
秋になると公園や山道に落ちている木の実。どんぐりはもちろん、赤い実や松ぼっくりなど、樹木はさまざまな形の実をつけます。この記事では、日本の樹木が実らせる木の実47種を「どんぐり類」「堅果その他」「液果・核果」「球果・翼果」「その他(注意が必要な実を含む)」の5カテゴリに分けて一覧にまとめました。食べられる実・食べる際に注意が必要な実・毒のある実を⚠️マークつきで区別しているので、山歩きや自然観察の参考にしてください。
どんぐり類(ブナ科)
「どんぐり」はブナ科の木が実らせる堅果の総称です。コナラ・クヌギ・カシ類・シイ類・ブナなど、日本各地の雑木林や常緑樹林に自生しています。殻斗(かくと)と呼ばれる帽子状の台座を持つのが特徴です。
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| 木の名前 | 読み | どんぐりの特徴 | 分布・備考 |
|---|---|---|---|
| コナラ | こなら | 細長い楕円形、殻斗は浅め | 落葉広葉樹林の代表種・薪炭材として利用 |
| クヌギ | くぬぎ | 丸くて大きい・殻斗は深いイガ状 | 里山に多い・樹液にカブトムシ・クワガタが集まる |
| ミズナラ | みずなら | コナラより大きく楕円形 | 冷涼地の山地に多い・ウイスキー樽に使用 |
| カシワ | かしわ | 丸みある楕円形・殻斗が目立つ | 葉が冬も残る落葉樹・端午の節句の柏餅 |
| アベマキ | あべまき | クヌギに似て丸く大きい | 西日本・コルク状の厚い樹皮が特徴 |
| シラカシ | しらかし | 細長い楕円形・小さめ | 関東以西の常緑樹・生垣にも利用 |
| アラカシ | あらかし | 卵形〜楕円形 | 暖地の常緑樹・都市部の街路樹 |
| ウラジロガシ | うらじろがし | 細長い楕円形 | 葉裏が白い・温暖地の常緑樹 |
| ウバメガシ | うばめがし | 小さい楕円形・細い | 備長炭の原料・日本最硬の木材 |
| スダジイ | すだじい | 殻斗が完全に実を包む・食用可 | 渋みが少なく炒って食べられる・縄文時代から食用 |
| マテバシイ | まてばしい | 大きな楕円形・炒って食用可 | 公園や街路樹に多い・タンニンが少なく食べやすい |
| ブナ | ぶな | 三角形・殻斗が4つ割れ | ブナ林の象徴・食用可だがタンニンあり |
堅果その他(食用として身近な実)
クリやクルミ、トチノミなど、古くから食用として利用されてきた実を集めました。ギンナンとトチノミは食べ方に注意が必要です。
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| 木の名前 | 読み | 実の特徴 | 食用・備考 |
|---|---|---|---|
| クリ | くり | イガに包まれた茶色い堅果 | 食用・縄文遺跡からも出土する栽培の歴史 |
| オニグルミ | おにぐるみ | 硬い殻に包まれた実 | 日本原産のクルミ・殻が非常に硬い |
| トチノミ ⚠️ | とちのみ | 大きな丸い茶色の実 | アク抜き必須(サポニンあり)・栃餅の原料 |
| ギンナン ⚠️ | ぎんなん | イチョウの実・果肉は悪臭 | 食べすぎ注意(メチルピリドキシンで中毒)・少量は食用 |
| ハシバミ | はしばみ | 小型のヘーゼルナッツ | 日本原産・ヘーゼルナッツの近縁種・食用可 |
⚠️ トチノミ:サポニンという苦み・毒性成分を含むため、生食は不可。灰汁(あく)に何日も浸けるアク抜きが必須。栃餅など伝統食材として古くから利用されてきました。
⚠️ ギンナン:メチルピリドキシン(MPN)が含まれ、食べすぎると中毒症状(嘔吐・けいれん)を起こします。特に子どもは少量でも危険なため、食べさせないようにしましょう。
液果・核果(果肉のある実)
果肉を持つ液果(えきか)や核果(かくか)類。鳥や小動物の食べ物になるものが多く、赤・黒・紫と色鮮やかな実が特徴です。一部に毒性がある実が含まれるため要注意です。
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| 木の名前 | 読み | 実の特徴 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ヤマモモ | やまもも | 赤〜暗紫色の球形・食用 | 初夏に熟す・甘酸っぱく生食可能 |
| ヤマグワ | やまぐわ | 黒紫色の集合果・食用 | 桑の実(マルベリー)・甘くジャムにも |
| アケビ | あけび | 紫色の実・熟すと裂開 | 果肉は食用(甘い)・皮も食用(苦み) |
| ヤマボウシ | やまぼうし | 赤い球形集合果・食用 | 秋に熟す・甘くマンゴーに似た風味 |
| ガマズミ | がまずみ | 赤い小粒の実 | 果実酒に利用・鳥の好物 |
| ミズキ | みずき | 小さな黒い核果 | 鳥が好む・春に枝を切ると水が滴ることから「水木」の名 |
| ナナカマド | ななかまど | 赤いクラスター状の実 | 七度かまどに入れても燃えないほど硬い→「七竈」が語源 |
| ムクノキ | むくのき | 黒紫色の小さな核果・食用 | 甘く生食可能・江戸時代は木材利用 |
| エゴノキ ⚠️ | えごのき | 白い小さな球形の実 | 有毒(エゴサポニン)・苦くて食べられない |
| センダン ⚠️ | せんだん | 黄褐色の核果・房状 | 全株有毒(アルカロイド)・薬用植物だが素人摂取は危険 |
| ハナミズキ | はなみずき | 赤い楕円形の核果 | 観賞用・実は苦くそのままでは不向き |
| ムラサキシキブ | むらさきしきぶ | 紫色の小粒の実 | 観賞用として人気・有毒ではないが食用には向かない |
⚠️ エゴノキ:実にエゴサポニンが含まれており、食べると嘔吐・下痢を起こします。見た目が可愛らしい白い実ですが食べないよう注意してください。
⚠️ センダン:全株にアルカロイドが含まれます。薬用植物として利用歴はありますが、素人が果実を食べることは大変危険です。
球果・翼果(針葉樹と翼を持つ実)
マツ・スギなどの針葉樹の球果(いわゆる「松ぼっくり」)や、カエデ類の翼果(よくか)を集めました。プロペラ状に風に乗って飛ぶ翼果は「たね飛ばし」が楽しい実です。
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| 木の名前 | 読み | 実の種類・特徴 | 備考 |
|---|---|---|---|
| アカマツ | あかまつ | 卵形の球果(松ぼっくり) | 赤みがかった樹皮・里山の代表 |
| クロマツ | くろまつ | アカマツより大きい球果 | 海岸の防風林に多い |
| スギ | すぎ | 小型の球形球果 | 花粉症の原因でも知られる日本固有種 |
| ヒノキ | ひのき | 小型の球形球果 | 高品質の木材・ヒノキ風呂で有名 |
| トドマツ | とどまつ | 細長い円柱形の球果 | 北海道に多い・クリスマスツリーの材料 |
| イロハモミジ | いろはもみじ | プロペラ状の翼果(2枚組) | 紅葉の代名詞・翼で風に乗り飛ぶ |
| ヤチダモ | やちだも | 細長い翼果・房状 | 湿地に多い・野球バットの材料 |
| ウリハダカエデ | うりはだかえで | イロハモミジに似た翼果 | 樹皮がウリに似た緑白模様 |
| ケヤキ | けやき | 翼のついた小さな堅果 | 街路樹・ケヤキ並木で有名 |
その他の実(注意が必要なものを含む)
観賞用に植えられたり山野に自生したりする木の実。見た目が美しくても毒を持つものが多く含まれるため、特に子どもには注意が必要です。
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| 木の名前 | 読み | 実の特徴 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ツバキ | つばき | 硬い球形の蒴果(さくか)・油を採取 | ツバキ油の原料・食用の油として利用可 |
| カキ | かき | オレンジ色の液果・食用 | 渋柿・甘柿・ドライフルーツ(干し柿)に |
| ウメ ⚠️ | うめ | 青い実・未熟果は食べない | 未熟果に青酸配糖体・梅干し・梅酒など加工品は安全 |
| ビワ ⚠️ | びわ | 橙色の実・食用 | 種と葉に青酸配糖体・果肉は食用・種は食べない |
| マユミ ⚠️ | まゆみ | 赤いピンクの4裂れ実 | 全株有毒(アルカロイド)・観賞用の赤い実に注意 |
| イチイ ⚠️ | いちい | 赤い仮種皮に包まれた実 | 仮種皮は食べられるが種は猛毒(タキシン)・絶対に種を飲み込まない |
| ニシキギ ⚠️ | にしきぎ | 赤い実・マユミに似た4裂れ | 有毒(アルカロイド)・コルク翼が特徴の紅葉樹 |
| ツルウメモドキ ⚠️ | つるうめもどき | 黄色い蒴果・中が赤 | 有毒(アルカロイド)・リース素材として使われるが食べない |
| ウメモドキ | うめもどき | 赤い小粒の実・房状 | 食毒注意(少量の有毒成分)・観賞用 |
⚠️ ウメ(未熟果):青梅にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれます。完熟前の実を大量に食べると中毒の危険があります。梅干し・梅酒・梅シロップなど加工品は安全です。
⚠️ ビワ(種・葉):種と葉に青酸配糖体が含まれます。果肉の食用は問題ありませんが、種を食べたり、生の葉からジュースを大量摂取するのは危険です。
⚠️ イチイ:赤い仮種皮は甘みがあり食べられますが、中の種子にはタキシンという猛毒が含まれます。種子を飲み込むことは絶対に避けてください。子どもが口にしやすいため要注意です。
⚠️ マユミ・ニシキギ・ツルウメモドキ:秋に美しい赤・橙・黄色の実をつけますが、アルカロイドを含む有毒植物です。観賞用として庭や生垣に使われているため、特に子どもが誤食しないよう注意が必要です。
木の実の豆知識
どんぐりは食べられるの?
ほとんどのどんぐりには渋み成分タンニンが含まれており、そのままでは苦くて食べにくいものが多いです。ただしスダジイ(椎の実)とマテバシイはタンニンが少なく、炒れば比較的食べやすい実として知られています。縄文時代の人々はどんぐりを主食にしていたとされ、長時間水にさらしてタンニンを抜いていたと考えられています。
松ぼっくり(球果)のしくみ
松ぼっくりは針葉樹の種を守る「球果(きゅうか)」で、鱗片(りんぺん)の間に種が入っています。乾燥すると鱗片が開いて種が飛び出し、翼(つばさ)で風に乗って広がります。雨が降ると鱗片が閉じて種を守る、自然の「湿度センサー」でもあります。
「木の実」と「果実」の違い
植物学的には木の実(樹木の実)も「果実」のひとつです。ただし日常会話では、甘くて食用になるもの(リンゴ・ミカン等)を「果物」と呼び、どんぐりや松ぼっくりなど甘くない樹木の実を「木の実」と区別することが多いです。
毒のある実の見分け方
「赤い実は危険」と言われることがありますが、ヤマモモ・ヤマボウシ・ガマズミのように食べられる赤い実も多くあります。一方、紫・黒い実でも食べられるものがあります(ムクノキ・ヤマグワなど)。色だけで判断せず、名前を確認することが大切です。毒のある代表的な実は、イチイ(種)・マユミ・ニシキギ・エゴノキ・センダン・ツルウメモドキなどです。
なお、毒を持つ生き物や植物の一覧については「毒を持つ生き物87種一覧|魚・虫・爬虫類から植物まで」もあわせてご覧ください。
まとめ
どんぐり類12種・堅果5種・液果核果12種・球果翼果9種・その他9種の合計47種の木の実を紹介しました。秋の自然観察で「この木の実は何だろう?」と思ったとき、ぜひこの一覧を参考にしてください。野山で見つけた実を食べる際は、必ず種類を確認し、毒性の記述を確認してから食べることを徹底してください。特に子どもが誤食しやすい毒のある実(イチイ・マユミ・ニシキギなど)が身近な公園や庭にも植えられているため、注意が必要です。
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