
配管の呼び径と実際の外径、そして管種・スケジュール番号による厚さの違いを、JIS規格に基づいて一覧にまとめました。配管でいちばん間違えやすいのは、「1B=1インチ=外径25.4mm」という思い込みです。実際の外径は違います。この記事は、①呼び径は外径そのものではない、②管種(SGPとスケジュール管)で規格が別物、③スケジュール番号で変わるのは厚さ(外径は同じ)、の3点を軸に、JISで確認できた値だけを載せています(末尾の参考・出典を参照)。
呼び径は外径そのものではない(A・Bの2系統)
配管の呼び径には、A呼称(ミリ系)とB呼称(インチ系)の2系統があります。同じ管を「25A」とも「1B」とも呼びます。
ここで最大の落とし穴が、「1B=1インチ=25.4mm」だから外径も25.4mm、という思い込みです。B呼称の数字をインチからmmに換算した値(1B=25.4mm)は呼び方の由来にすぎず、実際の外径とは無関係です。25A(1B)の実際の外径は34.0mmで、25.4mmではありません。
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| 呼び径A | 呼び径B | 外径(mm) |
|---|---|---|
| 6A | 1/8B | 10.5 |
| 8A | 1/4B | 13.8 |
| 10A | 3/8B | 17.3 |
| 15A | 1/2B | 21.7 |
| 20A | 3/4B | 27.2 |
| 25A | 1B | 34.0 |
| 32A | 1 1/4B | 42.7 |
| 40A | 1 1/2B | 48.6 |
| 50A | 2B | 60.5 |
| 65A | 2 1/2B | 76.3 |
| 80A | 3B | 89.1 |
| 100A | 4B | 114.3 |
この外径は、管種(SGP・スケジュール管)やスケジュール番号が変わっても共通です(呼び径ごとに1つ)。この表は代表的な6A〜100Aの範囲を掲載しています(JIS G 3452は6A〜650Aまで規定)。
なお、呼び名と実寸が一致しないのは配管に限りません。ネジも呼び径M10と谷の径(8.376mm)がずれるのと同じ構造で、呼び名の数字をそのまま実寸と考えると間違えます。
管種で規格が別物(SGPとスケジュール管)
同じ「配管用の鋼管」でも、用途ごとに別のJIS規格があり、同じ呼び径でも厚さが違います。代表的な2つを、規格ごとに表を分けて示します。
配管用炭素鋼鋼管 SGP(JIS G 3452)
一般的な配管(水・空気・蒸気の低圧用など)に使われる管です。呼び径ごとに厚さは1つで、スケジュール番号を持ちません。
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| 呼び径 | 外径(mm) | 厚さ(mm) |
|---|---|---|
| 6A | 10.5 | 2.0 |
| 8A | 13.8 | 2.3 |
| 10A | 17.3 | 2.3 |
| 15A | 21.7 | 2.8 |
| 20A | 27.2 | 2.8 |
| 25A | 34.0 | 3.2 |
| 32A | 42.7 | 3.5 |
| 40A | 48.6 | 3.5 |
| 50A | 60.5 | 3.8 |
| 65A | 76.3 | 4.2 |
| 80A | 89.1 | 4.2 |
| 100A | 114.3 | 4.5 |
圧力配管用炭素鋼鋼管 スケジュール管(JIS G 3454)
圧力のかかる配管に使う管で、スケジュール番号(Sch)で厚さを選びます。SGPとは別の規格です。下表はSch40とSch80の厚さです(外径はSGPと共通)。
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| 呼び径 | 外径(mm) | Sch40 厚さ(mm) | Sch80 厚さ(mm) |
|---|---|---|---|
| 6A | 10.5 | 1.7 | 2.4 |
| 8A | 13.8 | 2.2 | 3.0 |
| 10A | 17.3 | 2.3 | 3.2 |
| 15A | 21.7 | 2.8 | 3.7 |
| 20A | 27.2 | 2.9 | 3.9 |
| 25A | 34.0 | 3.4 | 4.5 |
| 32A | 42.7 | 3.6 | 4.9 |
| 40A | 48.6 | 3.7 | 5.1 |
| 50A | 60.5 | 3.9 | 5.5 |
| 65A | 76.3 | 5.2 | 7.0 |
| 80A | 89.1 | 5.5 | 7.6 |
| 100A | 114.3 | 6.0 | 8.6 |
同じ25Aでも、SGPの厚さは3.2mm、スケジュール管はSch40で3.4mm・Sch80で4.5mmと異なります。管種が違えば厚さが違うので、2つの表を混ぜないでください。
スケジュール番号で変わるのは厚さ(外径は同じ)
スケジュール番号について、よくある誤解が「Schが上がると管が太くなる(外径が増える)」というものです。これは逆です。
- 外径は呼び径で決まり、Sch番号では変わりません(25Aならどのschでも外径34.0mm)。
- Sch番号が上がると、増えるのは厚さです。そのぶん内径(中を流れる径)は小さくなります。
内径を知りたいときは、内径 = 外径 − 厚さ×2 で計算できます(実測値ではなく、外径と厚さからの計算値です)。25Aで比べると次のようになります。
- 25A Sch40:34.0 − 3.4×2 = 内径 27.2mm
- 25A Sch80:34.0 − 4.5×2 = 内径 25.0mm
外径は同じ34.0mmのまま、Schが上がると内径が小さくなるのが分かります。「Schを上げたら外径も変わる」と思って設計すると配管が繋がらないので、外径・厚さ・内径のどれが変わるのかを分けて押さえてください。
まとめ
配管の呼び径・外径・厚さを、JIS規格で確認できた値だけで一覧にしました。ポイントは3つです。
- 呼び径は外径ではない:1B=25.4mmは呼び方の由来で、実際の外径は34.0mm(A・Bは同じ管の別呼称)。
- 管種で規格が別物:SGP(JIS G 3452)と圧力配管用スケジュール管(JIS G 3454)は別規格で、同じ呼び径でも厚さが違う。表を混ぜない。
- Schで変わるのは厚さ:外径は呼び径で共通。Schが上がると厚さが増え、内径(=外径−厚さ×2)が小さくなる。
規格値は間違えると配管が繋がりません。実作業では必ず最新のJIS規格・メーカーのカタログで最終確認してください。
規格・寸法シリーズ
「呼び名と実寸は一致しない」をテーマにした、JIS規格・寸法のまとめです。
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参考・出典
- 呼び径A・Bと外径 ― JIS G 3452準拠の対応表:KEYENCE 配管サイズと呼び径/配管サイズ一覧(JIS G 3452の外径)/「25Aの外径は34.0mm・25.4mmではない」と明記:ダイコー 配管サイズ換算表
- SGP(JIS G 3452)・スケジュール管(JIS G 3454)の厚さ ― 配管サイズ一覧(SGP/スケジュール管の肉厚)