数の単位一覧|一から無量大数まで全45種の読み方・語源まとめ
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「一、十、百、千、万、億、兆…その次は?」と思ったことはありませんか。実は日本語の数の単位は大きい数だけで21種類あり、「無量大数」まで続きます。さらに小さい数も「分・厘・毛」から「涅槃寂静」まで24種類存在します。合計45種類の読み方と桁数を一覧で網羅し、「億劫」「刹那」など日常語に溶け込んだ数の単位の語源も解説します。

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大きい数の単位一覧(一〜無量大数)

日本語の大きい数は万進法を採用しており、万・億・兆・京と4桁(1万倍)ごとに単位が変わります。英語が3桁(1,000倍)ごとに変わるのとは異なるため、桁の換算で混乱しがちです。現在の単位体系は1627年(寛永4年)に刊行された吉田光由の数学書『塵劫記(じんこうき)』で広まったとされています。

単位 読み 10のn乗
いち 10の0乗(1)
じゅう 10の1乗
ひゃく 10の2乗
せん 10の3乗
まん 10の4乗
おく 10の8乗
ちょう 10の12乗
けい 10の16乗
がい 10の20乗
じょ 10の24乗
じょう 10の28乗
こう 10の32乗
かん 10の36乗
せい 10の40乗
さい 10の44乗
ごく 10の48乗
恒河沙 ごうがしゃ 10の52乗
阿僧祇 あそうぎ 10の56乗
那由他 なゆた 10の60乗
不可思議 ふかしぎ 10の64乗
無量大数 むりょうたいすう 10の68乗

「兆」までは日常でよく使われますが、「京」以降は半導体の計算速度(FLOPS)や国家予算の議論などで稀に登場します。「恒河沙」以降の5単位は仏教用語が語源で、後述の豆知識で解説します。

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小さい数の単位一覧(分〜涅槃寂静)

小数点以下の単位にも、「分・厘・毛」以降に多彩な漢字が並びます。「刹那」「逡巡」「模糊」など現代の日常語として使われている言葉が数の単位としても存在するのが特徴です。なお、ここで示す「分」は命数法(数学的な単位体系)における10の−1乗で、野球の打率や歩合(1割・1分・1厘)とは基準が異なります。

単位 読み 10のn乗
10の−1乗
りん 10の−2乗
もう 10の−3乗
10の−4乗
こつ 10の−5乗
10の−6乗
せん 10の−7乗
しゃ 10の−8乗
じん 10の−9乗
あい 10の−10乗
びょう 10の−11乗
ばく 10の−12乗
模糊 もこ 10の−13乗
逡巡 しゅんじゅん 10の−14乗
須臾 しゅゆ 10の−15乗
瞬息 しゅんそく 10の−16乗
弾指 だんし 10の−17乗
刹那 せつな 10の−18乗
六徳 りっとく 10の−19乗
空虚 くうこ 10の−20乗
清浄 しょうじょう 10の−21乗
阿頼耶 あらや 10の−22乗
阿摩羅 あまら 10の−23乗
涅槃寂静 ねはんじゃくじょう 10の−24乗

大きい数の単位が4桁(万倍)ごとに変わる万進法なのに対し、小さい数の単位は1桁(10倍)ごとに変わります。「塵(じん)」は10の−9乗、つまり10億分の1の大きさです。

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数の単位にまつわる豆知識

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仏教用語から生まれた大きな数

「恒河沙」「阿僧祇」「那由他」「不可思議」「無量大数」の5つは、すべて仏教に由来する言葉です。

  • 恒河沙(ごうがしゃ):「恒河(こうが)」はインドのガンジス川のこと、「沙(しゃ)」は砂のこと。「ガンジス川の砂粒の数ほど多い」という表現が語源で、10の52乗を指します。
  • 阿僧祇(あそうぎ):「数えることができない」を意味するサンスクリット語「Asaṃkhya(アサンキャ)」を音訳した言葉。10の56乗。
  • 那由他(なゆた):極めて大きな数を意味するサンスクリット語「Nayuta(ナユタ)」が由来。10の60乗。
  • 不可思議(ふかしぎ):仏様の智慧や神通力が人の思考をはるかに超えた境地を指す仏教用語。10の64乗を意味しますが、現代では「不思議に思う」という日常語としても広く使われています。
  • 無量大数(むりょうたいすう):「量ることができないほど大きな数」という意味。日本語の命数法における最大の単位で10の68乗です。

これらの単位は、古代インドの宇宙観(広大な宇宙の時間・空間を数値で表現しようとした試み)が仏教経典を通じて中国に伝わり、日本に入ってきたものです。

数の単位が日常語になった例

数の単位は、意味が転じて日常会話に溶け込んでいます。語源を知ると言葉の見え方が変わります。

億劫(おっくう)
「劫(こう)」は仏教の時間単位で、とてつもなく長い期間を指す言葉。「億劫(おっこう)」は「劫が1億個ある」ほどの途方もない時間を意味し、それが転じて「めんどくさい・気が重い」という意味の「おっくう」になりました。

刹那(せつな)
小数の単位の「刹那」は10の−18乗という極小の時間単位。仏教ではさまざまな経典によって異なりますが、「非常に短い時間」を指す単位とされており、「一瞬の時間」を意味する言葉として現代語に定着しました。

塵(ちり)も積もれば山となる
ことわざの「塵」は10の−9乗という数の単位でもあります。それほど小さなものでも積み重なれば大きくなる、という教訓と数の単位が見事に一致しています。

模糊(もこ)・逡巡(しゅんじゅん)
「曖昧でぼんやりした状態」を意味する「模糊」(例:曖昧模糊)、「ためらう・ぐずぐずする」を意味する「逡巡」も、小数の単位として存在します。それぞれ10の−13乗・10の−14乗で、いずれも仏教由来の言葉です。

万進法と千進法の違い

日本語の数の単位は万進法(4桁ごとに単位が変わる)で、英語は千進法(3桁ごと)です。この違いが「英語の数字を日本語に換算する」ときの混乱を生みます。

英語 数値 日本語
one thousand 1,000
ten thousand 10,000 1万
one million 1,000,000 100万
one billion 1,000,000,000 10億
one trillion 1,000,000,000,000 1兆

「1 million = 1万」という誤解が非常に多いですが、正しくは「1 million = 100万」です。ニュースで「1 billion dollars」と聞いたら「10億ドル」、「1 trillion」なら「1兆」と換算します。万進法と千進法のずれを意識すると、英語のニュースや経済ニュースの理解が格段に正確になります。

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まとめ

日本語の数の単位は、大きい数「一〜無量大数」が21種類、小さい数「分〜涅槃寂静」が24種類の計45種類あります。「恒河沙」「不可思議」などの大きな数は古代インドの仏教用語が語源で、「刹那」「模糊」などの小さな数の単位も日常語として現代に生き続けています。数字の裏に広大な宇宙観が流れ込んでいる——そんな視点で数を見ると、算数や数学がちょっと面白くなるかもしれません。

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