
物理の法則・定理を91個、10のカテゴリに分類して一覧にまとめました。慣性の法則・万有引力・熱力学第二法則・不確定性原理・E=mc²まで、ニュートン・アインシュタインから量子力学まで、発見者と一言解説付きで完全網羅。「あの法則、正式な名前は?」「誰が発見したの?」という疑問をここで一気に解決できます。
物理の法則・定理一覧(全91件)
力学・ニュートン力学(14件)
17世紀のニュートンが確立した古典力学を中心に、運動・重力・弾性など力学の基本法則をまとめました。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| 慣性の法則(運動の第1法則) | ニュートン | 外力がなければ静止または等速直線運動を続ける |
| 運動方程式(運動の第2法則) | ニュートン | F=ma。加速度は力に比例し質量に反比例する |
| 作用・反作用の法則(運動の第3法則) | ニュートン | 2物体間の力は大きさが等しく向きが逆 |
| 万有引力の法則 | ニュートン | 質量を持つすべての物体は互いに引き合う |
| ケプラーの第1法則(楕円軌道) | ケプラー | 惑星は太陽を焦点の一つとする楕円軌道を描く |
| ケプラーの第2法則(面積速度一定) | ケプラー | 惑星と太陽を結ぶ線が単位時間に掃く面積は一定 |
| ケプラーの第3法則(調和の法則) | ケプラー | 公転周期の2乗は軌道長半径の3乗に比例する |
| フックの法則 | フック | ばねの伸びは加えた力に比例する |
| アモントンの法則(摩擦の法則) | アモントン | 摩擦力は垂直抗力に比例し接触面積によらない |
| ガリレイの落体の法則 | ガリレイ | 空気抵抗がなければ重さに関係なく同時に落下する |
| ニュートンの冷却の法則 | ニュートン | 物体の冷却速度は周囲との温度差に比例する |
| ニュートンの粘性の法則 | ニュートン | 粘性流体の内部摩擦力は速度勾配に比例する |
| 最小作用の原理 | ハミルトン/ラグランジュ | 物体は「作用量」が最小になる経路を自然に選ぶ |
| ノーターの定理 | エミー・ノーター | すべての対称性には対応する保存則が存在する |
保存則(5件)
物理学の根幹をなす「何かが変わらない」という法則群です。
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| 法則名 | 提唱 | 一言解説 |
|---|---|---|
| 運動量保存の法則 | 古典力学 | 外力がなければ系全体の運動量の総和は変化しない |
| 角運動量保存の法則 | 古典力学 | 外部トルクがなければ角運動量は保存される |
| エネルギー保存の法則 | 熱力学/力学 | エネルギーは形を変えるだけで総量は変化しない |
| 力学的エネルギー保存の法則 | 古典力学 | 摩擦がなければ運動エネルギーと位置エネルギーの和は一定 |
| 質量保存の法則 | ラボアジエ | 化学反応の前後で物質の総質量は変わらない |
熱力学・気体(12件)
熱・温度・エントロピーを扱う熱力学と、気体の振る舞いに関する法則です。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| 熱力学第0法則 | ファウラー(命名) | AとBが熱平衡、BとCが熱平衡ならAとCも熱平衡(温度の概念の基礎) |
| 熱力学第1法則 | ジュール/クラウジウス | 内部エネルギーの変化=加えた熱-系がした仕事 |
| 熱力学第2法則 | クラウジウス/ケルビン | 孤立系のエントロピーは増大するか一定のみ(不可逆性の法則) |
| 熱力学第3法則 | ネルンスト | 絶対零度(−273.15℃)でエントロピーはゼロになる |
| ボイルの法則 | ボイル | 温度一定のとき気体の圧力と体積は反比例する |
| シャルルの法則 | シャルル | 圧力一定のとき気体の体積は絶対温度に比例する |
| ボイル・シャルルの法則 | ボイル/シャルル | 圧力×体積÷絶対温度=一定(理想気体の状態方程式の基礎) |
| ジュールの法則(電気熱) | ジュール | 電流の発熱は電流の2乗・電気抵抗・時間の積に比例する |
| フーリエの熱伝導の法則 | フーリエ | 熱の流れる速さは温度勾配と断面積に比例する |
| キルヒホッフの熱放射の法則 | キルヒホッフ | 良い光吸収体は良い光放射体でもある(黒体放射の基礎) |
| デュロン・プティの法則 | デュロン/プティ | 固体元素の比熱と原子量の積はほぼ一定(高温での近似則) |
| ヘスの法則 | ヘス | 化学反応の熱量は経路によらず始・終状態だけで決まる |
電磁気学(15件)
電荷・電流・磁場の相互作用を記述する法則です。ファラデーとマクスウェルが体系化し、後にアインシュタインの相対性理論とも深く結びつきます。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| クーロンの法則 | クーロン | 電荷間の力は電荷量の積に比例し距離の2乗に反比例する |
| ガウスの法則(電場) | ガウス | 閉曲面を通る電気力線の総数は内部の電荷量に比例する |
| ガウスの法則(磁場) | ガウス | 磁気単極子(モノポール)が存在しないことを表す法則 |
| アンペールの法則 | アンペール | 電流の周りには電流量に比例した磁場が生じる |
| ビオ・サバールの法則 | ビオ/サバール | 電流素片が作る磁場の強さと方向を与える法則 |
| ファラデーの電磁誘導の法則 | ファラデー | 磁束の変化によって起電力が生じる(発電機・変圧器の原理) |
| レンツの法則 | レンツ | 誘導電流は磁束変化を妨げる方向に流れる |
| マクスウェルの方程式 | マクスウェル | 電磁気学のすべてを統一した4本の方程式(光が電磁波と予言) |
| オームの法則 | オーム | 電流は電圧に比例し電気抵抗に反比例する |
| キルヒホッフの第1法則(電流則) | キルヒホッフ | 接続点で流れ込む電流の和と流れ出る電流の和は等しい |
| キルヒホッフの第2法則(電圧則) | キルヒホッフ | 閉回路の起電力の和は電圧降下の和に等しい |
| フレミングの左手の法則 | フレミング | 磁場中の電流が受ける力の方向を示す(電動機の原理) |
| フレミングの右手の法則 | フレミング | 磁場内を動く導体に生じる電流の方向を示す(発電機の原理) |
| 右ねじの法則 | (電磁気学) | 電流の向きに右ねじを進めると磁場はねじの回転方向に生じる |
| ファラデーの電気分解の法則 | ファラデー | 電気分解で析出する物質の量は電気量に比例する |
光学(8件)
光の反射・屈折・回折・偏光を扱う法則です。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| 反射の法則 | (幾何光学) | 入射角と反射角は等しい |
| スネルの法則(屈折の法則) | スネリウス | 光が異なる媒質を通るとき入射角と屈折角の正弦の比は一定 |
| ホイヘンスの原理 | ホイヘンス | 波面上のすべての点が新たな波源となって伝播する |
| フェルマーの原理(最短時間の原理) | フェルマー | 光は出発点から到達点まで最も時間が短い経路を進む |
| マリュスの法則 | マリュス | 偏光した光を偏光板に通すと透過強度はcos²θに比例する |
| ブリュースターの法則 | ブリュースター | ブリュースター角で入射すると完全偏光した反射光が得られる |
| ランベルト・ベールの法則 | ランベルト/ベール | 光の吸収量は媒質の濃度と厚さの積に比例する(分光光度計の基礎) |
| ブラッグの法則 | ブラッグ父子(W・H・ブラッグ/W・L・ブラッグ) | X線が結晶に当たると特定の角度で強く反射する(結晶構造解析に活用) |
波動・音響(5件)
音・光・水面波など、あらゆる波に共通する法則です。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| ドップラー効果 | ドップラー | 波源や観測者が動くと観測される振動数が変化する(救急車の音の変化) |
| 重ね合わせの原理 | (波動論) | 複数の波が重なるとき変位は各波の変位の和になる |
| ホイヘンス・フレネルの原理 | ホイヘンス/フレネル | 各波源からの干渉で強め合い・弱め合い(回折・干渉縞)が生じる |
| 波の反射・透過の法則 | (波動論) | 異なる媒質の境界で波は一部反射し一部透過する |
| 共鳴(共振)の法則 | (波動論) | 固有振動数と外部振動数が一致すると振幅が急激に増大する |
流体力学・材料力学(6件)
液体・気体の流れや浮力、物体の変形に関する法則です。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| アルキメデスの原理 | アルキメデス | 流体中の物体は排除した流体と同じ重さの浮力を受ける |
| パスカルの原理 | パスカル | 密閉流体に加えた圧力は等しい大きさですべての面に伝わる(油圧ジャッキの原理) |
| ベルヌーイの法則 | ベルヌーイ | 流体の速さが増すと圧力が下がる(飛行機の揚力を生む原理) |
| ストークスの法則 | ストークス | 粘性流体中を動く球体に働く抵抗力は速度と半径に比例する |
| レイノルズの相似則 | レイノルズ | レイノルズ数が等しければ流れのパターンが相似になる(乱流・層流の判定) |
| 連続の式 | (流体力学) | 流管で断面積と流速の積は一定(流量が保存される) |
相対性理論(6件)
1905年発表の特殊相対性理論と1915年の一般相対性理論を構成するアインシュタインの法則・原理です。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| 特殊相対性原理 | アインシュタイン | 物理法則はすべての等速度系で同じ形をしている |
| 光速度不変の原理 | アインシュタイン | 光の速度は観測者の運動状態によらず常に一定(約30万km/s) |
| ローレンツ変換 | ローレンツ/アインシュタイン | 異なる慣性系の間の時空変換式(時間の遅れ・長さの収縮を含む) |
| 質量とエネルギーの等価性 | アインシュタイン | E=mc²。質量はエネルギーの一形態であり互いに変換できる |
| 等価原理 | アインシュタイン | 重力と加速度は区別できない(一般相対性理論の基盤) |
| アインシュタイン方程式 | アインシュタイン | 時空の曲率は存在する物質・エネルギーによって決まる |
量子力学・原子物理(13件)
20世紀に確立された量子力学の核心をなす法則・原理です。現代の半導体・レーザー・MRIなどの技術基盤になっています。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| プランクの放射法則 | プランク | 黒体のエネルギーは量子(塊)として放出される(量子論の幕開け) |
| 光電効果 | アインシュタイン | 光を金属に当てると電子が飛び出す(光の粒子性の証拠・ノーベル賞) |
| コンプトン効果 | コンプトン | X線が電子に散乱されると波長が長くなる(光の粒子性の確認) |
| ド・ブロイ関係式(物質波) | ド・ブロイ | すべての粒子は波の性質を持ち波長は運動量に反比例する |
| ボーアの量子条件 | ボーア | 電子は特定のエネルギー軌道だけを取ることができる |
| ハイゼンベルクの不確定性原理 | ハイゼンベルク | 位置と運動量を同時に正確に測定することはできない(自然の根本的な性質) |
| シュレーディンガー方程式 | シュレーディンガー | 量子系の状態(波動関数)の時間発展を記述する(量子版のF=ma) |
| パウリの排他原理 | パウリ | 同じ量子状態に2つ以上のフェルミ粒子(電子など)は存在できない |
| ボルンの確率解釈 | ボルン | 波動関数の絶対値の2乗は粒子が見つかる確率密度を表す |
| レイリー・ジーンズの法則 | レイリー/ジーンズ | 黒体放射の古典的な計算式(短波長で失敗し量子論の誕生を促した) |
| ウィーンの変位則 | ウィーン | 黒体の放射強度が最大となる波長は絶対温度に反比例する(星の色から温度がわかる) |
| フントの規則 | フント | 同じエネルギー軌道に電子を入れるとき、スピンが平行になるよう入る |
| ベルの不等式 | ベル | 量子もつれの相関は局所隠れ変数理論では説明できないことを示した不等式 |
統計力学・宇宙(7件)
多数の粒子の集団的な振る舞いや宇宙規模の現象を扱う法則です。
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| 法則名 | 発見者 | 一言解説 |
|---|---|---|
| マクスウェル・ボルツマン分布則 | マクスウェル/ボルツマン | 気体分子の速度分布を与える法則(温度が上がると速い分子が増える) |
| ボルツマンの原理 | ボルツマン | エントロピーはミクロ状態の数の対数に比例する(S=k log W) |
| エネルギー等配分の法則 | ボルツマン | 熱平衡では各自由度に等しくkT/2のエネルギーが分配される |
| シュテファン・ボルツマンの法則 | シュテファン/ボルツマン | 黒体の放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例する(星の明るさの計算に使われる) |
| ハッブル・ルメートルの法則 | ハッブル/ルメートル | 銀河が遠いほど速い速度で遠ざかっている(宇宙膨張の証拠) |
| ヴィーデマン・フランツ則 | ヴィーデマン/フランツ | 金属の熱伝導率と電気伝導率の比は絶対温度に比例する |
| キュリーの法則 | ピエール・キュリー | 常磁性体の磁化率は絶対温度に反比例する |
豆知識
ノーターの定理はなぜ「最も重要な定理」と呼ばれるか
1918年、ドイツの数学者エミー・ノーターが発表したノーターの定理は「すべての対称性には対応する保存則がある」という原理です。たとえば、物理法則が時間によって変わらない(時間並進対称性)から「エネルギーが保存される」ことが導かれ、空間が均一(空間並進対称性)なら「運動量が保存される」ことが導かれます。アインシュタインは「この定理は、これまで数学の世界で才能ある人々が生み出したものの中で最も重要なものの一つ」と絶賛しました。
ノーベル賞を受賞した物理法則の発見
アインシュタインは相対性理論ではなく光電効果(1905年発見)で1921年度ノーベル物理学賞を受賞しています(授与式は1922年)。相対性理論はその革新性ゆえに当時まだ「実験的に十分検証されていない」とされていたためです。ハイゼンベルクは不確定性原理などの量子力学の功績で1932年度受賞(授与式は1933年)、シュレーディンガーとディラックは量子力学の基礎方程式の研究で1933年に受賞しています。
日常生活を支える物理法則
物理法則は教科書だけの話ではありません。ベルヌーイの法則は飛行機の翼が揚力を生む原理として、パスカルの原理は油圧ジャッキや自動車のブレーキに、オームの法則はあらゆる電気回路の設計に使われています。共鳴(共振)の法則の代表的な例として、1940年に崩落したアメリカのタコマナローズ橋が挙げられます。橋の固有振動数と風の渦が一致して共振し、振幅が増大して崩落しました。また、ラジオの選局はアンテナの共振回路を特定周波数に合わせる仕組みで、共鳴の応用です。なお「電子レンジの2.45GHzが水分子の固有振動数」は広く流通する俗説で、実際は水の回折吸収ピーク(約20GHz)とは異なります。2.45GHzは食品内部まで均一に加熱できる浸透深度の観点で選ばれた実用的な周波数です。
物理の法則・定理91選を、力学・熱力学・電磁気学・光学・波動・流体力学・相対性理論・量子力学・統計力学の10カテゴリに分けてまとめました。「名前は知っているけど意味はうろ覚え」という法則をこの一覧で確認してみてください。数学の定理については数学の定理・法則108選、法則名に登場する人名については人名がついた単位43種一覧もあわせてどうぞ。