
「この言い方で合ってる?」「尊敬語と謙譲語がごっちゃになる」——敬語は日本語を使う誰もが一度は悩む場所です。この記事では、日常やビジネスでよく使う動詞45語・名詞20語の敬語変換表を一覧化し、やりがちな二重敬語8種・誤用10種をセットで解説します。合計83語を網羅した「いつでも使える変換表」として、ぜひ保存してご活用ください。
敬語の3種類:尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い
敬語は大きく3種類に分かれます。どれも「相手への敬意」を示す言葉ですが、主語と働きが違います。
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| 種類 | 主語 | 働き | 例 |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手・第三者 | 相手の行動を高めて敬う | 行く→いらっしゃる |
| 謙譲語 | 自分・自社 | 自分をへりくだらせて相手を立てる | 行く→参る・伺う |
| 丁寧語 | 誰でも | 言葉づかいを丁寧にする | 行く→行きます |
ポイント:同じ「行く」でも、「先生がいらっしゃる(尊敬語)」「私が参ります(謙譲語)」と主語で使い分けます。この主語の意識が敬語の核心です。
敬語変換表:動詞の言い換え一覧
存在・移動系(6語)
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| 基本形 | 丁寧語 | 尊敬語(相手・第三者) | 謙譲語(自分) |
|---|---|---|---|
| 行く | 行きます | いらっしゃる・おいでになる | 参る・伺う |
| 来る | 来ます | いらっしゃる・お越しになる | 参る・伺う |
| いる | います | いらっしゃる・おいでになる | おります(おる) |
| 帰る | 帰ります | お帰りになる | 戻ります・失礼いたします |
| 出かける・外出する | 出かけます | お出かけになる | 外出いたします |
| 訪ねる・訪問する | 訪ねます | いらっしゃる・お越しになる | 伺う・参上する |
言語・認識系(8語)
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| 基本形 | 丁寧語 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|---|
| 言う・話す | 言います | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| 聞く | 聞きます | お聞きになる | 伺う・拝聴する |
| 尋ねる・質問する | 尋ねます | お尋ねになる | 伺う・お尋ねする |
| 思う | 思います | お思いになる | 存じます |
| 知る・知っている | 知っています | ご存知(です) | 存じます・存じ上げます |
| 考える | 考えます | お考えになる | 検討いたします |
| 伝える | 伝えます | お伝えになる | 申し伝えます |
| 報告する | 報告します | ご報告ください | ご報告申し上げます |
行為・動作系(11語)
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| 基本形 | 丁寧語 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|---|
| する・やる | します | なさる | いたします |
| 食べる | 食べます | 召し上がる | いただく |
| 飲む | 飲みます | 召し上がる | いただく |
| 見る | 見ます | ご覧になる | 拝見する |
| 読む | 読みます | お読みになる | 拝読する |
| 書く | 書きます | お書きになる | 書かせていただきます |
| 使う | 使います | お使いになる | 使わせていただきます |
| 持つ | 持ちます | お持ちになる | お持ちします |
| 着る | 着ます | お召しになる | 着させていただきます |
| 休む | 休みます | お休みになる | 休ませていただきます |
| 教える | 教えます | ご教示ください・お教えください | ご説明申し上げます |
受け渡し系(8語)
受け渡しに関わる動詞は、主語によって尊敬語か謙譲語かが決まる最もミスしやすい領域です。
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| 基本形 | 丁寧語 | 尊敬語(相手が主語) | 謙譲語(自分が主語) |
|---|---|---|---|
| もらう | もらいます | ——(尊敬語なし) | いただく・頂戴する |
| 受け取る | 受け取ります | お受け取りになる | 拝受する・頂戴する |
| あげる・渡す | あげます | ——(尊敬語なし) | 差し上げる |
| くれる | くれます | くださる | ——(謙譲語なし) |
| 借りる | 借ります | ——(尊敬語なし) | 拝借する・お借りします |
| 送る・届ける | 送ります | ——(尊敬語なし) | お送りする・差し上げる |
| 見せる | 見せます | お見せになる | お見せする・ご覧に入れる |
| 返す | 返します | お返しになる | お返しする |
よくある誤り:「もらう」には尊敬語がありません。相手からもらう場合は「〜をいただきました」(謙譲語)が正解です。
ビジネス・コミュニケーション系(12語)
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| 基本形 | 丁寧語 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|---|
| 確認する | 確認します | ご確認ください | 確認いたします |
| 相談する | 相談します | ご相談ください | ご相談申し上げます |
| お願いする・依頼する | お願いします | ——(尊敬語なし) | お願いいたします・申し上げます |
| 断る | 断ります | ——(尊敬語なし) | お断りいたします・ご辞退申し上げます |
| 承知する・わかる | わかります | ——(尊敬語なし) | 承知いたしました・かしこまりました |
| 待つ | 待ちます | ——(尊敬語なし) | お待ちします |
| 会う | 会います | ——(尊敬語なし) | お目にかかる |
| 連絡する | 連絡します | ご連絡ください | ご連絡申し上げます |
| 参加する | 参加します | ご参加ください | 参加いたします |
| 許す・了承する | 了承します | ご了承ください | ご了承いたします |
| 手伝う | 手伝います | ——(尊敬語なし) | お手伝いします・お力添えします |
| 案内する | 案内します | ご案内ください | ご案内いたします |
敬語変換表:名詞・呼称の言い換え一覧
名詞の敬語は「相手のものを高める(尊敬語的表現)」「自分のものをへりくだらせる(謙譲語的表現)」の2方向があります。
会社・ビジネス関連(10語)
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| 基本形 | 相手側に使う表現(尊敬表現) | 自分側に使う表現(謙譲表現) |
|---|---|---|
| 会社 | 御社(話言葉)・貴社(書き言葉) | 弊社・当社 |
| 社長・上司の役職 | ご社長様・ご担当様・部長さん | ——(役職名のみ) |
| 担当者 | ご担当者様・ご担当の方 | 担当の者・担当者 |
| 名前 | お名前・ご芳名 | 氏名・姓名 |
| 住所 | ご住所 | 住所・所在地 |
| 意見 | ご意見・ご感想 | 意見・所感 |
| 質問 | ご質問 | 質問・お伺い |
| 依頼・お願い | ご依頼・ご要望 | お願い・ご依頼(自分から) |
| 電話 | お電話 | お電話(自分からかける場合も) |
| 連絡・メール | ご連絡 | ご連絡・ご報告(自分から) |
状態・個人関連(10語)
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| 基本形 | 相手側に使う表現 | 自分側に使う表現 |
|---|---|---|
| 体・健康 | お体・ご健康 | 体・健康 |
| 食事 | お食事 | 食事 |
| 自宅・家 | お宅・ご自宅 | 自宅・拙宅 |
| 返事・回答 | ご回答・お返事 | 回答いたします |
| 来訪・訪問 | ご来訪・お越し・ご来社 | 伺う・参上する |
| 誕生日 | お誕生日 | 誕生日 |
| 仕事 | お仕事・ご尽力・ご活躍 | 仕事・業務 |
| 名刺 | お名刺 | 名刺・私の名刺 |
| 了承・承認 | ご了承・ご承認 | 承知・かしこまり |
| 都合・時間 | ご都合 | 都合 |
二重敬語のNG例(8語)
二重敬語とは、1つの言葉に敬語要素を二重に重ねてしまうミスです。正しい表現に見えて誤りなので注意が必要です。
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| ❌ NG(二重敬語) | ✅ 正しい表現 | 解説 |
|---|---|---|
| おっしゃられる | おっしゃる | 「おっしゃる」+「られる」の二重 |
| 召し上がられる | 召し上がる | 「召し上がる」+「られる」の二重 |
| ご覧になられる | ご覧になる | 「ご覧になる」+「られる」の二重 |
| おいでになられる | おいでになる | 「おいでになる」+「られる」の二重 |
| お越しになられる | お越しになる | 「お越しになる」+「られる」の二重 |
| 拝見させていただく | 拝見する・拝見いたします | 「拝見(謙譲)」+「させていただく(謙譲)」の二重 |
| お伺いさせていただく | 伺います | 「お伺い(謙譲)」+「させていただく(謙譲)」の二重 |
| 申し上げさせていただく | 申し上げます | 「申し上げる(謙譲)」+「させていただく(謙譲)」の二重 |
豆知識:「させていただく」は本来「相手の許可を得て行う」場合に使う謙譲語です。近年、許可が不要な場面でも乱用されることがあります(例:「本日は休ませていただきます」など)。使いすぎに注意が必要です。
よくある誤用・バイト敬語のNG例(10語)
誤りと知らずに日常的に使われている敬語表現をまとめました。
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| ❌ NG(誤用) | ✅ 正しい表現 | 誤りの理由 |
|---|---|---|
| ご苦労様です(目上に対して) | お疲れ様です | 「ご苦労」は目上が目下をねぎらう表現。目上には「お疲れ様」 |
| 了解です・了解しました(目上に) | 承知いたしました・かしこまりました | 「了解」は対等以下に使う言葉。目上には「承知」が正式 |
| よろしかったでしょうか | よろしいでしょうか | 過去形を使う必要がない場面での誤用(バイト敬語の代表例) |
| 〜でよろしかったですか | 〜でよろしいですか | 同上 |
| 〜の方(ほう)になります | 〜でございます・〜です | 「ほう」は方向・比較のとき以外不要。「なります」は変化を示す語 |
| とんでもございません | とんでもないことです・とんでもないことでございます | 「とんでもない」は形容詞の一語で分解できないのが伝統的な文法ルール。ただし文化庁「敬語の指針(2007年)」では慣用として広まっており、場面によっては許容されるとしている(諸説あり) |
| 御社は(自社を指して) | 弊社は | 「御社」は相手の会社。自社は「弊社」「当社」 |
| おられます(いる→られる) | いらっしゃいます | 「おる」の尊敬語は「いらっしゃる」。「おられる」は関西の慣用で標準語では避けるのが無難 |
| いただけますでしょうか | いただけますか | 「ますでしょうか」は丁寧語の二重。「ますか」で十分 |
| 拝見していただけますか | ご覧いただけますか | 「拝見」は謙譲語。相手に見てほしいなら「ご覧(尊敬語)になる」 |
敬語の豆知識
文化庁の「5分類」(2007年)
現代では文化庁の「敬語の指針(2007年)」により、敬語は5種類に細分化されています。
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| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手の動作・状態を高める | いらっしゃる・おっしゃる・なさる |
| 謙譲語Ⅰ | 自分の動作をへりくだらせ相手を立てる | 参る・申す・拝見する |
| 謙譲語Ⅱ(丁重語) | 自分の動作を丁重に述べる(相手への直接の敬意ではない) | おる・いたす・申す(独り言的) |
| 丁寧語 | 話し方を丁寧にする | です・ます・ございます |
| 美化語 | 物事を美化して上品に言う | お料理・お花・お金 |
日常会話では「3分類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)」で十分ですが、ビジネス文書を書く機会が多い人は5分類を意識すると精度が上がります。
尊敬語と謙譲語を見分けるコツ
- 主語が「相手(あなた・お客様)」→ 尊敬語
例:「田中様はいらっしゃいますか?」(田中様=相手) - 主語が「自分(私・弊社)」→ 謙譲語
例:「私が参ります。」(私=自分)
この"主語テスト"を習慣にするだけで、ほとんどのミスは防げます。
腕試しクイズ(全5問)
敬語の変換表を読んだら、実力チェックをしてみましょう。尊敬語・謙譲語・二重敬語から5問出題します。
まとめ
動詞45語・名詞20語の敬語変換表と、二重敬語8種・よくある誤用10種を合わせた83語を一覧にまとめました。敬語の基本は「主語が相手なら尊敬語・自分なら謙譲語」を意識することです。ビジネスメールや職場での会話で迷ったときは、この変換表を見返してみてください。
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