日本語の誤用一覧|役不足・確信犯など間違いやすい言葉104選

「役不足」を「力不足」の意味で使っていませんか?「確信犯」を「わかってやっている人」と思っていませんか?日本語には、広く普及しているのに実は本来の意味と正反対で使われている言葉が数多くあります。この記事では、意味の誤用40語・言い回しの誤用15語・読み方の誤り25語・使い分けが難しい言葉24語の計104語を一覧にまとめました。知っておくとスピーチや文章の品格がぐっと上がります。

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意味を間違えやすい言葉・慣用句40語

「本来とは逆の意味で使われている」パターンが最多です。文化庁の「国語に関する世論調査」でも、多くの人が誤用と知らずに使っていることが明らかになっています。

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言葉・表現 ✗ よくある誤用 ○ 本来の正しい意味
役不足 力不足で役目が重すぎる その人の能力に対して役割が軽すぎる
確信犯 わかってやっている人・故意犯 自分の行為が正しいと信念に基づいて行う犯罪・犯人
破天荒 豪快・型破りな人物 誰も達成したことがない前人未到の快挙
煮詰まる 行き詰まって思考停止する 議論が熟して結論が出そうになる
穿った見方(うがった) ひねくれた・偏った見方 物事の本質を鋭く見抜く見方
情けは人のためならず 情けをかけると相手のためにならない 人に情けをかけると回り回って自分のためになる
流れに棹さす 流れに逆らう・妨げる 流れに乗ってさらに勢いを増す
敷居が高い レベルが高くて入門しにくい 相手に負い目があって訪れにくい
失笑 笑う気にもなれないほどあきれる おかしくて思わず笑いがこぼれる
憮然(ぶぜん) 腹を立てている・怒った様子 失望してどうすることもできない様子
姑息 ずるくて卑怯な その場しのぎの・一時的な
潮時 引き際・終わりの頃合い ちょうどよい時機・最適なタイミング
やぶさかでない 仕方なく受け入れる・渋々 喜んで〜する・〜するのを惜しまない
天地無用 上下どちら向きでも良い 上下を逆にしてはいけない
気が置けない 油断できない・気が抜けない 気を遣わなくてよい、親しくて気楽な間柄
御の字 まあ合格・一応及第点 非常にありがたく感謝するほど十分な結果
奇特(きとく) 奇妙な・変わっている 行いが感心なほど素晴らしい
おもむろに 突然・急に ゆっくりと落ち着いて・静かに
号泣 声を出さずに涙を流す 大声を上げて泣くこと
さわり 出だし・冒頭・前置き 一番の聞かせどころ・見せ場(浄瑠璃の山場が語源)
爆笑 一人でも大笑いする 大勢が一度にどっと笑うこと
鳥肌が立つ 感動・感激する(肯定的) 寒さや恐怖で肌が粟立つ(否定的な生理反応
砂を噛むよう 歯がゆい・もどかしい まったく味わいがない・むなしい様子
一姫二太郎 子は女1人・男2人が理想 最初が女の子・次が男の子が育てやすくて理想
世界観 作品の雰囲気・設定・世界 世界全体についての哲学的な見方(漢語由来の学術語)
雨模様 雨が降っている状態 今にも雨が降りそうな曇り空の様子(まだ降っていない)
檄を飛ばす 励ます・元気づける 自分の主張を広く知らせる文書を送り回す
他力本願 他人任せ・人頼み 阿弥陀仏の本願の力で成仏を目指す(仏教語)
言語道断 言葉でも言えないほど怒っている もってのほか・非常識で話にならない
斜に構える ひねくれた・批判的な態度 真剣に身構える・正式な構えを取る(本来は肯定的)
白羽の矢が立つ 優れた者が選ばれること 生贄の候補として選ばれること(ポジティブとは限らない)
青田買い 採用後すぐ戦力化できる人を採る 稲が実る前に田ごと買う→将来性を見込んで早期確保
煮え湯を飲まされる 突然の裏切りに遭う 信頼していた人に予想外の仕打ちを受ける
げんなり あきれ果てる 疲れ果てて元気がなくなる様子
弱冠(じゃっかん) 若い・若年 本来は20歳の男性を指す言葉(「弱冠25歳」は本来の誤用)
一笑に付す 大笑いする 真剣に取り合わず軽くあしらうこと
嗜む(たしなむ) 専門的に習っている・得意とする 趣味の程度に楽しむ・心得がある
暫定(ざんてい) 当分の間の 正式決定まで仮に定めること
苦汁をなめる 苦渋(くじゅう)をなめる 苦汁(にがじる)をなめる=苦しい経験をする
相好を崩す 顔つきが険しくなる 笑顔になる・ほころぶ(相好=顔の表情)

言い回しの誤用15語

言葉の組み合わせを間違えているパターンです。慣用句を正確に覚えることで文章の信頼度が上がります。日本語のことわざ・慣用句をもっと知りたい方は日本のことわざ・慣用句一覧|テーマ別359選もあわせてどうぞ。

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誤った表現 正しい表現 ポイント
汚名挽回 汚名返上 / 名誉挽回 汚名は「返す」もの、挽回するのは「名誉」
的を得る 的を射る 矢で「的を射る」が正しい(正鵠を射るとも)
二の轍を踏む 二の舞を演じる / 轍を踏む 二の舞と轍を踏むは別々の慣用句
怒り心頭に発する 怒り心頭に達する 「心頭」に「達する」のが正しい表現
押しも押されぬ 押しも押されもしない 「押しても押されても」の意味なので両方必要
間髪を入れず 間髪(かんぱつ)を入れず 間(かん)+髪(はつ)で読む・「ま、かみ」と切らない
言わずもがな 言わずもがな 「言わなくてよい」の意(「言わずと知れた」と混同注意)
苦肉の策(誤解) 苦肉の策 本来は「自分を傷つけて敵を欺く計略」。ただの苦し紛れの策とは異なる
役者が足りない 役者不足 ではなく 力量不足 役者が足りない≠役者不足(役不足と混同)
功を奏する 通常正しいが「奏功」との混同 「功を奏する」「奏功する」どちらも可・「功を成す」は別義
取りつく島もない 取りつく島もない 「とっつく」ではなく「とりつく」が正しい読み
人口に膾炙する(かいしゃ) 人口に膾炙する 「なますとあぶり肉が人々の口に広まる」→広く知られる
詰めが甘い 正しい 「詰め」は将棋の「王手詰め」から(誤解されやすいが正しい慣用句)
気が置けない関係 気の置けない関係 主語は「気」・「気が置けない」は一語で誤用されやすい
枯れ木も山のにぎわい 正しい慣用句 「取るに足らないものでも無いよりマシ」の意(肯定ではなく謙遜表現)
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読み方を間違えやすい言葉25語

テレビや会話でよく聞く誤読です。NHKや文化庁が指摘している事例を中心にまとめました。

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言葉 ✗ よくある誤読 ○ 正しい読み 補足
雰囲気 ふいんき ふんいき ふ→ん→い→き の順が正しい
凡例 ぼんれい はんれい 「凡」の音読みはハン
情緒 じょうしょ じょうちょ 「緒」はチョ/ショ両読みあるがここはチョ
代替 だいがえ だいたい 代替(だいたい)案、代替(だいがえ)は俗読み
言質 ことじち げんち 「言(げん)+質(ち)」
御用達 ごようたつ ごようたし 本来は「たし(足し)」から
一段落 いちだんらく ひとだんらく 仕事が一段落(ひとだんらく)した、が本来
固唾 こだず かたず 「固唾を飲む」は緊張する様子
貼付 はりつけ・てんぷ ちょうふ ファイルを「貼付(ちょうふ)する」
早急 そうきゅう さっきゅう ただし「そうきゅう」も慣用的に許容されつつある
世論 せろん よろん ただし「せろん」もNHKなどで使用
口腔 こうこう こうくう 歯科・医療の場面でよく聞く
相殺 あいころし そうさい 「相(そう)殺(さい)」
重複 ちょうふく じゅうふく 「ちょうふく」も慣用的に許容されつつある
続柄 ぞくがら つづきがら 「ぞくがら」も広まっているが本来は「つづきがら」
漸次 ぜんだい ぜんじ 「漸(ぜん)次(じ)」=順を追って少しずつ
貪欲 たんよく どんよく 「貪(どん)」が正しい音読み
砥石 とうし といし 刃を研ぐ石
義援金 ぎじょうきん ぎえんきん 被災地支援の「義援金」
意気地 いくじ いきじ 「意気地のない」の本来の読みは「いきじ」
失笑 しつしょう しっしょう 促音「っ」が入る
十把一絡げ じゅっぱひとからげ じっぱひとからげ 「十(じっ)」が本来(じゅっは許容)
月極 つきごく つきぎめ 駐車場の「月極(つきぎめ)」
乾坤一擲(けんこんいってき) けんこんいちてき けんこんいってき 促音あり
奥義 おくぎ おうぎ 武道・芸道の「奥義(おうぎ)」

使い分けが難しい言葉24語

似ているようで意味が異なる言葉のペアです。状況に応じて正しく使い分けましょう。なお、日常語や略語の意外な正式名称については日本語の略語138語一覧も参考になります。

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言葉ペア 違いと使い分け
以下未満 「以下」はその数を含む(5以下=5も含む)。「未満」は含まない(5未満=4.999...まで)
以上超える 「以上」はその数を含む(5以上=5も含む)。「超える」は含まない
以後以降 ほぼ同義だが、「以後」は口語・日常語、「以降」は書き言葉で多用
収める納める 収める=片付ける・成功させる。納める=税金・商品などを届ける・支払う
治める修める 治める=国や土地を統治する。修める=学問や行いを磨く
計る測る量る 計る=時間・数を数える。測る=長さ・距離。量る=重さ・体積
合う会う 合う=ぴったりする・一致。会う=人と対面する
変える替える換える 変える=性質を変化させる。替える=別のものに代える。換える=交換する
聞く聴く 聞く=自然に耳に入る。聴く=意識して注意深く聞く
見る観る 見る=一般的に使う。観る=映画・芝居など鑑賞する場合
言う云う 現代では「言う」が一般的。「云う」は古文・引用的表現
おそらくたぶん おそらく=90%程度の確信。たぶん=70〜80%程度
だいたいおおよそ ほぼ同義。「おおよそ」がやや書き言葉・フォーマル
なぜならというのも なぜなら〜からだ(後ろに理由)。というのも〜からだ(同様の構造)
のにくせに のに=中立的な逆接。くせに=非難・批判のニュアンスを含む
如何(いかん)如何(いかが) 如何(いかん)=どうであるか(「時に如何によっては」)。如何(いかが)=どうですか
食べられる食べれる 「食べられる」が正しい可能形。「食べれる」はら抜き言葉(誤用)
着られる着れる 「着られる」が正しい。「着れる」はら抜き言葉
来られる来れる 「来られる」が正しい。「来れる」はら抜き言葉
ならないいけない 「〜なければならない」「〜してはいけない」で使い分ける(単独では同じ禁止・義務の意)
全然 +否定 「全然〜ない」が規範的だが「全然大丈夫」など肯定形は明治以降の使用例も存在(文化庁も容認傾向)
的を射る正鵠を射る 「的(まと)を射る」と「正鵠(せいこく)を射る」はどちらも正しい表現
大義名分理由・口実 大義名分=行動を正当化する公的な根拠。単なる「理由」より格式のある語
一石二鳥一挙両得 ほぼ同義。一石二鳥は英語由来(kill two birds with one stone)の翻訳語
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まとめ

「役不足」「確信犯」「煮詰まる」など、本来の意味と逆に使われている日本語は数多くあります。今回は意味・言い回し・読み方・使い分けの4カテゴリで104語を紹介しました。誤用の多くは文化庁の調査でも半数以上の人が間違えている言葉です。「間違いが広がりすぎて正用扱いになった」語も一部ありますが、正しい意味を知ったうえで使うのと、知らずに使うのでは大きな差があります。スピーチや文章の場で自信を持って使えるよう、気になった言葉から確認してみてください。

腕試しクイズ(全5問)

腕試しクイズ(全5問)|日本語の誤用
全5問。「採点する」で正解数と解説が表示されます。
第1問 「役不足」の本来の意味はどれでしょう?

第2問 「流れに棹さす」の本来の意味はどれでしょう?

第3問 「潮時」の本来の意味はどれでしょう?

第4問 「姑息」の本来の意味はどれでしょう?

第5問 「おもむろに」の本来の意味はどれでしょう?

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参考・出典

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