人間国宝の一覧|重要無形文化財保持者の分野と認定の仕組みまとめ

人間国宝とは、日本の伝統技能・芸能を高度に体現する人に与えられる称号です。正式には「重要無形文化財保持者」といい、陶芸・染織・漆芸といった工芸技術から能楽・文楽・歌舞伎などの芸能まで幅広い分野をカバーしています。本記事では認定の仕組みから工芸技術・芸能の全分野一覧、有名な人間国宝まで網羅的にまとめました。2025年7月時点で約105人が存命認定者として技の継承に取り組んでいます。

※本記事の「確認できた保持者一覧」では、2026年7月時点で公的資料から確認できた各個認定169名を分野別に掲載しています(総合認定・保持団体認定は対象外)。

スポンサーリンク

人間国宝(重要無形文化財保持者)とは

「人間国宝」は通称で、正式名称は重要無形文化財保持者です。文化財保護法第71条第2項に基づき、文部科学大臣が認定します。1955年(昭和30年)に制度が発足し、以来70年にわたって日本の伝統文化の担い手を支えてきました。

「人間国宝」という通称は、文化財保護法が対象とする有形の「国宝」(建物・絵画・仏像など)と区別しつつ、技を持つ「人」が国の宝であることを端的に表した呼び名です。技術そのものではなく「それを体現する人」を認定する点が特徴で、保持者が亡くなると認定資格も消滅します(技術が他者に継承されていても)。

認定の仕組み

← 横にスクロールできます →

項目 内容
根拠法 文化財保護法第71条第2項
認定機関 文部科学大臣(文化審議会の答申に基づく)
選考プロセス 有識者31人で構成する専門調査会が調査・検討し、文化審議会が答申
申請・推薦制度 なし(専門調査会が独自に調査・候補を選定)
年間特別助成金 200万円
現在の存命認定者数 約105人(2025年7月時点)
歴代累計認定数 371人(延べ374名、2020年12月時点)
資格の継続 保持者の死亡で認定が解除される(技術・芸能は消えない)

認定は本人の申請や推薦によらず、専門調査会が独自に候補を見出す「発掘型」が特徴です。認定後は年200万円の特別助成金が交付され、技術の研究・伝承活動に充てられます。茶道の歴史華道の流派でも触れた日本の伝統三道(茶道・華道・香道)の担い手にも、人間国宝認定者が多数います。

スポンサーリンク

工芸技術の分野一覧

工芸技術部門は大きく8分野に分類されます。

← 横にスクロールできます →

分野 主な技法・技術の種類 特記事項
陶芸 色絵磁器・志野・瀬戸黒・鉄釉陶器・白磁・青磁・備前焼・萩焼・唐津焼・染付・無名異焼・釉裏金彩 工芸技術の中で認定者数が最も多い分野
染織 友禅・紅型・江戸小紋・紬織・長板中形・精好仙台平・八重山上布・献上博多織・木版摺更紗・結城紬 地域固有の技法が多く全国に分布
漆芸 蒔絵・髹漆(きゅうしつ)・沈金・蒟醬(きんま)・彫漆・研出蒔絵 蒟醬は東南アジア起源の技法が日本に定着したもの
金工 鍛金・鋳金・彫金 鍛金は金属を叩いて成形する鍛造技法
木竹工 木彫・竹工芸・挽物(ひきもの) 別府竹細工など産地に根ざした技法が多い
人形 桐塑(とうそ)人形・木彫人形・衣裳人形 御所人形など宮廷文化の系譜を引く
諸工芸 七宝・組紐・截金(きりかね)・硝子工芸・刺繍 截金は金箔を糸状に切り絵画や仏像に貼る繊細な技
和紙 美濃紙・石州半紙・細川紙・越前奉書 ユネスコ無形文化遺産「和紙」にも認定(2014年)

工芸技術分野の有名な人間国宝

← 横にスクロールできます →

氏名 分野・技法 主な業績・特徴
富本憲吉(とみもと けんきち) 陶芸・色絵磁器 1955年制度発足時の初代認定者。英国留学後に色絵磁器の世界を確立
濱田庄司(はまだ しょうじ) 陶芸・民芸陶器 初代認定者の一人。柳宗悦と民芸運動を牽引し益子焼を世界に広める
荒川豊蔵(あらかわ とよぞう) 陶芸・志野・瀬戸黒 初代認定者。美濃の古窯址を発掘し桃山陶の技法を復活させた
石黒宗麿(いしぐろ むねまろ) 陶芸・鉄釉陶器 初代認定者。富山出身で鉄釉の奥深い表現を極めた名匠
14代 今泉今右衛門(いまえもん) 陶芸・色絵磁器 有田の色鍋島の技術を継承。陶芸分野での史上最年少認定とされる
14代 酒井田柿右衛門(かきえもん) 陶芸・色絵磁器 有田焼の柿右衛門様式の伝統を現代に継承する窯元の当主
志村ふくみ(しむら ふくみ) 染織・紬織 植物染料による紬織の第一人者。紬の美を言語化した著述家でもある
北村武資(きたむら たけじ) 染織・羅・経錦 失われかけた古代の高度な組織技法「羅」と「経錦」を現代に復元
スポンサーリンク

芸能の分野一覧

芸能部門も大きく8分野に分類されます。

← 横にスクロールできます →

分野 主な演目・種目 特記事項
能楽 謡・仕舞・囃子方(笛・小鼓・大鼓・太鼓)/観世流・宝生流・金春流・金剛流・喜多流 世界最古の完成した演劇形式のひとつ。ユネスコ無形文化遺産(2001年)
文楽 義太夫節(大夫)・三味線・人形遣い(主遣い・左遣い・足遣い) ユネスコ無形文化遺産(2003年)。3人で1体の人形を操る独特の形式
歌舞伎 立役・女形・三味線・長唄・義太夫・歌舞伎囃子 江戸時代発祥の総合芸能。ユネスコ無形文化遺産(2005年)
雅楽 管楽器(龍笛・篳篥・笙)・弦楽器(琵琶・箏)・舞(東遊・久米舞) 奈良・平安時代の宮廷音楽。日本最古の管弦楽形式
日本舞踊 西川流・花柳流・藤間流・若柳流・坂東流など 歌舞伎舞踊を源流に独自に発展した各流派
組踊 沖縄固有の古典芸能(玉城朝薫が1719年に創設) ユネスコ無形文化遺産(2010年)。歌・語り・舞を一体化した形式
声楽 義太夫節・長唄・小唄・端唄・清元・常磐津 三味線音楽に乗せた各種流派の語り・唄
音楽 箏曲(生田流・山田流)・地歌三味線・尺八(琴古流・都山流) 地歌は関西発祥の三味線声楽で箏と深く結びつく

芸能分野の有名な人間国宝

← 横にスクロールできます →

氏名 分野 主な業績・特徴
坂東玉三郎(ばんどう たまさぶろう) 歌舞伎・女形 現代歌舞伎を代表する最高峰の女形。映像・演劇でも国内外に活躍
野村万作(のむら まんさく) 能楽・狂言(和泉流) 狂言師として長年にわたり古典を継承。野村萬斎の父としても知られる
7代目 竹本住大夫(たけもと すみだゆう) 文楽・義太夫節 「浪速の名人」と称えられた文楽最高峰の大夫。2014年に引退し、2018年に93歳で逝去
吉田簑助(よしだ みのすけ) 文楽・人形遣い 半世紀以上にわたり文楽の女役人形遣いの第一人者として活躍
亀井忠雄(かめい ただお) 能楽・大鼓方(葛野流) 大鼓の卓越した技術で能楽囃子を支えた人間国宝。2023年6月に81歳で逝去
スポンサーリンク

確認できた保持者一覧(各個認定・分野別)

2026年7月時点で、公的資料(文化庁の認定報道発表・日本工芸会など)から氏名・読み・技術名・認定年を確認できた169名を分野別に掲載しています。各個認定の保持者は制度発足以来延べ400名以上おり、確認でき次第、順次追加していきます。

この一覧は各個認定(個人に対する認定)のみを対象とし、複数人をまとめて認定する総合認定・保持団体認定は含みません。最新の情報や指定の詳細は、文化庁「国指定文化財等データベース」で確認できます。(氏名の前の † は、確認できた範囲で物故者を示します。無印は現存または不明です。)

芸能(21名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
生田陽三 いくたようぞう 人形浄瑠璃文楽太夫 2019
岡人 おかよしひと 歌舞伎脇役 2019
中川勳 なかがわいさお 長唄鳴物 2019
牟田口照國 むたぐちてるくに 長唄三味線 2019
柳瀬信吾 やなせしんご 歌舞伎音楽竹本 2019
渡邉孝夫 わたなべたかお 講談 2019
宮永豊実 みやながとよみ 人形浄瑠璃文楽人形 2021
石川公一 いしかわこういち 長唄唄 2022
大坪近司 おおつぼきんじ 能シテ方 2022
河村順之 かわむらとしゆき 歌舞伎立役 2022
立花子 たちばなまゆこ 義太夫節三味線 2022
野村正也 のむらまさや 尺八 2022
大西彰 おおにしあきら 人形浄瑠璃文楽人形 2023
小川進一 おがわしんいち 歌舞伎脇役 2023
茂山眞吾 しげやましんご 狂言 2023
寳生欣哉 ほうしょうきんや 能ワキ方 2023
山田和代 やまだかずよ 宮薗節三味線 2023
若林恒夫 わかばやしつねお 古典落語 2023
井筒泰弘 いづつやすひろ 常磐津節浄瑠璃 2024
福本一光 ふくもとかずみつ 浪曲語り 2024
丹澤正明 たんざわまさあき 常磐津節三味線 2025

工芸技術:染織(37名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 田畑喜八 友禅 1955
† 松原定吉 長板中形 1955
† 上野為二 うえのためじ 友禅 1955
† 木村雨山 きむらうざん 友禅 1955
† 小宮康助 こみやこうすけ 江戸小紋 1955
† 清水幸太郎 しみずこうたろう 長板中形 1955
† 千葉あやの ちばあやの 正藍染 1955
† 中村勝馬 なかむらかつま 友禅 1955
† 喜多川平朗 きたがわへいろう 1956
† 甲田栄佑 こうだえいすけ 精好仙台平 1956
† 芹沢銈介 せりざわけいすけ 型絵染 1956
† 松枝玉記 まつえだたまき 久留米絣 1957
† 喜多川平朗 きたがわへいろう 有職織物 1960
† 稲垣稔次郎 いながきとしじろう 型絵染 1962
† 森口華弘 もりぐちかこう 友禅 1967
† 鎌倉芳太郎 かまくらよしたろう 型絵染 1973
† 小宮康孝 こみややすたか 江戸小紋 1978
† 宗廣力三 むねひろりきぞう 紬縞織・絣織 1982
† 山田貢 やまだみつぎ 友禅 1984
† 羽田登喜男 はたときお 友禅 1988
志村ふくみ しむらふくみ 紬織 1990
† 北村武資 きたむらたけし 1995
玉那覇有公 たまなはゆうこう 紅型 1996
† 田島比呂子 たじまひろし 友禅 1999
† 北村武資 きたむらたけし 経錦 2000
† 平良敏子 たいらとしこ 芭蕉布 2000
† 甲田綏郎 こうだよしお 精好仙台平 2002
小川規三郎 おがわきさぶろう 献上博多織 2003
佐々木苑子 ささきそのこ 紬織 2005
森口邦彦 もりぐちくにひこ 友禅 2007
鈴田滋人 すずたしげと 木版摺更紗 2008
土屋順紀 つちやよしのり 紋紗 2010
二塚長生 ふたつかおさお 友禅 2010
村上良子 むらかみりょうこ 紬織 2016
小宮康正 こみややすまさ 江戸小紋 2018
松原伸生 まつばらのぶお 長板中形 2023
新垣幸子 あらかきさちこ 八重山上布 2024

工芸技術:金工(28名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 魚住為楽(初代) うおずみいらく 銅鑼 1955
† 海野清 うんのきよし 彫金 1955
† 佐々木象堂 ささきしょうどう 蝋型鋳造 1960
† 長野垤志 ながのてつし 茶の湯釜 1963
† 高村豊周 たかむらとよちか 鋳金 1964
† 米光光正 よねみつみつまさ 肥後象嵌 1965(一次未確認)
† 香取正彦 かとりまさひこ 梵鐘 1977
† 関谷四郎 せきやしろう 鍛金 1977
† 角谷一圭 かくたにいっけい 茶の湯釜 1978
† 内藤四郎 ないとうしろう 彫金 1978
† 鹿島一谷 かしまいっこく 彫金 1979
† 金森映井智 かなもりえいいち 彫金 1989
† 増田三男 ますだみつお 彫金 1991
† 齋藤明 さいとうあきら 鋳金 1993
奥山峰石 おくやまほうせき 鍛金 1995
† 高橋敬典 たかはしけいてん 茶の湯釜 1996
† 鴨下春明 かもしたしゅんめい 彫金 1999
魚住為楽(三代) うおずみいらく 銅鑼 2002
魚住為楽 うおずみいらく 銅鑼 2002
中川衛 なかがわまもる 彫金 2004
† 大澤光民 おおざわこうみん 鋳金 2005
† 田口壽恒 たぐちとしちか 鍛金 2006
桂盛仁 かつらもりひと 彫金 2008
玉川宣夫 たまがわのりお 鍛金 2010
† 山本晃 やまもとあきら 彫金 2014
大角幸枝 おおすみゆきえ 鍛金 2015
角谷勇圭 かくたにゆうけい 茶の湯釜 2021
奥村公規 おくむらこうき 彫金 2025

工芸技術:漆芸(27名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 音丸耕堂 おとまるこうどう 彫漆 1955
† 高野松山 たかのしょうざん 蒔絵 1955
† 前大峰 まえたいほう 沈金 1955
† 松田権六 まつだごんろく 蒔絵 1955
† 磯井如真 いそいじょしん 蒟醤 1956
† 赤地友哉 あかじともや 髹漆 1974
† 増村益城 ますむらましき 髹漆 1978
† 大場松魚 おおばしょうぎょ 蒔絵 1982
† 磯井正美 いそいまさみ 蒟醤 1985
† 寺井直次 てらいなおじ 蒔絵 1985
† 田口善国 たぐちよしくに 蒔絵 1989
† 太田儔 おおたひとし 蒟醤 1994
† 塩多慶四郎 しおだけいしろう 髹漆 1995
† 北村昭斎 きたむらしょうさい 螺鈿 1999
前史雄 まえふみお 沈金 1999
† 大西勲 おおにしいさお 髹漆 2002
小森邦衞 こもりくにえ 髹漆 2006
増村紀一郎 ますむらきいちろう 髹漆 2008
室瀬和美 むろせかずみ 蒔絵 2008
中野孝一 なかのこういち 蒔絵 2010
山下義人 やましたよしと 蒟醤 2013
山下義人 やましたよしと 蒟醬 2013
山岸一男 やまぎしかずお 沈金 2018
大谷早人 おおたにはやと 蒟醤 2020
大谷早人 おおたにはやと 蒟醬 2020
西勝廣 にしかつひろ 沈金 2024
林曉 はやしさとる 髹漆 2025

工芸技術:陶芸(25名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 荒川豊蔵 あらかわとよぞう 志野・瀬戸黒 1955
† 石黒宗麿 いしぐろむねまろ 鉄釉陶器 1955
† 富本憲吉 とみもとけんきち 色絵磁器 1955
† 濱田庄司 はまだしょうじ 民芸陶器 1955
† 加藤土師萌 かとうはじめ 色絵磁器 1961
† 三輪休和 みわきゅうわ 萩焼 1970
† 中里無庵 なかざとむあん 唐津焼 1976
† 三輪壽雪 みわじゅせつ 萩焼 1983
† 清水卯一 しみずういち 鉄釉陶器 1985
† 藤本能道 ふじもとよしみち 色絵磁器 1986
† 十三代今泉今右衛門 いまいずみいまえもん 色絵磁器 1989
鈴木藏 すずきおさむ 志野 1994
井上萬二 いのうえまんじ 白磁 1995
† 島岡達三 しまおかたつぞう 民芸陶器(縄文象嵌) 1996
† 十四代酒井田柿右衛門 さかいだかきえもん 色絵磁器 2001
吉田美統 よしたみのり 釉裏金彩 2001
五代伊藤赤水 いとうせきすい 無名異焼 2003
伊勢﨑淳 いせざきじゅん 備前焼 2004
原清 はらきよし 鉄釉陶器 2005
† 加藤孝造 かとうこうぞう 瀬戸黒 2010
前田昭博 まえたあきひろ 白磁 2013
十四代今泉今右衛門 いまいずみいまえもん 色絵磁器 2014
福島善三 ふくしまぜんぞう 小石原焼 2017
神農巌 しんのういわお 青磁 2024
中田一於 なかだかずお 釉下彩 2025

工芸技術:木竹工(20名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 生野祥雲斎 しょうのしょううんさい 竹芸 1967
† 黒田辰秋 くろだたつあき 木工芸 1970
† 氷見晃堂 ひみこうどう 木工芸 1970
† 飯塚小玕斎 いいづかしょうかんさい 竹工芸 1982
† 大野昭和斎 おおのしょうわさい 木工芸 1984
† 中臺瑞真 なかだいずいしん 木工芸 1984
川北良造 かわぎたりょうぞう 木工芸 1994
† 二代前田竹房斎 まえだちくぼうさい 竹工芸 1995
† 大坂弘道 おおさかひろみち 木工芸 1997
中川清司 なかがわきよつぐ 木工芸 2001
† 五世早川尚古斎 はやかわしょうこさい 竹工芸 2003
村山明 むらやまあきら 木工芸 2003
† 勝城蒼鳳 かつしろそうほう 竹工芸 2005
† 灰外達夫 はいそとたつお 木工芸 2012
藤沼昇 ふじぬまのぼる 竹工芸 2012
須田賢司 すだけんじ 木工芸 2014
藤塚松星 ふじつかしょうせい 竹工芸 2023
宮本貞治 みやもとていじ 木工芸 2023
岐部笙芳 きべせいほう 竹工芸 2024
渡辺晃男 わたなべあきお 木工芸 2025

工芸技術:人形(7名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 平田郷陽 ひらたごうよう 衣裳人形 1955
† 堀柳女 ほりりゅうじょ 衣裳人形 1955
† 鹿児島寿蔵 かごしまじゅぞう 紙塑人形 1961
† 野口園生 のぐちそのお 衣裳人形 1986
† 市橋とし子 いちはしとしこ 桐塑人形 1989
† 秋山信子 あきやまのぶこ 衣裳人形 1996
† 林駒夫 はやしこまお 桐塑人形 2002

工芸技術:諸工芸(4名)

← 横にスクロールできます →

氏名 読み 技術名 認定年
† 齋田梅亭 さいだばいてい 截金 1981
† 西出大三 にしでだいぞう 截金 1985
† 吉田文之 よしだふみゆき 撥鏤 1985
† 江里佐代子 えりさよこ 截金 2002

専門的な技術名の説明(工芸技術)

一覧に出てくる専門的な工芸の技術名を簡単に説明します。

← 横にスクロールできます →

技術名 読み 説明
截金 きりかね 金銀の箔を細い線状に截り、文様を描く装飾技法
撥鏤 ばちる 染めた象牙を彫って文様を表す技法
蒔絵 まきえ 漆で文様を描き、金銀粉を蒔いて定着させる漆芸技法
沈金 ちんきん 漆面を刀で彫り、金箔・金粉を埋め込む技法
髹漆 きゅうしつ 漆を塗り重ねて器面を仕上げる漆芸の基本技法
蒟醤 きんま 漆を線彫りし、溝に色漆を埋めて文様を表す技法
彫漆 ちょうしつ 漆を厚く塗り重ね、彫刻して文様を表す技法
螺鈿 らでん 貝殻を薄く切り、漆面にはめ込む装飾技法
型絵染 かたえぞめ 型紙で防染して多彩に染める染色技法
紅型 びんがた 沖縄の型染。鮮やかな多色が特徴
経錦 たてにしき 経糸で文様を織り出す高度な錦織
搦み織による、透け感のある絹織物
有職織物 ゆうそくおりもの 公家の装束などに用いる伝統的な織物
精好仙台平 せいごうせんだいひら 袴地に用いる高級絹織物
肥後象嵌 ひごぞうがん 鉄地に金銀を嵌め込む金工技法
蝋型鋳造 ろうがたちゅうぞう 蝋の原型を用いて金属を鋳造する技法

豆知識

北大路魯山人は人間国宝を断ったとされる

近代陶芸の巨匠・北大路魯山人(1883〜1959)は人間国宝の認定を打診されたとされますが辞退したという逸話が伝わります。「おれは国の宝などになるつもりはない」という言葉が残るとも言われており、独立独歩の精神を貫いた魯山人らしい逸話として美術界で語り継がれています。北大路魯山人が「人間国宝に成れなかった」のではなく「ならなかった」という点はよく誤解されます。

和紙・能楽・文楽・歌舞伎・組踊はユネスコ無形文化遺産でもある

人間国宝の認定対象となる技法・芸能の多くは、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。国内の文化財保護(文化庁)と国際的な保護(ユネスコ)が重なる分野は、日本文化の国際的な評価の高さを示しています。「能楽」は2001年にユネスコの「人類の口承及び無形遺産の傑作」に宣言された傑作のひとつで、日本の芸能がユネスコに認められた最初の例です。

韓国・中国にも同様の制度がある

人間国宝に相当する制度は日本が先行して設けた制度ですが、韓国(「人間文化財」)・中国(「国家級非物質文化遺産代表性伝承人」)にも同様の制度が存在します。日本の制度はユネスコの「無形文化遺産の保護に関する条約」(2003年)のモデルのひとつとなったとされています。日本の伝統柄・和柄一覧もあわせて読むと、人間国宝の担う染織・漆芸・陶芸のモチーフの世界観がより深まります。

スポンサーリンク

まとめ

人間国宝(重要無形文化財保持者)は、工芸技術(陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・諸工芸・和紙)と芸能(能楽・文楽・歌舞伎・雅楽・日本舞踊・組踊・声楽・音楽)の全16分野にわたり、日本の伝統技術を体現する人を認定する制度です。1955年の発足以来、文化庁の集計(2020年12月時点)では歴代371人(延べ374名)が認定を受けたとされ、現在も多くの保持者が技の継承と伝承に励んでいます。香木・香道の香道の種類まとめ茶道の歴史と流派と並ぶ日本伝統文化の入り口として、ぜひ関連記事もあわせてご覧ください。

一緒に読まれている人気記事

スポンサーリンク

X でフォローしよう!

おすすめの記事