
メートルねじの呼び径ごとの並目ピッチ・谷の径(めねじ内径D1)と、六角ボルトの二面幅(スパナ対辺)を、JIS規格に基づいて一覧にまとめました。二面幅はISO準拠の本体規格と旧JIS(附属書)で値が異なるため、条件ごとに分けて掲載しています。ネジの規格値は間違えると実害につながるため、この記事ではJIS規格で確認できた値だけを載せ、出典が確定できないものは掲載していません(末尾の参考・出典を参照)。
メートルねじ 並目のピッチと谷の径(JIS B 0205)
一般用メートルねじ(JIS B 0205)の並目(なみめ)ピッチと、めねじの内径にあたる谷の径 D1です。D1は基準寸法の式 D1 = 呼び径 − 1.0825 × ピッチ で定義され、下穴径を考えるときの理論基準になります。
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| 呼び径 | 並目ピッチ(mm) | 谷の径 D1(mm) |
|---|---|---|
| M3 | 0.5 | 2.459 |
| M4 | 0.7 | 3.242 |
| M5 | 0.8 | 4.134 |
| M6 | 1.0 | 4.918 |
| M8 | 1.25 | 6.647 |
| M10 | 1.5 | 8.376 |
| M12 | 1.75 | 10.106 |
| M14 | 2.0 | 11.835 |
| M16 | 2.0 | 13.835 |
| M18 | 2.5 | 15.294 |
| M20 | 2.5 | 17.294 |
| M22 | 2.5 | 19.294 |
| M24 | 3.0 | 20.753 |
M14とM16は並目ピッチが2.0mm、M18・M20・M22は2.5mmで共通です。谷の径は小数第3位まで規格の基準値が定められています。なお、M10という「呼び名」と、めねじの実寸である谷の径(8.376mm)がずれるように、呼び名と実寸が一致しないのはネジに限りません。配管でも1B=外径34.0mm(25.4mmではない)と、同じ構造のズレが起きます。
下穴径の考え方(ひっかかり率で変わる)
タップでめねじを立てるときの下穴径は、ひとつの数字に丸められません。「どれだけ山をかませるか(ひっかかり率)」で変わるためです。
- 簡易の目安:下穴径 = 呼び径 − 並目ピッチ(ひっかかり率100%相当の近似)。例:M6なら 6 − 1.0 = 5.0mm 前後。
- 理論の基準:上の表の谷の径 D1(ひっかかり率100%の理論値)。
- 実用のドリル径:現場ではひっかかり率70〜80%程度で選ぶことが多く、その場合はD1よりやや大きい径になります。正確な推奨値は JIS B 1004(ねじ下穴径) などの下穴表を参照してください。
この記事では、出典が確定できる谷の径D1を基準値として掲載し、ひっかかり率別のドリル径(出典を確定できなかった値)は載せていません。
六角ボルトの二面幅(スパナ対辺)本体規格と旧JIS(JIS B 1180)
六角ボルトの頭の対辺寸法(二面幅 s=使うスパナのサイズ)です。同じ呼び径でも、規格の体系によって値が異なる点に注意してください。
- 本体規格:ISOに準拠した現行のJIS本体規格。
- 附属書JA(旧JIS):1985年のJIS改正より前の体系。日本市場では現在もこの寸法のボルトが多く流通しています。
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| 呼び径 | 本体規格(ISO準拠)s(mm) | 旧JIS/附属書 s(mm) |
|---|---|---|
| M3 | 5.5 | 5.5 |
| M4 | 7 | 7 |
| M5 | 8 | 8 |
| M6 | 10 | 10 |
| M8 | 13 | 13 |
| M10 | 16 | 17 |
| M12 | 18 | 19 |
| M14 | 21 | 22 |
| M16 | 24 | 24 |
| M18 | 27 | 27 |
| M20 | 30 | 30 |
| M22 | 34 | 32 |
| M24 | 36 | 36 |
この表の範囲(M3〜M24)で、本体規格と旧JISの二面幅が異なるのは M10・M12・M14・M22 の4サイズです(例:M10は16mmと17mm)。この表に載せたほかのサイズ(M3〜M8・M16・M18・M20・M24)は両規格で同じ値です。
ただしM22だけは差の向きが逆です。 M22は本体規格(ISO)が34mm、旧JIS(附属書)が32mmで、本体規格のほうが大きくなります。M10・M12・M14は逆に旧JISのほうが大きいので、「旧JISのほうが常に大きい」と思い込むとM22で間違えます。手持ちのスパナが合わないときは、このどちらの規格のボルトかを疑ってください。単一の数字で覚えず、「規格・呼び径ごとに異なる」と条件で押さえるのが安全です。
細目ねじについて
ピッチを細かくした細目(ほそめ)ねじは、同じ呼び径でも並目より小さいピッチを持ちます(例としてM10には並目1.5mmのほかに細目の設定があります)。細目の具体的なピッチ値は JIS B 0205-3 に定められています。本記事では、個別値を確実に裏取りできる一次ソースを確保できなかったため、細目ピッチの数値一覧は掲載していません(規格番号のみ案内します)。
まとめ
一般用メートルねじ(JIS B 0205)の並目ピッチと谷の径、六角ボルトの二面幅(JIS B 1180)を、JIS規格で確認できた値だけで一覧にしました。ポイントは3つです。
- 谷の径 D1 は D1 = 呼び径 − 1.0825 × ピッチ で定義される理論値で、下穴の基準になる。
- 下穴ドリル径はひっかかり率で変わるため、単一の数字では決められない。
- 六角ボルトの二面幅は本体規格(ISO)と旧JIS(附属書)で異なるサイズがある(この表の範囲ではM10・M12・M14・M22)。M22だけは本体規格のほうが大きく、差の向きが逆なので注意。
規格値は間違えると実害につながります。実作業では必ず最新のJIS規格・メーカーの技術資料で最終確認してください。
規格・寸法シリーズ
「呼び名と実寸は一致しない」をテーマにした、JIS規格・寸法のまとめです。
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参考・出典
- JIS B 0205(一般用メートルねじ)― 並目ピッチ・基準寸法(第2部・第4部)。JIS本文:kikakurui.com B0205-2/値の確認:KHK 小原歯車 技術資料
- JIS B 1180(六角ボルト)― 二面幅(本体規格・附属書)。解説:ねじの情報サイト(山崎コーポレーション)第76号/JIS本文:kikakurui.com B1180
- JIS B 0205-3(細目ねじのピッチ)・JIS B 1004(ねじ下穴径)― 本記事で個別値を掲載しなかった項目の規格。