世界の主要宗教26選|信者数・聖典・発祥地を系統別に完全まとめ

世界には約4,200ともいわれる宗教が存在し、地球上のおよそ84%の人が何らかの信仰を持っているとされています。本記事では、世界の主要な宗教・宗派を26種類、「推定信者数・聖典・発祥地」の3点とともに系統別に一覧でまとめました。アブラハム系(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)、インド系(ヒンドゥー教・仏教・ジャイナ教・シク教)、東洋系(道教・儒教・神道)から、ゾロアスター教・バハーイー教・天理教などの少数・新興宗教まで網羅しています。

スポンサーリンク

宗教を「系統」で理解する3つのポイント

世界の宗教は、①誕生した地域・歴史的系譜、②信仰する神の数(一神教か多神教か)、③布教するかどうか(普遍宗教か民族宗教か)の3つの軸で整理できます。

一神教 vs 多神教 vs 非有神論:唯一の絶対神を信じる一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)、複数の神々を認める多神教(ヒンドゥー教・神道)、そして神の存在を前提としない非有神論的宗教(仏教の一部・儒教)があります。

普遍宗教 vs 民族宗教:キリスト教・イスラム教・仏教は積極的な布教で世界中に広まった「世界三大宗教」です。一方、ユダヤ教・神道・ヒンドゥー教は特定の民族・地域と深く結びついた民族宗教の側面が強いとされます。

アブラハム系の影響力:世界人口の半数以上が信仰するのが「アブラハム系」——旧約聖書の族長アブラハムを共通の祖に持つ一神教の系統です。ユダヤ教を起点に、キリスト教・イスラム教が派生しました。

世界の主要宗教26選|信者数・聖典・発祥地一覧

推定信者数はPew Research Center(2020年前後)などの調査を参考にしています。カウント方法・調査時期によって数字は異なります。

アブラハム系宗教(一神教の系譜)

← 横にスクロールできます →

宗教名 推定信者数 聖典・経典 発祥地・時代
ユダヤ教 約1,500万人 タナハ(ヘブライ聖書)・タルムード パレスチナ地方(紀元前10世紀頃)
キリスト教(カトリック) 約13億4,000万人 聖書(旧約・新約) パレスチナ地方(1世紀)
キリスト教(プロテスタント) 約9億人 聖書(新約重視) ドイツ(16世紀・宗教改革)
東方正教会 約2億6,000万人 聖書・典礼書 コンスタンティノープル(1054年分裂)
末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教) 約1,700万人 モルモン書・聖書 アメリカ(1830年)
イスラム教(スンニ派) 約16億人 クルアーン・ハディース アラビア半島(7世紀)
イスラム教(シーア派) 約2億人 クルアーン・イマーム言行録 アラビア半島(7世紀・分裂)
ドルーズ教 約100万人 知恵の書(ラサーイル・ヒクマ) レバノン・シリア(11世紀)
バハーイー教 約700万人 キターブ・アクダス イラン(1844年)
スポンサーリンク

インド系宗教(輪廻・カルマの思想圏)

← 横にスクロールできます →

宗教名 推定信者数 聖典・経典 発祥地・時代
ヒンドゥー教 約12億人 ヴェーダ・ウパニシャッド インド亜大陸(紀元前1500年頃)
仏教(上座部) 約1億5,000万人 パーリ語三蔵(ティピタカ) インド(紀元前5世紀)
仏教(大乗) 約3億5,000万人 般若経・法華経・華厳経等 インド(紀元後1世紀)
仏教(チベット仏教) 約2,000万人 カンジュル・テンジュル インド→チベット(7世紀)
ジャイナ教 約600万人 アーガマ(アルダマーガディー語) インド(紀元前6世紀)
シク教 約3,000万人 グル・グラント・サーヒブ パンジャーブ地方(15世紀)

東洋の宗教(道・礼・自然崇拝)

← 横にスクロールできます →

宗教名 推定信者数 聖典・経典 発祥地・時代
道教 約4,000万人 道徳経・荘子・道蔵 中国(紀元前4〜2世紀)
儒教 約600万人(純粋信者)※文化圏は数億 四書五経 中国・魯(紀元前5世紀)
神道 約380万人(純粋信者)※文化的信者は数千万 古事記・日本書紀 日本(先史時代〜)

古代イラン系・その他の少数宗教

← 横にスクロールできます →

宗教名 推定信者数 聖典・経典 発祥地・時代
ゾロアスター教 約20万人 アヴェスター 古代イラン(紀元前7世紀頃)
マンダ教 約6万人 ギンザー・ラッバー イラク・イラン(2世紀頃)
ヤジディ教 約70万人 ミシェファ・レシュ(黒の書) イラク北部(12世紀頃)
スポンサーリンク

近・現代の新興宗教

← 横にスクロールできます →

宗教名 推定信者数 聖典・経典 発祥地・時代
カオダイ教(高台教) 約400万人 カオダイ教典 ベトナム(1926年)
天理教 約120万人 おふでさき・みかぐらうた 日本・奈良(1838年)
ラスタファリ運動 約100万人 聖書(ラスタファリ解釈) ジャマイカ(1930年代)
ネオペイガニズム(ウィッカ等) 約100万人 固有の経典なし(自然崇拝) 欧米(20世紀)

土着信仰・アニミズム

← 横にスクロールできます →

宗教名 推定信者数 聖典・経典 発祥地・時代
土着信仰・アニミズム・シャーマニズム 約4億人 口承伝統(固有経典なし) 世界各地(先史時代〜)
スポンサーリンク

アブラハム系宗教|一神教の三大潮流

ユダヤ教——最古の一神教のひとつ

紀元前1,000年頃にパレスチナ地方で成立した世界最古の一神教のひとつです。「神(ヤハウェ)との契約を結んだ選ばれた民族(ユダヤ人)」という選民思想が核心で、ユダヤ教の聖典タナハ(ヘブライ聖書)はキリスト教の「旧約聖書」の原型となりました。現在の信者数は約1,500万人と少ないですが、哲学・法律・倫理・科学思想への影響は計り知れず、マルクス・フロイト・アインシュタインなど近代を代表する思想家の多くがユダヤ系です。

キリスト教——世界最大の信者を持つ宗教

1世紀のパレスチナでイエス・キリストの教えから始まり、現在は約23億人の信者を持つ世界最大の宗教です。「カトリック(ローマ教皇中心・全体の約56%)」「プロテスタント(宗教改革後の諸派・約37%)」「東方正教会(ビザンツ帝国の伝統・約11%)」の三大教派に大別されます。16世紀にマルティン・ルターが「聖書のみ・信仰のみ」を掲げて宗教改革を起こし、プロテスタントが誕生しました。

イスラム教——最も急成長する宗教

7世紀にアラビアの預言者ムハンマドが受けた神(アッラー)の啓示を集めた「クルアーン(コーラン)」を聖典とします。信者(ムスリム)は約20億人で、五行(信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼)を実践します。ムハンマドの没後、後継者をめぐる対立からスンニ派(約90%)とシーア派(約10%)に分裂しました。Pew Research Centerの推計では、2050年頃にはキリスト教と並ぶ規模になると予測されています。

スポンサーリンク

インド・東洋の宗教|輪廻と悟り、道と礼

ヒンドゥー教——特定の教祖を持たない最古の現存宗教

「ヒンドゥー」はインダス川(シンドゥー川)に由来する言葉で、特定の教祖や創始者を持たない点が他の主要宗教と異なります。ブラフマー(創造)・ヴィシュヌ(維持)・シヴァ(破壊)の三大神(トリムルティ)を核に数百万の神が存在し、聖典ヴェーダは紀元前1500年頃から伝わる人類最古の宗教文書のひとつです。信者数は約12億人(世界3位)で、インド人口の約80%を占めます。

仏教——苦しみからの解脱を説く

紀元前5世紀頃、インド北部でガウタマ・シッダールタ(釈迦牟尼仏)が悟りを開いた教えです。「欲望が苦しみを生む」という四諦(したい)と、悟りへの道「八正道(はっしょうどう)」が核心です。スリランカ・東南アジアに広まった上座部(出家修行重視)、東アジアに広まった大乗(在家信者も救済)、チベット・モンゴルのチベット仏教(密教的要素を持つ)という三大系統があります。

道教・儒教・神道——東洋固有の思想体系

道教は「道(タオ)に従って生きることが最善」という老子・荘子の思想を基に、中国で宗教として体系化されたものです。不老不死・錬丹術・気功など神秘的な実践を含みます。儒教は孔子の仁義礼智信の社会倫理を説き、「宗教」というより「道徳・政治哲学の体系」に近い性格を持ち、東アジアの社会規範に深く根付いています。神道は日本固有の信仰で、特定の教祖・教典・宗派を持たず、自然・祖先・神話の神々(八百万の神)を崇める自然宗教です。

スポンサーリンク

宗教にまつわる豆知識

ゾロアスター教は現代の一神教の「祖先」かもしれない

紀元前7〜6世紀に古代イランで生まれたゾロアスター教は、「善の神アフラ・マズダー vs 悪の神アンラ・マンユ」という善悪二元論で知られます。最後の審判・天国と地獄・救世主の概念など、後のユダヤ教・キリスト教・イスラム教に影響を与えたとされています。現在の信者数は約20万人(ペルシャ帝国最盛期には数千万人)と激減しており、インドのパールシー(ゾロアスター教徒の子孫)コミュニティや、イランのヤズドなどに残っています。

カオダイ教——ヴィクトル・ユゴーも崇拝対象のユニーク宗教

1926年にベトナムで誕生したカオダイ教は、キリスト教・仏教・道教・儒教などあらゆる宗教の神や聖人を一堂に崇める独特の宗教です。崇拝対象には孔子・釈迦・イエス・老子のほか、なんとフランスの文豪ヴィクトル・ユゴー(霊界から神の霊感を送ったとされる)まで含まれます。「すべての宗教は同じ真実を異なる側面から説く」という普遍主義的立場を取り、ベトナム南部を中心に約400万人が信仰しています。

神道の信者数が「少ない」のはなぜ?

神道の公式信者数は約380万人とされますが、日本人の多くは初詣・七五三・神前結婚式などを日常的に行っています。これは「宗教」を「入信している組織」として捉えるか、「文化・慣習」として捉えるかの違いによるものです。宗教社会学では、日本人のこのスタンスを「拡散宗教(diffused religion)」と呼んでいます。

最も信者数が増加しているのはイスラム教、減少しているのは?

Pew Research Centerによると、2050年頃にはイスラム教がキリスト教と並ぶ約28億人規模になると予測されています。これは若年層が多く出生率が高いためです。一方で欧米先進国では「スピリチュアル・バット・ノット・リリジャス(Spiritual but not religious)」という「宗教に属さないが精神性は大切にする」層が増加しており、無宗教・不可知論者は世界人口の約16%(約13億人)に達しています。

まとめ

世界の主要宗教26種を系統別に見てきました。アブラハム系の一神教からインドの多神教・無神論的な仏教、東アジアの儒教・道教・神道、そして新興宗教や少数宗教まで、その多様性は人類の歴史と文化の豊かさを物語っています。

宗教はそれぞれが育った風土や歴史の中で発展してきたものです。文化的な禁忌(タブー)については世界の禁忌・タブー一覧で、各宗教に登場する神々の詳細については世界の神話の神々252選もあわせてご覧ください。

一緒に読まれている人気記事

スポンサーリンク

X でフォローしよう!

おすすめの記事