
日本には現在、野外に定着している外国由来の生き物が2,000種を超えるといわれています。そのうち生態系や人の生活に深刻な被害をもたらす種は「特定外来生物」として法律で規制され、2026年時点で160種以上が指定されています。この記事では、日本で問題になっている外来種73種を哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類・昆虫・植物・水生生物のカテゴリ別に一覧で紹介し、外来種問題の原因・影響・取り組みをまとめて解説します。
外来種とは?
外来種・特定外来生物の定義
「外来種」とは、もともとその地域に生息・生育していなかったにもかかわらず、人間の活動によって意図的・非意図的に持ち込まれた生き物のことです。国内に生息する在来種と区別して「外来生物」とも呼ばれます。
外来種の中でも、特に生態系・農林水産業・人の生命に害を及ぼすおそれがあると判断された種は、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律、2005年施行)に基づいて「特定外来生物」に指定されます。指定された種の飼育・輸入・野外への放出は原則として禁止されます。
また、環境省と農林水産省は2015年に「生態系被害防止外来種リスト」を策定し、特定外来生物の指定有無にかかわらず対策が必要な外来種を整理しています。
日本での外来種問題の深刻さ
日本の野外に生息・生育する外来種は2,000種を超えており、そのうち特に影響が大きいものを日本生態学会が「日本の侵略的外来種ワースト100」として選定しています。国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」にも、ブラックバス・マングース・カダヤシ・アルゼンチンアリなど日本に定着している種が複数含まれています。
被害は生態系の破壊にとどまらず、農業・水産業・人の健康にも及びます。アライグマによる農作物被害だけでも全国で4億5,000万円超(農林水産省、2022年度)にのぼり、世界全体では外来種による経済的損失が年間少なくとも4,230億ドル(約62兆円)に達するという試算もあります(2023年・国際研究報告)。
日本の外来種一覧(主要73種)
哺乳類(13種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| アライグマ | 北米 | ペットとして輸入され野生化。農作物・建物への被害が深刻で年間被害額は全国で5億円超 | 特定外来生物 |
| ヌートリア | 南米 | 毛皮目的で持ち込まれたネズミの仲間。河川堤防を掘り崩し、農作物も食害する | 特定外来生物 |
| フイリマングース(ジャワマングース) | 南アジア | ハブ駆除名目で奄美・沖縄に導入。アマミノクロウサギなど希少種を逆に捕食 | 特定外来生物 |
| タイワンザル | 台湾 | 展示用・実験用として持ち込まれ逸出。ニホンザルと交雑し遺伝子汚染が問題に | 特定外来生物 |
| カニクイザル | 東南アジア | 研究目的で輸入。ニホンザルとの交雑のおそれがある | 特定外来生物 |
| クリハラリス(タイワンリス) | 台湾・中国南部 | 観賞用として輸入。樹皮を剥ぎ取り果樹や電線を傷つける | 特定外来生物 |
| トウブハイイロリス | 北米東部 | 愛玩目的で飼育されたものが逸出。樹木の樹皮を食害する | 特定外来生物 |
| アメリカミンク | 北米 | 毛皮用養殖から逸出。水鳥の卵・在来の水生生物を捕食する | 特定外来生物 |
| マスクラット | 北米 | 毛皮用養殖から逸出。水辺の植物や魚類・貝類を食べ河岸も掘り崩す | 特定外来生物 |
| キョン | 中国南部・台湾 | 観光牧場から逃走し千葉県・伊豆大島で野生化。農作物・植物への被害が拡大中 | 特定外来生物 |
| フクロギツネ | オーストラリア | ペット用で国内侵入が確認。農作物・野鳥を捕食するおそれ | 特定外来生物 |
| カイウサギ(ノウサギ) | ヨーロッパ | 離島などで野生化し植物を食い荒らし、在来植生を破壊するケースがある | 要注意外来種 |
| ノネコ(野良猫・放し飼い猫) | 世界各地 | 離島の希少鳥類・爬虫類を捕食。奄美大島での被害が深刻 | 生態系被害防止外来種 |
鳥類(7種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| ガビチョウ | 中国・東南アジア | かご鳥として輸入。繁殖力が強く在来の小鳥の繁殖を妨げる | 特定外来生物 |
| ソウシチョウ | 中国・インド | 観賞用かご鳥。山林に定着し在来のウグイスなどと競合する | 特定外来生物 |
| カオグロガビチョウ | 中国南部 | かご鳥由来。生態や問題点はガビチョウに類似 | 特定外来生物 |
| カナダガン | 北米 | 公園の池などで定着。大型で糞による水質悪化・植生破壊が問題 | 特定外来生物 |
| シリアカヒヨドリ | 東南アジア | 沖縄で定着。在来のヒヨドリと競合するおそれがある | 特定外来生物 |
| コジュケイ | 中国 | 狩猟目的で放鳥し定着。在来種との競合が懸念される | 要注意外来種 |
| ドバト(カワラバト) | ヨーロッパ・中東 | 伝書鳩・食用として持ち込まれ都市に定着。糞による建物汚染・感染症リスク | 生態系被害防止外来種 |
爬虫類(7種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| グリーンアノール | カリブ海諸島 | 小笠原に侵入。在来昆虫・クモ・トカゲ類を捕食し多くの固有種を絶滅の危機に追い込んだ | 特定外来生物 |
| アカミミガメ(ミシシッピアカミミガメ) | 北米 | ゼニガメの通称でペット用に大量輸入。池・河川に定着し在来のイシガメを駆逐 | 条件付特定外来生物 |
| カミツキガメ | 北米 | ペット由来。非常に攻撃的で人体への危険もあり、在来の水鳥・魚類を捕食 | 特定外来生物 |
| ハナガメ | 中国・ベトナム | 食用・観賞目的で輸入。ニホンイシガメと交雑し遺伝子汚染を引き起こす | 特定外来生物 |
| タイワンスジオ | 台湾 | ペット由来で一部地域に定着。在来の小動物・鳥の卵を食べる | 特定外来生物 |
| タイワンハブ | 台湾 | 毒ヘビ。琉球列島での侵入が懸念されている | 特定外来生物 |
| スウィンホーキノボリトカゲ | 台湾 | 観賞用ペット由来。沖縄などで野生化が報告されている | 特定外来生物 |
両生類(5種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| ウシガエル | 北米 | 食用として輸入。在来のカエル・魚・水生昆虫を大量に捕食する | 特定外来生物 |
| オオヒキガエル | 中南米 | 農業害虫駆除目的で導入。皮膚に強力な毒を持ち、捕食した動物が中毒死する | 特定外来生物 |
| シロアゴガエル | 東南アジア | 沖縄・九州南部で繁殖。在来のアマミイシカワガエルなど固有種と競合する | 特定外来生物 |
| アフリカヒキガエル | アフリカ | ペット由来。2024年7月から特定外来生物に新規指定 | 特定外来生物 |
| プレーンズヒキガエル | 北米 | ペット用として流通。生態系への影響が懸念される | 特定外来生物 |
魚類(10種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| オオクチバス(ブラックバス) | 北米 | 釣り目的で放流・拡散。ニゴロブナなど在来魚・水生昆虫を大量捕食し琵琶湖の漁獲量を激減させた | 特定外来生物 |
| コクチバス | 北米 | オオクチバスと同様に在来魚を捕食。主に河川・渓流系に分布を拡大 | 特定外来生物 |
| ブルーギル | 北米 | 食用目的で導入後に各地の池・湖沼に拡散。産卵巣を守る習性で在来魚の接近を妨害する | 特定外来生物 |
| チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ) | 北米 | 食用目的で輸入。霞ヶ浦で爆発的に増殖しワカサギ・テナガエビを激減させた | 特定外来生物 |
| カダヤシ | 北米 | ボウフラ駆除目的で放流。メダカと同じ水環境に定着しメダカを駆逐した | 特定外来生物 |
| オオタナゴ | 中国・朝鮮半島 | 観賞・食用目的で輸入。在来のタナゴ類と産卵場所(二枚貝)を奪い合う | 特定外来生物 |
| タイリクバラタナゴ | 中国大陸 | 観賞目的で輸入。在来のタナゴ類と交雑し遺伝子汚染を引き起こす | 生態系被害防止外来種 |
| ニジマス | 北米 | 養殖・釣り目的で各地に放流。河川上流部でイワナ・ヤマメと競合する | 要注意外来種 |
| ソウギョ | 中国 | 水草駆除目的で放流。水生植物を食い尽くし水中の生態系を一変させる | 生態系被害防止外来種 |
| ガー科(フロリダガー等) | 北米・中米 | 観賞魚として輸入。凶暴な大型淡水魚で2018年に特定外来生物に指定 | 特定外来生物 |
昆虫・クモ・その他節足動物(13種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| ヒアリ | 南米 | 2017年に国内初確認。強い毒針を持ち、刺されるとアナフィラキシーショックで死亡例もある | 特定外来生物 |
| セアカゴケグモ | オーストラリア | 1995年に大阪で初確認。メスが毒を持ち人間への刺傷事例が多数発生 | 特定外来生物 |
| アルゼンチンアリ | 南米 | 1993年に広島で国内初確認。コロニーが超巨大で在来アリを駆逐する | 特定外来生物 |
| アカカミアリ | 南米 | ヒアリと同様に毒を持つ危険なアリ。港湾エリアで複数確認されている | 特定外来生物 |
| ツマアカスズメバチ | 東南アジア | 対馬に2012年定着確認。ミツバチの巣を集団で襲い養蜂業に深刻な被害 | 特定外来生物 |
| セイヨウオオマルハナバチ | ヨーロッパ | トマトなどの授粉用に輸入。野生化し在来のマルハナバチと競合・交雑する | 特定外来生物 |
| クビアカツヤカミキリ | 中国・朝鮮半島 | 2012年埼玉で初確認。幼虫がサクラ・モモ・ウメの幹内部を食い荒らす | 特定外来生物 |
| アカボシゴマダラ | 中国大陸 | 2000年代に関東で急増。意図的に放蝶されたとみられ在来のゴマダラチョウと競合 | 特定外来生物 |
| アメリカシロヒトリ | 北米 | 第二次大戦後に侵入。桜・プラタナスなど街路樹を大量食害する | 生態系被害防止外来種 |
| チャバネゴキブリ | アフリカ原産(熱帯地方) | 明治時代以降に侵入・定着。飲食物への汚染・アレルゲンとなる | 生態系被害防止外来種 |
| ハイイロゴケグモ | オーストラリア | セアカゴケグモの近縁。同様に毒を持つ | 特定外来生物 |
| イエシロアリ | 東南アジア | 木造建物の木材を集団で食い荒らす。在来のヤマトシロアリより被害が深刻 | 生態系被害防止外来種 |
| オンシツコナジラミ | 世界の熱帯・亜熱帯 | 温室野菜・花卉に寄生し農業施設に甚大な被害をもたらす | 生態系被害防止外来種 |
植物(13種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| オオキンケイギク | 北米 | 緑化目的で植栽。繁殖力が強く在来の草原植物を駆逐。開花期が美しいため誤って栽培する例も | 特定外来生物 |
| オオハンゴンソウ | 北米 | 観賞用に持ち込まれ山地・湿地に侵入。在来の野草との競争に強い | 特定外来生物 |
| アレチウリ | 北米 | 戦後に侵入。河川敷や荒地に急速に広がり在来植物を覆い尽くす | 特定外来生物 |
| オオフサモ | 南米 | 観賞用水草として輸入。湖沼・水路に繁茂し水中の光・酸素を遮断する | 特定外来生物 |
| ナルトサワギク | 地中海沿岸 | 牧草などに混入して侵入。家畜が食べると中毒死するアルカロイドを含む | 特定外来生物 |
| ボタンウキクサ | 南米 | 観賞用水草。水面を覆い尽くし水中の酸素を枯渇させ在来の水生植物を消滅させる | 特定外来生物 |
| ミズヒマワリ | 南米 | 水辺に侵入する大型草本。水路・湖沼に密生し水質悪化の原因になる | 特定外来生物 |
| セイタカアワダチソウ | 北米 | 戦後急速に拡大。秋の荒れ地・河川敷を黄色く染める一方でススキなど在来草原植物を駆逐 | 生態系被害防止外来種 |
| ナガミヒナゲシ | 地中海沿岸 | 春に橙色の花を咲かせ都市部で急増。アレロパシー(他感作用)で周囲の植物の成長を阻害する | 生態系被害防止外来種 |
| オオカナダモ | 南米 | 理科の実験植物として普及。池・河川に野生化し在来の水草を駆逐する | 生態系被害防止外来種 |
| ハルジオン | 北米 | 大正時代に観賞用として渡来。春の空き地・道端に大量繁殖する | 生態系被害防止外来種 |
| ハリエンジュ(ニセアカシア) | 北米 | 治山・緑化目的で植栽。在来の河畔林を侵食し土壌環境を変える | 生態系被害防止外来種 |
| ホテイアオイ | 南米 | 観賞用水草。水面を大規模に覆い水中の光合成を妨げ、魚・貝類が窒息する | 要注意外来種 |
水生生物・その他(5種)
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| 名前 | 原産地 | 特徴・問題点 | 指定区分 |
|---|---|---|---|
| ムラサキイガイ(ムール貝) | 南欧 | 船底付着で世界中に拡散。港湾の設備・漁具に付着し在来の二枚貝と競合する | 生態系被害防止外来種 |
| カワヒバリガイ | アジア・中国 | バラスト水で侵入。発電所・工場の取水設備に大量付着し機能停止を引き起こす | 特定外来生物 |
| アフリカマイマイ | 東アフリカ | 食用目的で沖縄に持ち込まれ野生化。広東住血線虫という寄生虫の中間宿主で人体への危険もある | 特定外来生物 |
| スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ) | 南米 | 食用目的で輸入された大型淡水巻き貝。稲の苗を食い荒らし水田農業に深刻な被害をもたらす | 要注意外来種 |
| チュウゴクモクズガニ(シナモクズガニ) | 中国・朝鮮半島 | バラスト水経由で侵入。在来のモクズガニと競合し漁業被害をもたらす | 要注意外来種 |
外来種はなぜ増える?日本への侵入経路
外来種が日本に定着する経路は大きく「意図的導入」と「非意図的侵入」の2種類に分かれます。
意図的導入
ペット・観賞・食用・農業利用を目的に人間が意図して持ち込んだケースです。アライグマはアニメ放映をきっかけにペットとして流行し、飼育困難になった個体が遺棄されて野生化しました。ウシガエル・ブルーギルは食用目的で持ち込まれ、ジャワマングースはハブ駆除のために沖縄・奄美に意図的に放されました。しかし、どれも当初の目的通りにはいかず、かえって生態系への被害を拡大させた例です。
非意図的侵入
コンテナ貨物・輸送資材・農産物への混入、船舶のバラスト水(バランスを保つために積み込まれた海水)が主な経路です。カワヒバリガイ・ムラサキイガイはバラスト水に含まれた幼生が日本の港湾に放出されて定着しました。ヒアリはコンテナ内部に潜んで2017年に兵庫県神戸港で初確認されています。セアカゴケグモも輸入資材に卵嚢が混入して1995年に大阪で発見されました。
移動手段の発展による拡散加速
航空機・コンテナ船による国際物流の爆発的な拡大が、外来種の侵入リスクを飛躍的に高めています。日本は野生生物の輸入大国であり、2004年だけで6億4,000万体以上の生き物が輸入されたとされています(WWF調査)。輸入されたものすべてが問題になるわけではありませんが、適切な検疫・管理なしでは、わずか1個体の逸出が取り返しのつかない問題を生み出す危険性があります。
外来種が生態系・社会に与える影響
在来種の駆逐
外来種が在来種を脅かす方法は主に3つです。①直接捕食(アライグマがサギの巣を荒らす、グリーンアノールが昆虫を食べ尽くすなど)、②食料・生息地の競合(ブルーギルが在来魚と産卵場所を争う、セイタカアワダチソウが在来草原植物を覆い尽くすなど)、③交雑による遺伝子汚染(タイワンザルとニホンザル、アカミミガメとニホンイシガメなど)。小笠原のグリーンアノールは、固有の昆虫種を次々と絶滅に追い込んだ深刻な例として知られています。また、外来種が持ち込む病原菌・寄生虫が在来種に感染することもあります。
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農業・水産業への被害
アライグマによる農作物被害は全国で4億5,000万円超(農林水産省、2022年度)。スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は稲の苗を食い荒らし、西日本の水田農家に毎年多大な被害をもたらします。チャネルキャットフィッシュが定着した霞ヶ浦ではワカサギ・テナガエビの漁獲量が激減し、湖の漁業が壊滅的な打撃を受けました。また、ツマアカスズメバチは対馬のミツバチの巣を集団で襲い、養蜂業を危機に陥れています。
人の健康・安全への影響
ヒアリの毒針は強い痛みと腫れを引き起こし、体質によってはアナフィラキシーショックで死に至ります。セアカゴケグモも毒を持つメスによる刺傷事例が全国で報告されています。アフリカマイマイは広東住血線虫の中間宿主で、生食すると髄膜炎を引き起こすおそれがあります。
外来種問題への取り組み
外来生物法(2005年施行)
2005年6月に施行された「外来生物法」が、日本の外来種対策の根幹です。「特定外来生物」に指定された種については、飼育・輸入・野外放出・譲渡などが原則禁止されます。違反した場合は個人で3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
当初37種でスタートした特定外来生物の指定数は拡充が続いており、2024年7月にはアフリカヒキガエルが新たに追加されるなど、随時更新されています。
生態系被害防止外来種リスト(2015年)
環境省・農林水産省が共同で策定したリストで、特定外来生物の指定有無にかかわらず、生態系等への被害をもたらすおそれのある外来種を整理しています。「重点対策外来種」「総合対策外来種」「定着予防外来種」の3段階で対策の優先度を整理しています。
防除・駆除活動の事例
- 奄美大島のマングース根絶計画:2000年代から大規模なわな捕獲が続けられ、2024年に根絶が宣言されました(環境省)。希少種アマミノクロウサギの保護に大きく貢献した成功事例です
- 小笠原のグリーンアノール防除:父島でわな・捕獲器を大量設置し個体数を大幅に削減。固有昆虫の回復が確認され始めています
- ヒアリの水際検疫強化:国内港湾でのモニタリング・防除が継続され、早期発見・早期駆除を徹底しています
個人でできる「外来種被害予防三原則」
環境省が提唱する次の3点が、個人レベルの対策の基本です。
1. 入れない:問題のある外来種を野外に持ち込まない
2. 捨てない:飼っているペット・観賞植物を野外に放出・投棄しない
3. 拡げない:すでに定着している外来種を別の地域に持ち出さない
まとめ
日本に定着した外来種73種を紹介しました。外来種問題は、生態系の破壊・農林水産業への損失・人の健康被害と、社会全体に広く影響します。外来生物法に基づく特定外来生物の指定・防除が進む一方で、新たな種の侵入も続いています。ペットや観賞植物を適切に管理し、野外に放出しないことが、私たち一人ひとりにできる最も重要な対策です。












