
囲碁には「コウ」「アタリ」「ダメ」など独特の用語がたくさんあります。ゲームのルールや技法を表す専門用語に留まらず、「駄目(だめ)」「捨て石」「定石通り」「先手を打つ」など、日常会話に根付いた言葉も囲碁が語源です。本記事では、囲碁用語を対局の進行・手法・布石・段位制度など8カテゴリに分けて121選を読み方付きテーブルで網羅し、日本語への影響も豆知識でまとめます。将棋と並ぶ日本の伝統的なボードゲームを、用語から深く知るきっかけにしてください。
囲碁用語一覧121選
対局の進行・ルール用語
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 着手 | ちゃくしゅ | 盤上に石を置くこと。対局の基本単位 |
| 先番 | せんばん | 黒石を持って先に打つこと。先手とも呼ぶ |
| 後番 | ごばん | 白石を持って後から打つこと |
| パス | ぱす | 盤上のどこにも打たず手番を飛ばすこと |
| 手抜き | てぬき | 相手の手に応じず、別の場所に打つこと |
| 投了 | とうりょう | 勝ち目なしと判断し対局を終わらせること |
| 中押し | ちゅうおし | 対局中に相手が投了した場合の勝利 |
| 終局 | しゅうきょく | 対局が完全に終了すること |
| 整地 | せいち | 終局後に地を数えやすく石を整理すること |
| 目算 | もくさん | 対局中に双方の地の多少を計算すること |
| ニギリ | にぎり | 白石を一握り取り偶数奇数で先番を決める方法 |
| 置き碁 | おきご | 強さが異なる者が公平に打つための事前置き石 |
| 互先 | たがいせん | 交互に黒白を持ち合って打つ対等な対局 |
| 定先 | じょうせん | 常に同じ側が黒番を持って打つこと |
| コミ | こみ | 白番のハンデとして白に加算する目数。現在は6.5目が標準 |
| 半目勝ち | はんもくがち | コミの端数0.5目差での僅差の勝利 |
| 持碁 | じご | 黒白の地が同数になり引き分けとなること |
| 数え碁 | かぞえご | 石を全部はがして地を数える終局方法 |
盤面・石に関する用語
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 碁盤 | ごばん | 囲碁に使う盤。通常は19路盤(縦横各19本)を使用 |
| 路 | ろ | 碁盤の縦横の線の本数。「19路盤」は縦横各19本 |
| 交点 | こうてん | 盤上の線が交わる点。石を置く場所 |
| 天元 | てんげん | 19路盤の中央の交点(縦横それぞれ10番目の線が交わる点) |
| 星 | ほし | 盤上に印された9つの黒点。4路目の交点に位置する |
| 隅 | すみ | 盤の四つ角。地を確保しやすい重要な場所 |
| 辺 | へん | 盤の端(1〜2路目)の列 |
| 中央 | ちゅうおう | 盤の中心部。模様を張りやすいが地にしにくい |
| アゲハマ | あげはま | 対局中に取った相手の石。終局後に地を埋める際に使用 |
| 碁笥 | ごけ | 碁石を入れる椀形の容器 |
| 眼 | め | 石に囲まれた空の交点。2眼あると石のグループは生きる |
| 地 | じ | 終局時に自分が囲った領域(空点の数) |
| 大場 | おおば | 序盤において特に価値が高い戦略的な場所 |
石の動き・基本手法
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| アタリ | あたり | 石の呼吸点(ダメ)が1つだけになった危機的状態 |
| ダメ | だめ | 石が接する空き交点(呼吸点)。0になると取られる |
| ダメヅマリ | だめづまり | 自分の石の周囲のダメが詰まり行動できなくなった状態 |
| ツギ | つぎ | 切り離されそうな自分の石を繋ぐ手 |
| キリ | きり | 相手の石の連絡を断ち切り離す手 |
| 断点 | だんてん | 相手に切られる可能性のある弱い箇所(キズともいう) |
| ハネ | はね | 相手の石の頭に直角に打つ攻撃的な手 |
| ノビ | のび | 自分の石から外側方向へ伸ばして連絡を保つ手 |
| ツケ | つけ | 相手の石に隣接して打ち密着する手 |
| オサエ | おさえ | 相手の石の進路を塞いで出口を防ぐ手 |
| コスミ | こすみ | 自分の石から斜めに打つ安定した手 |
| ケイマ | けいま | 将棋の桂馬の動きのように打つ手(2路+1路) |
| 大ゲイマ | おおげいま | ケイマよりさらに広い飛び方(3路+1路) |
| トビ | とび | 2路先に打つ手(一間トビは1路先) |
| 一間トビ | いっけんとび | 1路空けて打つ手。最も基本的な連絡の形 |
| ハザマ | はざま | 斜めにトビを打つ手。切断の危険がある |
| ヒラキ | ひらき | 辺に沿って石を展開し地や根拠を広げる手 |
| サガリ | さがり | 盤の端方向(低い方)に向かって打つ手 |
| マガリ | まがり | 自分の石から直角に曲がる手 |
| ワタリ | わたり | 盤の端を使って離れた石をつなぐ手 |
| ノゾキ | のぞき | 相手の連絡の弱点を突いて切断を示唆する手 |
| ブツカリ | ぶつかり | 相手の石に正面からぶつかっていく手 |
| オシ | おし | 相手の石を圧迫して地を削る手 |
| ハイ | はい | 低い位置を這うように進む手 |
| ボウシ | ぼうし | 相手の石の頭上に打って進路を阻む手(帽子形) |
| スベリ | すべり | 辺の相手の石の内側を滑り込んで削る手 |
攻撃・捕獲の技法
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| シチョウ | しちょう | アタリを繰り返して石を盤端まで追い詰めて取る技 |
| シチョウアタリ | しちょうあたり | シチョウの途中に打ち、シチョウが成立しなくなる石 |
| ゲタ | げた | 相手の石を包み込んで逃げ出せなくする技(下駄形) |
| オイオトシ | おいおとし | 追い打ちをかけ続けて石を取る連続手 |
| ウッテガエシ | うってがえし | 相手の石の間に打ち込み、逆に相手の石を取る技 |
| コウ | こう | 同じ局面の繰り返しを防ぐルール。互いに即座に取り返せない |
| コウ立て | こうだて | コウを争うとき別の場所で問題を起こし、応じさせる手 |
| コウ材 | こうざい | コウ立てに使える手の数 |
| 捨て石 | すていし | あえて取られることを許し、戦局を有利にする石 |
| 両アタリ | りょうあたり | 一手で2か所の石を同時にアタリにする手 |
| ホウリコミ | ほうりこみ | 相手の地の中に石を投じて眼を消す手 |
| シボリ | しぼり | 相手の石を手番の連鎖で搾り取る技 |
| ポン抜き | ぽんぬき | 一手で相手の石を取ること |
| アテコミ | あてこみ | 相手の石の間に打ち込んで切断する手 |
| 花見コウ | はなみこう | 一方が失うものが少ない不平等なコウ争い |
死活(生き死に)の用語
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 生き | いき | 石のグループが2眼以上持ち取られない確定状態 |
| 死に | しに | 石のグループが2眼を作れず取られる運命にある状態 |
| 二眼 | ふため | 石のグループが2つの眼を持って完全に生きること |
| 欠け眼 | かけめ | 眼のように見えるが相手に打たれると眼にならない形 |
| セキ | せき | 互いに打てない状態で共存する特殊な形。双方とも生きる |
| 中手 | なかで | 一定の形の中央に打って石を殺す手 |
| 攻め合い | せめあい | 互いにダメを詰め合って取り合いをする戦い |
| 詰め碁 | つめご | 石の生死を読む練習問題。棋力向上の基本訓練 |
| 六死八活 | ろくしはっかつ | 第二線に6個並んだ石は死に、8個並んだ石は生きるという格言 |
| 直四 | ちょくよん | 4目が一直線に並んだ形。取ることができない死に形 |
布石・定石・序盤の用語
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 布石 | ふせき | 序盤において盤全体の配石計画を立てること |
| 定石 | じょうせき | 隅や辺での攻守最善とされる確立した打ち方の手順 |
| 変化 | へんか | 定石の標準形から外れた展開 |
| 厚み | あつみ | 石が密集し強固な勢力を持つ配置。将来に影響力を発揮 |
| 模様 | もよう | 地になる可能性がある広い勢力圏 |
| 小目 | こもく | 3路目と4路目の交点(星の隣)。最も多く使われる打ち始め |
| 高目 | たかもく | 3路目と5路目の交点(小目の上)。積極的な形 |
| 三々 | さんさん | 3路目と3路目の交点(隅に入り込む急所) |
| カカリ | かかり | 相手が隅に打った石へ接近して打つ手 |
| シマリ | しまり | 隅を確保するために2手かけて守る形 |
| ハサミ | はさみ | カカリに対して相手の石を挟んで封鎖する手 |
| 三連星 | さんれんせい | 隅の星2点と辺の星1点を使う現代的な布石 |
| 二連星 | にれんせい | 一辺の星2点を連続して打つ布石 |
| 中国流 | ちゅうごくりゅう | 小目・星・辺の組み合わせによる現代布石 |
| 打ち込み | うちこみ | 相手の石に囲まれた地の中に石を投じること |
| 消し | けし | 相手の模様を小さくする手。大規模な打ち込みとは異なる |
| 大局観 | たいきょくかん | 盤全体の形勢を俯瞰し戦略的判断をする能力 |
| 見合い | みあい | 双方が同等の価値を持つ2か所のどちらかを選べる状況 |
| フリカワリ | ふりかわり | 双方が石を交換して局面が大きく変化すること |
| 実利 | じつり | 実際に地として確保できる確定的な利益 |
中盤・戦術・終盤の用語
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 先手 | せんて | 相手が必ず応じなければならない手。主導権を保つ |
| 後手 | ごて | 相手の手に応じなければならない状態。主導権を失う |
| ヨセ | よせ | 終盤において双方の境界線を確定させる一連の手 |
| 手筋 | てすじ | その状況での最善の一手・技法 |
| 手拍子 | てびょうし | 十分に読まず勢いで打ってしまうこと |
| 味 | あじ | 石の配置が秘める将来の可能性・潜在的な力 |
| サバキ | さばき | 相手の厚みの中にいる自石をうまく処理する技術 |
| シノギ | しのぎ | 相手の攻撃をかわして自石を活かす技術 |
| 手入れ | ていれ | 弱点のある石を補強する手 |
| ヨミ | よみ | 対局中に先の展開を読む能力 |
| 長考 | ちょうこう | 対局中に長時間かけて深く考えること |
段・級・棋士制度の用語
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| 用語 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| 段 | だん | 棋力を示す上位の階級。初段〜九段(プロは九段が最高) |
| 級 | きゅう | 段に達しない棋力の階級。数字が小さいほど強い(1級が最強) |
| 棋士 | きし | プロとして対局を生業とする囲碁選手 |
| 名人 | めいじん | 日本囲碁界の最高格タイトルのひとつ |
| 本因坊 | ほんいんぼう | 戦国時代に起源を持ち1939年に競技タイトルとして制定された、日本最古の称号 |
| 棋聖 | きせい | 囲碁界の主要タイトルのひとつ |
| 棋譜 | きふ | 対局の全手順を符号で記録したもの |
| 棋戦 | きせん | プロ棋士が参加するタイトル戦・競技大会 |
知っておきたい囲碁の格言(豆知識)
囲碁には千年以上の歴史の中で生まれた「格言」があります。対局の教訓として語り継がれてきた名言を厳選しました。
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| 格言 | 意味・解説 |
|---|---|
| 敵の急所は我が急所 | 相手が打ちたい場所こそが自分も打つべき急所。攻守共通の要点を示す最重要格言 |
| 大場より急場 | 大きな場所より緊急事態を優先すべし。弱い石への対処を怠ると取られてしまう |
| 一間トビに悪手なし | 一路空けて打つ手は失敗しにくい確実な手。迷ったら一間トビが基本 |
| 厚みに近寄るな | 相手の強固な勢力(厚み)に近い場所に打つと攻撃を受ける。距離を置くことが肝要 |
| 厚みを地にするな | 厚みは攻めに活かすもの。地を囲うことに使うと効率が悪い |
| 追うはケイマ、逃げは一間 | 攻める時は広いケイマで追い、逃げる時は確実な一間が最適 |
| 己の石の弱きを知れ | 自分の弱い石を常に把握して打つことが形勢判断の基本 |
| 好手を見たら一路離れよ | 最善手の一路隣にさらに優れた手があることが多い |
囲碁が語源の日本語(豆知識)
囲碁は日本の日常語にも深く影響を与えています。「囲碁と知らずに使っている言葉」を集めました。
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| 日常語 | 読み方 | 意味(日常での使い方) | 囲碁用語としての意味 |
|---|---|---|---|
| 駄目 | だめ | 役に立たない・できないこと | どちらが打っても陣地にならない無価値な交点が語源。転じて呼吸点の意味でも使われる |
| 布石を打つ | ふせきをうつ | 将来に備えて準備をする | 序盤に石を配置して戦略を立てる |
| 定石通り | じょうせきどおり | 決まった方法・手順に従う | 攻守において最善とされる確立した手順 |
| 捨て石 | すていし | 将来の利益のための犠牲 | あえて取らせる石で全体を有利にする |
| 先手を打つ | せんてをうつ | 相手より先に行動する | 相手が応じなければならない手を打つ |
| 死活問題 | しかつもんだい | 絶対に解決しなければならない問題 | 石の生死(取られるか否か)の問題 |
| 岡目八目 | おかめはちもく | 第三者のほうが冷静に物事を判断できる | 傍から見ている人のほうが当事者より8手先を見通せる(冷静に全体を見渡せる)という観戦経験から生まれた言葉 |
| 一目置く | いちもくおく | 相手の実力を認めて敬意を払う | 弱い方が強い相手に1石置いてから打つ |
| 目算が狂う | もくさんがくるう | 計算や計画が外れる | 対局中の地の見積もりが違っていた |
| 手筋がいい | てすじがいい | やり口・手際が巧み | その場面での最善の打ち方 |
| 厚みがある | あつみがある | 実力・信頼感がある | 石が密集し将来に影響力を持つ配置 |
| 模様を描く | もようをえがく | 計画・構想を立てる | 地になりそうな広い勢力圏を広げる |
| 白黒をつける | しろくろをつける | 善悪や是非を明確にする | 黒石と白石で勝敗をはっきりさせる |
「駄目(だめ)」は、もともと「どちらが打っても地にならない無価値な交点(ダメ)」が語源です。「無駄・役に立たない」という日常語になりました。また「岡目八目」は、傍から見ている人のほうが当事者より冷静に全体を見渡せるという囲碁の観戦経験から生まれた表現で、「八目先が見える」が語源とされています。
まとめ
本記事では、囲碁用語を対局の進行・盤面・手法・死活・布石・中盤・段位制度の8カテゴリに分けて121選を解説しました。「ダメ」「捨て石」「布石」「先手を打つ」など13語が日常の日本語として定着しており、囲碁が日本文化に深く根付いていることがわかります。将棋と並ぶ日本の知的遊技の奥深さを、ぜひ用語から感じてみてください。将棋の戦法・囲いの名前も気になる方は、将棋の戦法・囲い一覧もあわせてご覧ください。