モンシロチョウ・アゲハチョウ(チョウ目):蛹から羽化する完全変態の代名詞。チョウの翅の鱗粉は光を散乱させて発色し、紫外線も反射します。

ミツバチ・スズメバチ(ハチ目):ミツバチは集団で高度な社会生活を営み、8の字ダンスで仲間に蜜源の方向と距離を伝えます。スズメバチは狩りバチで、他の昆虫を捕えて幼虫の餌にします。

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豆知識|昆虫の名前の由来

テントウムシ:太陽へと飛ぶ虫

「天道虫(てんとうむし)」と書き、天道(てんどう)=太陽のこと。指の先に止まらせると太陽に向かって飛び立つことからついた名前です。英語では「Ladybug(聖母マリアの虫)」と呼ばれます。

ホタル:火が垂れる

「火垂る(ほたる)」が語源とされ、光が垂れ落ちるように輝くことから。源氏蛍(ゲンジボタル)と平家蛍(ヘイケボタル)の名は「大きな方を清和源氏に、小さな方を平家に見立てた」とする説が有力ですが、語源には諸説あります。実際の区別は体の大きさと光り方の違いによります。

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アリ:漢字「蟻」の由来

漢字「蟻(あり)」は「義」の字を含みます。中国では、アリが女王を中心に秩序ある社会を作ることが「義」を体現する生き物とされたためです。

ゴキブリ:「御器被り」から

「御器(ごき)=食器」を「噛る(かぶる)」こと、つまり食器を齧ることから「御器被り(ごきかぶり)」→「ゴキブリ」になりました。英語の cockroach はスペイン語「cucaracha(くからちゃ)」が訛ったもので、英語圏で「cock」と「roach」に民間語源的に分解されるようになりました。

カゲロウ:「陽炎」とは別

昆虫のカゲロウ(蜉蝣)と「陽炎(かげろう)」は同じ読みですが異なるもの。昆虫のカゲロウは中国語「蜉蝣(ふゆう)」に由来し、水面を浮かぶように飛ぶさまを指します。成虫の寿命が短いことから「はかないもの」の比喩にも使われてきました。

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まとめ

昆虫は全24目以上に分類され、日本だけで約3万種もの多様な種が確認されています。カブトムシ(コウチュウ目)やセミ(カメムシ目)・トンボ(トンボ目)・チョウ(チョウ目)など、夏になじみ深い昆虫も、「目」という枠組みで整理すると生態の違いが見えてきます。身近な昆虫の名前の由来を知ることで、自然観察がより面白くなるはずです。

昆虫の漢字表記に興味がある方は虫偏の漢字181種一覧動物を表す漢字157選も合わせてどうぞ。昆虫が誕生した地球の歴史については地球の五大大量絶滅で詳しく解説しています。

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