
日本には古来から数多くの妖怪が伝わり、絵巻・草紙・民間伝承として今に受け継がれています。本記事では、誰もが知る有名妖怪から各地に根ざしたマイナーな存在まで、鬼・動物妖怪・水辺・山・女性・異形・付喪神・幽霊など10分類で150種を一覧にまとめました。各妖怪の読み方と特徴をまとめて確認できます。各妖怪の由来・伝承を深掘りしたい方は「日本の妖怪まとめ20選」もあわせてご覧ください。
妖怪一覧の見方
以下の各テーブルは「妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント」の3列で構成しています。種類別に分類しているので、目的の妖怪が見つかりやすいようになっています。同じ妖怪が地域によって別名を持つ場合は、括弧内に代表的な別名を記載しています。
鬼・悪鬼系の妖怪(15種)
角と金棒を持つ「鬼」をはじめ、仏教由来の悪霊や地獄の使者など、最も古くから伝わる妖怪の類です。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 鬼 | おに | 赤・青など色違いで知られる日本最強の悪霊。節分に豆を撒かれる |
| 赤鬼 | あかおに | 赤い体・角・金棒。地獄の番人または人間の心の怒りを象徴する |
| 青鬼 | あおおに | 青い体の鬼。赤鬼の相棒として知られ、本来は人間を欺く役も担う |
| 酒呑童子 | しゅてんどうじ | 大江山に棲む鬼の頭領。源頼光・四天王に討伐された最強の鬼 |
| 茨木童子 | いばらきどうじ | 酒呑童子の最強の配下。羅生門で腕を切られた伝説でも有名 |
| 天邪鬼 | あまのじゃく | 人の言葉や行動に逆らうひねくれた小鬼。「天探女」とも書く |
| 夜叉 | やしゃ | 仏教に由来する悪鬼。男・女の2種があり、人を喰らうとされる |
| 羅刹 | らせつ | 夜叉と同じく仏教由来の鬼神。「羅刹国」は女人国の別名とも |
| 鬼婆 | おにばば | 山に棲む恐ろしい老婆の鬼。旅人を喰らい若さを保つとされた |
| 牛頭 | ごず | 牛の頭を持つ地獄の獄卒。馬頭とペアで地獄の番人を務める |
| 馬頭 | めず | 馬の頭を持つ地獄の獄卒。牛頭とともに亡者を責め立てる |
| 閻魔大王 | えんまだいおう | 死者の生前の罪を裁く地獄の王。嘘をつくと舌を抜かれるという |
| 大嶽丸 | おおたけまる | 鈴鹿山に棲む巨大な鬼神。坂上田村麻呂に討伐されたと伝わる |
| 前鬼 | ぜんき | 役小角(えんのおづぬ)に使役された夫婦の鬼の夫。義覚と記す書も |
| 後鬼 | ごき | 役小角に使役された夫婦の鬼の妻。義賢とも。今も奈良に子孫が伝わる |
動物から化けた妖怪(18種)
動物が長い年月を経て変化した妖怪群です。神の使いと妖怪の境目が曖昧な存在も多くいます。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 九尾の狐 | きゅうびのきつね | 尾が9本の最強の妖狐。玉藻前(たまものまえ)として知られる |
| 化け狐 | ばけぎつね | 老いた狐が人・動物・物に化ける。稲荷神の使いとしての側面も持つ |
| 化け狸 | ばけたぬき | 人や物に化けて人間を騙す。阿波狸合戦など各地に伝説が残る |
| 猫また | ねこまた | 長年飼われた猫が二股になり変化した妖怪。主人の命を奪うとされた |
| 化け猫 | ばけねこ | 変化した猫の妖怪の総称。幽霊と合体して踊り場に現れる怪談も多い |
| 犬神 | いぬがみ | 犬を使った呪術の霊。四国・九州に「犬神持ち」の家が伝わる |
| 鵺 | ぬえ | 頭は猿・胴は狸・手足は虎・尾は蛇の合成獣。源頼政に退治された |
| 牛鬼 | うしおに | 牛の頭を持つ凶悪な怪物。磯に現れ人を引き込む。西日本に分布 |
| 土蜘蛛 | つちぐも | 大きなクモの妖怪。源頼光が討伐した伝説が最も有名 |
| 絡新婦 | じょろうぐも | 長年生きたクモが化けた美女。橋の下や古い家に現れる |
| 姑獲鳥 | うぶめ | 出産で死んだ産婦の霊。子を抱いて夜の辻に立ち、赤子を渡そうとする |
| 八岐大蛇 | やまたのおろち | 8つの頭と尾を持つ巨大蛇神。スサノオに倒され剣(草薙剣)が生まれた |
| 龍 | りゅう | 水を司る神・妖怪。池・川・海に棲み、怒ると大雨や洪水を起こすとされる |
| 猩猩 | しょうじょう | 酒を好む赤毛の怪物。顔が人に似た海中の生き物。能の演目にも登場 |
| 狢 | むじな | タヌキまたはアナグマが化けた妖怪。つるつる顔の「のっぺらぼう」に化けたとも |
| 鎌鼬 | かまいたち | 旋風に乗って現れ鋭い鎌で人を切りつける。傷口は痛みなく血が出ない |
| 大百足 | おおむかで | 巨大なムカデの妖怪。俵藤太が三上山の大百足を退治した伝説が有名 |
| 野衾 | のぶすま | ムササビが化けた妖怪。夜に滑空して顔に張り付き気を奪うとされる |
水辺・海の妖怪(14種)
川・池・海などの水辺に現れる妖怪です。水難を起こしたり、人を水中へ引き込んだりするものが多くいます。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 河童 | かっぱ | キュウリを好む日本を代表する水の妖怪。頭の皿が乾くと力を失う |
| 海坊主 | うみぼうず | 嵐の夜の海に現れる巨大な黒い影。船を転覆させるとされる |
| 人魚 | にんぎょ | 上半身は人・下半身は魚。食べると不老不死になるという伝説も持つ |
| 磯女 | いそおんな | 海辺の岩場に現れる長い黒髪の女。船を難破させ人を引き込む |
| 舟幽霊 | ふなゆうれい | 海難事故で死んだ者の霊。柄杓を求め、与えると海水を注いで船を沈める |
| 濡れ女 | ぬれおんな | 海辺に現れる女の頭と蛇の胴を持つ妖怪。赤子を抱いている場合も |
| 川赤子 | かわあかご | 川辺から赤ちゃんの泣き声がすると伝わる水辺の妖怪 |
| 水虎 | すいこ | 河童の一種でより凶暴とされる。人を溺れさせ臓腑を抜くと伝わる |
| 不知火 | しらぬい | 有明海などに現れる怪火。古来から海の妖異として恐れられた |
| 海座頭 | うみざとう | 鳥山石燕の百鬼夜行に描かれた海の盲目の坊主。舟人に現れる |
| 大鯰 | おおなまず | 地中で暴れて地震を起こすと信じられた巨大ナマズの妖怪 |
| ひょうすべ | ひょうすべ | 九州に伝わる河童の一種。ひょうすんべとも。特に球磨地方の伝承が有名 |
| 蜃 | しん | 巨大なハマグリ(または竜の一種)が吐き出す気が蜃気楼(海市)を作る |
| 海月坊主 | くらげぼうず | 鳥山石燕の妖怪絵に登場する、クラゲの頭を持つ海の坊主の妖怪 |
山・森の妖怪(14種)
山林・深山・廃寺など、人里離れた場所に棲む妖怪群です。天狗や神の使いとしての性質を持つものも多くいます。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 天狗 | てんぐ | 山に棲む翼を持つ高慢な妖怪の総称。剣術・神通力を持つとされる |
| 大天狗 | だいてんぐ | 赤顔・高い鼻・白い羽団扇が特徴の天狗。鞍馬天狗が有名 |
| 烏天狗 | からすてんぐ | カラスの嘴と黒い翼を持つ天狗。大天狗の配下として群れる |
| 山童 | やまわろ | 九州に伝わる山の妖怪。冬は山童(やまわろ)・夏は川に下りて河童に変化するという |
| 山姫 | やまひめ | 深山に棲む美しい女性の妖怪。見た者はうつろになるとされる |
| 山彦 | やまびこ | やまびこ(こだま)を起こす山の精霊。人の声を繰り返すとされた |
| 木霊 | こだま | 古木に宿る精霊。木を切ると祟りをなす。声が返ってくる現象の原因とされた |
| 見越し入道 | みこしにゅうどう | 山道や夜の辻に現れる急に大きくなる入道坊主。見上げるほど大きくなる |
| 大入道 | おおにゅうどう | 見越し入道と同系の巨大な坊主の妖怪。見下ろすと小さくなるともいう |
| 岩魚坊主 | いわなぼうず | 渓流のイワナが化けた坊主。釣り上げると翌朝坊主に化けて命を奪うとも |
| 長壁姫 | おさかべひめ | 姫路城の天守閣最上階に棲む白鷺が化けたとも伝わる城の主 |
| 天狗倒し | てんぐだおし | 山中で木が倒れる音や木を切る音が響く怪現象。天狗の仕業とされた |
| おとろし | おとろし | 神社の鳥居に潜む毛むくじゃらの妖怪。邪心を持つ者を食らうという |
| 野槌 | のづち | 胴体が太く短い蛇のような妖怪。山野を転がるように走り人を狙う |
人家・里の妖怪(15種)
人の住む家や村・道端に現れる妖怪です。福をもたらすものから害をなすものまで様々です。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 座敷童子 | ざしきわらし | 岩手・東北に伝わる子供の姿の家の守り神。去ると一家が没落する |
| ぬらりひょん | ぬらりひょん | 老人の姿で家に入り込み茶を飲む妖怪の大将格。百鬼夜行の総大将とも |
| 枕返し | まくらがえし | 眠った人の枕を移動させる妖怪。頭の向きが変わるのがサイン |
| 豆腐小僧 | とうふこぞう | 赤い傘をさし豆腐を盆に乗せた小坊主の妖怪。取り立てて危害はない |
| 件 | くだん | 牛の体・人の顔を持つ予言獣。生まれてすぐ予言を告げ数日で死ぬとされる |
| 雪女 | ゆきおんな | 吹雪の夜に現れる白装束の美女。息で人を凍らせ命を奪う |
| 小豆洗い | あずきあらい | 川のそばで小豆を洗う「しゃきしゃき」という音を立てる妖怪 |
| 子泣き爺 | こなきじじい | 赤ちゃんの泣き声を出す老人の妖怪。抱き上げると重くなり動けなくなる |
| 砂かけ婆 | すなかけばばあ | 暗い場所で人に砂をかける老婆の妖怪。目くらましで驚かせる |
| べとべとさん | べとべとさん | 夜道で後ろから足音を立てて追いかけてくる妖怪。道を譲ると去る |
| すねこすり | すねこすり | 岡山に伝わる雨夜に足の間をすり抜ける小さな妖怪 |
| うわん | うわん | 廃屋に棲み「うわん!」という大声を出して驚かせる妖怪 |
| 油すまし | あぶらすまし | 肥後・熊本の峠道に現れる菅笠をかぶった妖怪。油に縁がある |
| 土用坊主 | どようぼうず | 土用の期間に田畑や山道に現れるとされる坊主頭の妖怪 |
| 小豆婆 | あずきばばあ | 小豆洗いとは別に伝わる、山中で小豆を挽く音を立て旅人を喰らう老婆 |
女性の妖怪(9種)
女性の姿をした、または強い女性的な属性を持つ妖怪群です。美しさ・嫉妬・執念が妖怪化したものが多くいます。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 山姥 | やまんば/やまうば | 山に棲む老婆の妖怪。旅人を喰らう残酷さと、子育て神話的な側面を持つ |
| 鬼女 | きじょ | 嫉妬や怨念で鬼の顔になった女。能の「道成寺」「鉄輪」で有名 |
| 般若 | はんにゃ | 嫉妬で鬼になった女の霊。能面の「般若面」に象徴される怨念の表れ |
| 橋姫 | はしひめ | 橋に宿る嫉妬深い女神。丑の刻参りの原形として平安時代から伝わる |
| 飛縁魔 | ひのえんま | 関わった男を次々と不幸にする宿命を持つ女の妖怪。火の縁の魔とも |
| 二つ口 | ふたつくち | 鳥山石燕の妖怪。髪の毛で後頭部を掻くと頭の後ろに口が現れる女 |
| 天女 | てんにょ | 天界から降りた羽衣を持つ美しい女性の霊。羽衣伝説で知られる |
| 川姫 | かわひめ | 川に棲む美しい女性の精霊。川の守り神または人を溺れさせる存在とも |
| 山女 | やまおんな | 東北に伝わる山中に棲む大柄な女の妖怪。山の神の使いとも怪異とも |
異形・大型の妖怪(14種)
人の形から大きく外れた、奇妙な姿を持つ妖怪群です。巨大・複数の目・首が伸びるなど外見が特徴的です。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 轆轤首 | ろくろくび | 眠ると首が長く伸びる女性の妖怪。意識なく伸びる型と首が飛ぶ型がある |
| 一つ目小僧 | ひとつめこぞう | 目が一つの小坊主の妖怪。毎年2月8日(事八日)に現れるとされた |
| 百目 | ひゃくめ | 全身に無数の眼球が生えた妖怪。鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」に収録 |
| 目目連 | もくもくれん | 古くなった障子や壁に無数の目が現れる妖怪。付喪神の一種とも |
| 手の目 | てのめ | 両手のひらに目がある妖怪。夜道に現れ旅人を驚かせる |
| のびあがり | のびあがり | 背後から急に背が伸びて見下ろしてくる妖怪。古い墓地に出るとされた |
| でいたらぼっち | でいたらぼっち | 一歩で山を跨ぐほど巨大な妖怪。富士山・諏訪湖を作ったという伝説も |
| 垢嘗め | あかなめ | 汚い風呂場に現れ垢を舐める妖怪。怠け者への戒めとして語られた |
| 天井嘗め | てんじょうなめ | 垢嘗めと同系の妖怪。古い家の汚れた天井を長い舌で嘗め尽くす |
| 大首 | おおくび | 空中に巨大な首だけが現れる妖怪。夜道や川上に出るとされた |
| ぬっぺっぽう | ぬっぺっぽう | 醜い肉塊のような妖怪。臭いが強烈で見た者を呆然とさせるとされる |
| 手長足長 | てながあしなが | 腕が異様に長い「手長」と足が異様に長い「足長」のペアの妖怪 |
| 高女 | たかおんな | 鳥山石燕に描かれた、灯の消えた夜に急激に背丈が伸びる女の妖怪 |
| 飛頭蛮 | ひとうばん | 首が胴体から離れて飛ぶ妖怪。中国の「飛頭蛮」が日本に伝わった |
付喪神・器物妖怪(11種)
古い道具や器物が百年の年月を経て霊力を宿したもの(付喪神)の一覧です。日本独自の「物にも魂が宿る」という観念を体現しています。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 傘おばけ | からかさおばけ | 古い傘が一つ目・一本足の妖怪に化けたもの。百鬼夜行の代表格 |
| 一反木綿 | いったんもめん | 鹿児島に伝わる夜空を飛ぶ布の妖怪。人の首に巻き付き窒息させる |
| 行灯坊 | あんどんぼう | 鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に収録された古い行灯が化けた妖怪 |
| 文庫小僧 | ふみこぞう | 古い文箱(書類入れ)が化けた妖怪。石燕の妖怪絵に登場する |
| 火車 | かしゃ | 死体を奪い地獄へ運ぶ炎の車の妖怪。葬儀の席に現れるとされた |
| 面霊気 | めんれいき | 鳥山石燕の妖怪。古い仮面が化けた付喪神。「能面」が素となるとも |
| 油赤子 | あぶらあかご | 鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」に描かれた、灯明の油を飲む赤子の妖怪 |
| 擂粉木坊 | すりこぎぼう | 古いすりこぎが化けた妖怪。「百器徒然袋」(石燕)に収録 |
| 琴古主 | ことふるぬし | 古い琴が化けた付喪神。石燕の「百器徒然袋」に登場する |
| 古雛 | ふるひいな | 古くなった雛人形が化けた妖怪。桃の節句が過ぎても飾り続けた雛が化ける |
| 甕長 | かめなが | 鳥山石燕の妖怪絵に収録された、長い首を持つ古瓶が化けた妖怪 |
幽霊・死霊・怨霊(13種)
死者の魂が現世に残り害をなす存在や、強い怨みを持って祟る霊の一覧です。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| 幽霊 | ゆうれい | 死者の魂が現世に残った存在の総称。白装束・逆さ三角巾が定番の姿 |
| 怨霊 | おんりょう | 強い恨みを持つ死者の霊。生前の恨みが祟りとなって周囲を害する |
| 生き霊 | いきりょう | 生きている人間の強い嫉妬・恨みが体から離れて相手を苦しめる霊 |
| 御霊 | ごりょう | 非業の死を遂げた者の霊が疫病・天変地異を起こすとされた怨霊 |
| 鬼火 | おにび | 深夜の墓場・山中に現れる怪火。死者の霊が火の玉に変じたとされる |
| 火の玉 | ひのたま | 青白く光る球状の怪火。鬼火と同系で墓地・湿地帯に出るとされた |
| 死神 | しにがみ | 人の命を奪いに来る霊的存在。江戸時代の落語「死神」で一般に広まった |
| 魑魅 | ちみ | 山林の古木・岩などに宿る精霊の妖怪。人に害をなすものを指す |
| 魍魎 | もうりょう | 水辺・山野に棲む精霊の妖怪。死体を食らうとされた中国由来の怪 |
| 平将門の霊 | たいらのまさかど | 討ち死にした武将の怨霊。首塚が東京・大手町に現存し祟り伝説がある |
| 崇徳院の怨霊 | すとくいん | 讃岐に配流後に死んだ崇徳天皇の強烈な怨霊。日本三大怨霊の一つ |
| 菅原道真の怨霊 | すがわらのみちざね | 左遷死後に天神として祀られた学問の神。祀る前は疫病・雷を起こした |
| 七人ミサキ | しちにんみさき | 四国・九州に伝わる7人組で行動する霊の集合体。近づくと熱病に罹る |
そのほかの妖怪(27種)
上記の分類に当てはまらない妖怪・怪異・歴史的な霊異をまとめています。
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| 妖怪名 | 読み | 特徴・伝承のポイント |
|---|---|---|
| ぬりかべ | ぬりかべ | 九州に伝わる夜道に壁のように立ちはだかり行く手を阻む妖怪 |
| つるべ落とし | つるべおとし | 古木の上から桶をぶら下げて人を脅かす妖怪。近畿・東海の伝承 |
| 釣瓶火 | つるべび | 古木の枝から釣瓶(桶)のように揺れながら落ちてくる怪火の妖怪 |
| 地縛霊 | じばくれい | 特定の場所に縛られ離れられない霊。事故・刑死など非業の死に多い |
| 疫病神 | やくびょうがみ | 疫病をもたらすとされた神・妖怪。家に住み着かれると家族が病に倒れる |
| 貧乏神 | びんぼうがみ | 家に住み着き貧困をもたらす神・妖怪。追い出すための儀式も各地に伝わる |
| 雷獣 | らいじゅう | 雷とともに空から降ってくる獣の妖怪。イタチ・タヌキ・狼の姿で描かれる |
| 送り狼 | おくりおおかみ | 夜道の旅人の後ろをつけてくるオオカミの妖怪。転べば食われるとされた |
| 送り犬 | おくりいぬ | 旅人の後をついてくる犬の妖怪。礼を言うと去るが無視すると危害を加える |
| 送り雀 | おくりすずめ | 夜道を歩く旅人の後をついてくるスズメの妖怪 |
| 青鷺火 | あおさぎび | 古いアオサギが変化した怪火。夜、川の上空を青く光りながら飛ぶ |
| 山爺 | やまじじい | 四国・中国地方に伝わる一つ目の老人の姿をした山の妖怪 |
| 化け鯨 | ばけくじら | 九州・山口に伝わる骨だけの巨大クジラの霊。漁村の怪異として知られる |
| 猿神 | さるがみ | 遠野物語・各地の昔話に登場する猿が化けた神または怪物 |
| 首無し馬 | くびなしうま | 首のない馬の霊。夜道を疾走し目撃した者に不幸が訪れるとされる |
| 泥田坊 | どろたぼう | 鳥山石燕の妖怪。田を売られた地主の霊が三つ目・泥だらけで現れる |
| 百鬼夜行 | ひゃっきやこう | 夜中に妖怪たちが列をなして練り歩く怪異現象の総称 |
| 龍神 | りゅうじん | 竜宮城を治める海の支配者。各地の神社・池・海に龍神伝説が残る |
| 蟹坊主 | かにぼうず | 古い蟹が化けた坊主。宿や橋の下に現れる怪異として各地に伝わる |
| 餓鬼 | がき | 生前に欲深かった者の霊。常に飢え渇いており施餓鬼(施しの供養)の対象 |
| 疫鬼 | えきき | 疫病を広める鬼の一種。方相氏(ほうそうし)が追い払う大儺の鬼 |
| かわうそ | かわうそ | 川獺(かわうそ)が化けた妖怪。人や家に化けて人を欺く。近畿・九州に伝承 |
| 青坊主 | あおぼうず | 川・池の近くに現れる青い顔の坊主頭の妖怪。水辺の異常を知らせるとも |
| つちのこ | つちのこ | 胴体が槌(棒の頭)のように太い蛇の姿をした謎の生物。妖怪的な扱いも多い |
| 蛇精 | じゃせい | 大蛇が化けた女性の妖怪。美しい女性に化け男を惑わせる伝説が各地にある |
| 夢魔 | むま | 夜の夢の中に現れ、悪夢を見せたり命を縮めたりするとされる悪霊 |
| ぬりぼとけ | ぬりぼとけ | 廃寺の仏像に宿った妖怪。目玉が飛び出し皮のたるんだ異相で現れる |
妖怪にまつわる豆知識
妖怪はなぜ生まれたのか
日本で妖怪が数多く語られてきた背景には、原因不明の病気・災害・怪異な現象を説明しようとする必要性がありました。「なぜ人が突然倒れるのか」「なぜ山で物音がするのか」——それに答えるため、目に見えない存在が人々の想像の中に形作られていきました。
妖怪図鑑の元祖:鳥山石燕
本記事に登場する多くの妖怪は、江戸時代の浮世絵師・鳥山石燕(1712〜1788年)が体系化した「百鬼夜行シリーズ」(全4冊)が出典です。石燕以前は口頭伝承だった妖怪に視覚的な「姿」を与え、今日の妖怪イメージの原型を作りました。
水木しげる氏の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』はこの石燕のイメージを多く引き継ぎ、現代の妖怪観に大きな影響を与えています。
同じ妖怪、地域で名前が変わる
河童は「川太郎(かわたろう)」「ガタロ」「ひょうすべ」など地域によって20以上の呼び名を持ちます。天狗も地域によって外見が大きく異なり、長い鼻の「大天狗」は近畿〜関東型、カラスの嘴の「烏天狗」は全国的に分布しています。「妖怪の多様性」は、そのまま日本の地域文化の多様性を映しています。
まとめ
日本に伝わる妖怪150種を種類別に一覧でまとめました。鬼・天狗・河童といった馴染みの顔から、鳥山石燕の絵巻に描かれた付喪神・地域の民間伝承に残るマイナーな妖怪まで、様々な存在が日本の「怪の文化」を形作っています。各妖怪の由来・伝承エピソードを深く知りたい方は「日本の妖怪まとめ20選」もあわせてどうぞ。