日本の勲章・褒章の種類一覧|旭日章・瑞宝章の違いと叙勲の仕組みまとめ

日本の栄典制度には、国家や社会への功績を称える「勲章」と「褒章」があります。天皇陛下から授与される現行の勲章は22種類、褒章は6種類。春と秋の年2回行われる「叙勲」では毎回4,500人前後が受章し、年間1万6,000人以上が勲章・褒章を手にします。旭日章と瑞宝章の違い・宝冠章の6等級の正式名称・叙勲6種の仕組みから廃止された金鵄勲章の歴史まで、日本の勲章制度を一覧でまとめました。

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勲章・褒章・叙勲の基本

「勲章」「褒章」「叙勲」はよく混同されますが、それぞれ別の概念です。

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制度 内容 授与主体
勲章 国家・社会への功績を称える栄典。種類と等級あり 天皇陛下(内閣の助言による)
褒章 善行・業績・技能・産業振興を称える栄典。色で種類分け 天皇陛下(内閣の助言による)
叙勲 勲章・褒章を授与する手続き・機会のこと 内閣が候補者を選定・奏請

勲章は「功績の大きさ・内容」をもとに等級が設けられています。褒章に等級はなく、授与対象の違いでリボンの色が変わります。叙勲は春秋の年2回を基本に、6種類あります。

現行の勲章・褒章一覧

勲章22種(カテゴリ別)

現行の勲章は菊花章・桐花章・旭日章・瑞宝章・文化勲章・宝冠章の6カテゴリ、合計22種類です。

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カテゴリ 名称 読み 主な授与対象
菊花章 大勲位菊花章頸飾 だいくんいきっかしょうけいしょく 外国元首への儀礼・国家最高位の功労者
菊花章 大勲位菊花大綬章 だいくんいきっかだいじゅしょう 歴代首相・三権の長など最高位功績者
桐花章 桐花大綬章 とうかだいじゅしょう 三権の長経験者・元内閣総理大臣
旭日章 旭日大綬章 きょくじつだいじゅしょう 大臣・最高裁判事クラスの功績者
旭日章 旭日重光章 きょくじつじゅうこうしょう 次官・局長クラスの功績者
旭日章 旭日中綬章 きょくじつちゅうじゅしょう 都道府県知事・市町村長クラス
旭日章 旭日小綬章 きょくじつしょうじゅしょう 課長・部長クラスの公務員・産業人
旭日章 旭日双光章 きょくじつそうこうしょう 係長・主任クラス
旭日章 旭日単光章 きょくじつたんこうしょう 旭日章の最下位等級
瑞宝章 瑞宝大綬章 ずいほうだいじゅしょう 国家・地方の高級官吏・大学学長クラス
瑞宝章 瑞宝重光章 ずいほうじゅうこうしょう 次官・局長クラスの公務員
瑞宝章 瑞宝中綬章 ずいほうちゅうじゅしょう 課長・部長クラスの公務員・学校長
瑞宝章 瑞宝小綬章 ずいほうしょうじゅしょう 係長・主任クラスの公務員・教員
瑞宝章 瑞宝双光章 ずいほうそうこうしょう 一般公務員・教員クラス
瑞宝章 瑞宝単光章 ずいほうたんこうしょう 瑞宝章の最下位等級
文化勲章 文化勲章 ぶんかくんしょう 科学・芸術・文化の発展に傑出した功績者
宝冠章 宝冠大綬章 ほうかんだいじゅしょう 外国女性元首・王族・大統領夫人への儀礼
宝冠章 宝冠牡丹章 ほうかんぼたんしょう 宝冠章の第2等級
宝冠章 宝冠白蝶章 ほうかんしろちょうしょう 宝冠章の第3等級
宝冠章 宝冠藤花章 ほうかんとうかしょう 宝冠章の第4等級
宝冠章 宝冠杏葉章 ほうかんきょうようしょう 宝冠章の第5等級
宝冠章 宝冠波光章 ほうかんはこうしょう 宝冠章の第6等級(最下位)

旭日章と瑞宝章の違い

旭日章と瑞宝章はともに6等級ありますが、授与の基準が根本的に異なります。

旭日章は「功績の内容・質」を重視します。社会や産業に対して直接的な功績・発展をもたらした人物に授与されるもので、政治家・経営者・文化人・研究者が受章するケースが多い。

瑞宝章は「公務の年数・積み重ね」を重視します。長年にわたり職務に精励した公務員・教育者・医師・警察官などに授与されます。コツコツと社会を支えてきた人々への章です。

同じ功績でも職種によってどちらが授与されるかが異なり、春秋叙勲では両章を合わせて数千人が毎回受章します。

宝冠章の6等級の名称

宝冠章は6等級すべてに固有の和名がついています。「牡丹・白蝶・藤花・杏葉・波光」という名称は、他の勲章の「大綬・重光・中綬…」という等級名と異なり、それぞれが独立した名前をもちます。現在は主に女性外国賓客への儀礼叙勲で用いられます。

褒章6種一覧

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名称 読み リボンの色 主な授与対象
紅綬褒章 こうじゅほうしょう 紅色 人命救助・火災・水難救助に尽力した者
緑綬褒章 りょくじゅほうしょう 緑色 ボランティア・社会奉仕で顕著な実績の者
黄綬褒章 おうじゅほうしょう 黄色 業務精励・技術・農業等で模範となる者
紫綬褒章 しじゅほうしょう 紫色 科学・学術・スポーツ・芸術文化で優れた業績の者
藍綬褒章 らんじゅほうしょう 藍色 産業振興・社会福祉・公共事務に尽力した者
紺綬褒章 こんじゅほうしょう 紺色 公益のため多額の私財を寄附した者

褒章の著名な受章者例

紫綬褒章は科学・芸術・スポーツ分野の著名人が多く受章します。競馬・プロスポーツ・美術・音楽などが対象です。

紺綬褒章は寄附額が基準(個人は500万円以上の公益寄附が目安)のため、スポーツ選手・芸能人が多額寄附で受章するケースがあります。

褒状と飾版

  • 褒状:個人でなく「団体」が受章する場合に授与(褒章の団体版)
  • 飾版:同じ種類の褒章を2回以上受章する際に追加授与(重ね受章の証)
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叙勲の仕組みと廃止された勲章

叙勲の6種類

日本の叙勲には6種類あります。春秋叙勲以外にも、職種・年齢・状況に応じた叙勲が随時行われています。

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種類 実施時期 主な対象 規模の目安
春季叙勲 毎年4月29日付 原則70歳以上・国家社会への功労者 約4,500人/回
秋季叙勲 毎年11月3日付 同上 約4,500人/回
危険業務従事者叙勲 春秋同日 警察官・自衛官・消防士・刑務官・海上保安官等(55歳以上) 約3,600人/回
高齢者叙勲 毎月1日付 未受章の功労者が満88歳に達した時 随時
死亡叙勲 随時 功績者が死亡した場合 随時
外国人叙勲 随時 外国高官の離任・来日・国際貢献者 随時

春秋叙勲と危険業務従事者叙勲だけで年間1万6,000人超が受章します。危険業務従事者叙勲は春秋叙勲より年齢基準が低く(70歳以上→55歳以上)、命の危険を伴う職業への配慮が反映されています。

廃止された主な勲章

2003年(平成15年)の栄典制度改正で、従来の「勲一等旭日大綬章」「勲二等旭日重光章」のような「勲〇等」という呼称が廃止され、現在の「旭日大綬章」「旭日重光章」という名称に変わりました。

もうひとつ大きな変化は、戦前の金鵄勲章(きんしくんしょう)の廃止です。

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名称 等級 廃止年 備考
金鵄勲章(功一〜功七) 7等級 1947年 武功抜群の軍人・軍属に授与。GHQ指令で廃止。現在は骨董品として流通

金鵄勲章は明治23年(1890年)に制定され、戦場での武功に応じて功一級〜功七級が授与されました。日露戦争・太平洋戦争を経て多くの軍人が受章しましたが、終戦後の1947年(昭和22年)にGHQの指令により廃止。現在は入手困難な希少品として骨董市場でも高値がつくことがあります。

位階(叙位)について

叙勲とあわせて語られることが多い「叙位」も、日本の栄典制度のひとつです。正一位から従八位まで16階がありますが、現在は生存者への叙位は行われず、死亡時にのみ授与される「死後叙位」が基本です。正一位・従一位は天皇が親授し、位記に天皇の署名・御璽が押されます。

日本の家紋や紋章が叙位・叙勲と深く関わっていた歴史については、家紋の種類一覧もあわせてご覧ください。爵位・称号との関係については爵位・称号一覧で詳しく解説しています。

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まとめ

日本の勲章は22種類、褒章は6種類。旭日章は「功績の内容・質」、瑞宝章は「公務の積み重ね」という授与基準の違いを知ると、受章者の職種との結びつきが見えてきます。叙勲は春秋叙勲・危険業務従事者叙勲・高齢者叙勲・死亡叙勲・外国人叙勲の6種類があり、年間1万6,000人超が受章します。次に叙勲のニュースを見かけたとき、どの種類の叙勲か・何章が授与されたかに注目してみてください。

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