雲の種類 24分類【完全図解】高さ・形・英語名・別名まとめ

雲の種類は、雲が出現する高さによって10種類、雲の形によって14種類に分類されており、合わせて24種類に整理されます。本記事では、世界気象機関(WMO)が公認する分類をもとに、各雲の特徴・俗称・英語名(学術名)・略記号を図解で解説します。巻雲(すじ雲)から積乱雲(入道雲)まで、空を見上げるのが少し楽しくなる雲学の入門ガイドとしてご活用ください。

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高さによる雲の種類【10種類】

雲はまず、地上からの高さによって「上層雲・中層雲・下層雲」の3つのグループに分けられます。中学校の理科で学んだ「十種雲形(じっしゅうんけい)」という分類で、現在も気象学の基本として使われています。

それぞれの高度の目安は以下の通りです。

  • 上層雲(高度5,000〜13,000m):エベレスト山(8,848m)付近
  • 中層雲(高度2,000〜7,000m):富士山(3,776m)付近
  • 下層雲(地表付近〜2,000m):東京スカイツリー(634m)付近

3グループはさらに以下のように細分化されます。

  • 上層雲:巻雲・巻積雲・巻層雲
  • 中層雲:高積雲・高層雲・乱層雲
  • 下層雲:層積雲・層雲・積雲・積乱雲

ここからは、それぞれの雲の特徴と見分け方を順番に解説していきます。なお、紹介する雲は基本的にWMO(世界気象機関)が公認する分類に基づいています。

巻雲(すじ雲・はね雲・しらす雲)

英語・学術名は Cirrus(シーラス)。略記号は Ci。

天気のよく晴れた日に、上空での風が強い時に出現する繊維状の雲です。春や秋によく見られ、形によってさらに5種類(毛状雲・鉤状雲・濃密雲・塔状雲・房状雲)に分類されます。

俗称の「すじ雲」「はね雲」「しらす雲」はすべて、繊維状にすじを引く外観から名付けられました。

巻層雲(うす雲)

英語・学術名は Cirrostratus(シーロストラタス)。略記号は Cs。

非常に薄いベール状の雲で、空全体を覆っていても気付きにくいのが特徴です。太陽や月のまわりに「ハロ(暈/かさ)」と呼ばれる光の輪を作ることがあり、これが見えると天気が下り坂になる前兆と昔から言われています。

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巻積雲(うろこ雲・いわし雲・さば雲)

英語・学術名は Cirrocumulus(シーロキュムラス)。略記号は Cc。

細かい氷の粒でできた小さな雲の塊が、空一面に広がる雲です。一つひとつが小さく薄いため、太陽光が透けて影ができにくいのが特徴です。

「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」はいずれも秋の季語として俳句にも詠まれます。出現すると数時間〜半日ほどで天気が崩れることが多い、悪天候の前触れの雲とされています。

高層雲(朧雲/おぼろ雲)

英語・学術名は Altostratus(アルトストラタス)。略記号は As。

空全体を一様に覆うことが多く、すりガラスを通したようにぼんやりと霞んで見えるのが特徴です。夜にこの雲が月にかかると「朧月夜(おぼろづきよ)」となります。なお、朧月夜は春の季語です。

高積雲(ひつじ雲・まだら雲・叢雲/むらくも)

英語・学術名は Altocumulus(アルトキュムラス)。略記号は Ac。

寒気団の上に暖気が接した際にできることが多く、波紋状・帯状に広がるのが特徴です。雲のすき間が列をなして並んでいるように見えることから、俗に「地震雲」と呼ばれ不吉な前兆とされることがありますが、これは科学的根拠の薄い俗説です。

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乱層雲(雨雲)

英語・学術名は Nimbostratus(ニンボストラトゥス)。略記号は Ns。

灰色〜暗灰色で雲底に影がある、いわゆる「雨雲」です。形が刻一刻と変化しやすく、長時間にわたって雨や雪を降らせます。低気圧や前線が通過する際の代表的な雲です。

層積雲(うね雲・くもり雲・むら雲)

英語・学術名は Stratocumulus(ストラトキュムラス)。略記号は Sc。

ふわふわとした塊が並んだり広がったりして空を埋め尽くす、「曇り空」の代表的な雲です。雨を降らせることは少なく、一年を通して最も頻繁に見られる雲のひとつとされています。

積雲(わた雲)

英語・学術名は Cumulus(キュムラス)。略記号は Cu。

晴れた日に午後になると地表が温められて発生し、むくむくと成長していく綿菓子のような雲です。夕方になると上昇気流が止まって徐々に消散していくのが一般的です。発達すると次の積乱雲に変化することもあります。

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層雲(霧雲)

英語・学術名は Stratus(ストラタス)。略記号は St。

十種雲形の中で最も低い高度にできる雲で、地表付近〜2,000m未満に発生します。山の中腹で雲がかかって見えるのはこの層雲で、地面に接すると「霧」となります。

谷や峡谷を覆った霧が雲海となり、「天空の城」として有名な兵庫県の竹田城跡や、北海道のトマムの雲海など、絶景スポットの主役にもなります。

積乱雲(入道雲・雷雲)

英語・学術名は Cumulonimbus(キュムロニンバス)。略記号は Cb。

夏の風物詩「入道雲」として知られる、縦に大きく成長する雲です。雲頂が10,000mを超えるものもあり、雷・突風・竜巻・豪雨・雹(ひょう)などをもたらす最も危険な雲とされています。

夏の夕立や台風、冬の日本海側に降る大雪(雪雲)も、この積乱雲が原因です。近年問題になっている「ゲリラ豪雨」や「線状降水帯」も、積乱雲が連続して発生・停滞することで起こります。

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形による雲の種類【14種類】

十種雲形をベースに、雲はさらに「形」によって14種類の変種に分類されます。以下は主にWMOの国際雲図帳(International Cloud Atlas)に基づく分類で、巻雲や積雲などの基本形に組み合わせて呼ばれることが一般的です。

毛状雲(巻雲・巻層雲)

英語・学術名は Fibratus。略記号は fib。

毛や繊維のように細いすじ状で、すじの先端が曲がっていないのが特徴です。

鉤状雲(巻雲)

英語・学術名は Uncinus。略記号は unc。

毛や繊維のような細いすじ状で、先端が釣り針のように曲がっているのが特徴です。

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濃密雲(巻雲)

英語・学術名は Spissatus。略記号は spi。

雲が濃く広がって厚みを感じさせるのが特徴ですが、輪郭は薄いすじ状になるため巻雲の仲間と分かります。

塔状雲(巻雲・巻積雲・高層雲・層積雲)

英語・学術名は Castellanus。略記号は cas。

塔や柱のように垂直に立ち上がる形が特徴です。大気が不安定であることを示すサインとされます。

房状雲(巻雲・巻積雲・高積雲)

英語・学術名は Floccus。略記号は flo。

細いすじ状の雲の先端が、ふさのように丸くなっているのが特徴です。

層状雲(巻積雲・高積雲・層積雲)

英語・学術名は Stratiformis。略記号は str。

多数の雲の塊が層状に集まって、空に広く浮かんでいるのが特徴です。

レンズ雲(巻積雲・高積雲・層積雲)

英語・学術名は Lenticularis。略記号は len。

凸レンズや UFO(未確認飛行物体)のような形をした雲で、強い風が山を越える際に発生しやすいことで知られます。山の頂上にかかると「笠雲(かさぐも)」や「吊し雲(つるしぐも)」と呼ばれ、富士山のレンズ雲は気象写真の定番被写体です。

霧状雲(巻層雲・層雲)

英語・学術名は Nebulosus。略記号は neb。

輪郭がはっきりせず、薄いベールのように空を覆うのが特徴です。

扁平雲(積雲)

英語・学術名は Humilis。略記号は hum。

できはじめの積雲によく見られ、雲頂(雲のてっぺん)が平らで横に長いのが特徴です。

並雲(積雲)

英語・学術名は Mediocris。略記号は med。

発達段階の積雲に多く見られ、雲頂が盛り上がって成長している形が特徴で、「シュークリーム型」と例えられることもあります。

雄大雲(積雲)

英語・学術名は Congestus。略記号は con。

大気が不安定でできてから時間が経った積雲に見られ、雲頂が盛り上がり雲底からの高さが非常に高くなるのが特徴です。さらに発達すると積乱雲に変化します。

断片雲(積雲・層雲)

英語・学術名は Fractus。略記号は fra。

密集した雲の端でちぎれて消えかけている雲や、小さな積雲が消えかけているときに現れる雲です。

無毛雲(積乱雲)

英語・学術名は Calvus。略記号は cal。

積乱雲のうち、雲頂が丸く盛り上がっていて、まだ毛羽立ちのない状態のものです。

多毛雲(積乱雲)

英語・学術名は Capillatus。略記号は cap。

積乱雲のうち、雲頂が成層圏との境目で水平に広がり、毛羽立ったように見える状態のものです。横に広がった部分は「かなとこ雲(金床雲)」とも呼ばれ、強い雷雨をもたらすサインとされます。

珍しい雲・特殊な雲

十種雲形・14変種以外にも、条件が揃ったときだけ見られる珍しい雲があります。ここでは特に有名な2つを紹介します。

彩雲(さいうん)

英語では Iridescent Clouds(イリディセント・クラウズ)と呼ばれます。

雲が太陽の近くを通過するとき、雲の縁が虹色に光る現象です。瑞雲(ずいうん)・慶雲(けいうん)・紫雲(しうん)など複数の呼び名があり、古来より「吉兆」とされてきました。

科学的には、雲粒のサイズが揃っているときに太陽光が回折することで虹色が現れる現象とされ、「環水平アーク」など類似の現象とまとめて語られることもあります。

乳房雲(ちぶさぐも)

英語では Mammatus(マンマタス)と呼ばれます。

雲底からブドウの房のように丸い塊が垂れ下がって見える、非常に珍しい雲です。雲底で下降気流や渦が生じることで発生し、出現後は雷雨・雹・竜巻が起こる恐れがあるとされています。見つけても近づかず、屋内に避難しましょう。

まとめ|雲の種類は高さ別10×形別14+αで覚える

雲の種類は、まず「高さ別の10種類(十種雲形)」を覚えるのが基本です。さらに「形による14種類」を組み合わせると、空に浮かぶほとんどの雲を分類できるようになります。彩雲や乳房雲など、特殊な雲を見つけられればさらに楽しいでしょう。

ちなみに雲を専門に研究する学問として「雲学」や「雲物理学」が存在し、世界気象機関(WMO)が国際雲図帳を10年単位で改訂しているほど奥の深い分野です。空を見上げる習慣をつけると、天気の予測や季節の変化にも気付きやすくなります。

雲だけでなく、空にはまだ解明しきれない不思議な現象がたくさんあります。興味がわいたら世界の不思議な気象現象15選もあわせてどうぞ。

明日からの通勤・通学のときに、ぜひ空を見上げて雲の種類を見分けてみてください。

【番外編】“コミケ雲”――人の熱気でできる雲

最後に、正式な24分類には含まれない“番外編”の雲を紹介します。同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」の会場で発生するとされる、通称「コミケ雲」です。

夏のコミケには数十万人が集まります。大勢の人が発する体温と、呼吸や汗による大量の水蒸気で、会場内の空気は高温多湿になります。この暖かく湿った空気が上昇し、天井付近の冷たい空気や空調で冷やされた部分に触れると、水蒸気が細かな水滴に変わって白くかすむ――これが「コミケ雲」と呼ばれる現象です。

仕組みは、空にできる雲とまったく同じです。暖かく湿った空気が上昇して冷やされ、露点を下回ると水蒸気が凝結する。屋外なら雲、屋内なら霧やもや、という違いだけです。冬に吐く息が白くなるのも、同じ原理で説明できます。

ただし「コミケ雲」は気象学の正式な用語や分類ではなく、来場者のあいだで語られる俗称です。会場全体が雲で覆われるというより、局所的に空気が白くかすむ・カメラのレンズが曇るといった形で体感されることが多いようです。それでも「人の集まりが天気をつくる」という発想は、雲のしくみを身近に感じさせてくれます。

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