天体の種類一覧65種|恒星・惑星・銀河・ブラックホールまで宇宙を完全網羅

宇宙には、夜空に見える星や惑星のほか、ブラックホール・銀河・星雲など実に多様な天体が存在します。国際天文学連合(IAU)の定義では、天体は「宇宙空間に存在する自然の物体・構造の総称」であり、その種類は現在60種類以上にのぼります。本記事では、恒星・太陽系の天体・星雲・星団・銀河・宇宙の大規模構造まで、6カテゴリ65種の天体を一覧で網羅します。

教科書に出てくる惑星・恒星だけでなく、褐色矮星・マグネター・クエーサー・銀河フィラメントといった、他の解説サイトではほとんど触れられない天体まで収録しています。宇宙の天体分類を知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。天文現象の種類については天文現象の名前と種類158選もあわせてどうぞ。

スポンサーリンク

恒星の種類|現役の星から死の残骸まで

恒星は、水素などのガスが重力で集まり、核融合反応によって光と熱を放射する天体です。質量の大きさや進化の段階によって大きく異なる姿をとります。

現役の恒星(主系列星とその仲間)

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
主系列星 しゅけいれつせい 水素核融合で輝く、恒星の「現役」状態。太陽もここに分類される 太陽・シリウス・ベガ
赤色矮星 あかいろわいせい 質量が太陽の0.08〜0.5倍・表面温度2,500〜4,000K。宇宙の恒星の約70〜80%を占める最多タイプ プロキシマ・ケンタウリ
褐色矮星 かっしょくわいせい 質量が木星の13〜80倍。恒星になりきれなかった「失敗した星」。水素の核融合が持続しない グリーゼ229B
変光星 へんこうせい 明るさが周期的または不規則に変化する恒星。脈動型・激変型・食変光星などに分類 ベテルギウス・ミラ・アルゴル
連星系 れんせいけい 2つ以上の恒星が重力で互いを公転するシステム。全恒星の半数以上が連星と推定される アルビレオ・アルファ・ケンタウリ

老化した恒星(巨星・超巨星)

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
赤色巨星 あかいろきょせい 主系列を外れて膨張した恒星。中心核の水素が尽きた後に外層が膨らむ。太陽も約50億年後に赤色巨星になる アルデバラン・アルクトゥルス
赤色超巨星 あかいろちょうきょせい 大質量星が膨張した宇宙最大級の恒星。直径が太陽の500〜1,700倍に達するものもある ベテルギウス・アンタレス
青色超巨星 あおいろちょうきょせい 高温・大質量の超巨星。表面温度は1万〜5万K。寿命が短く超新星爆発に至りやすい リゲル・デネブ
超新星 ちょうしんせい 大質量星が寿命を終えて起こす大爆発。数十億個の太陽に匹敵するエネルギーを瞬間的に放出 SN 1987A・カシオペア座A

コンパクト天体(恒星の末路)

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
白色矮星 はくしょくわいせい 太陽程度以下の質量の恒星が寿命を終えた残骸。地球ほどのサイズに核が圧縮されている シリウスB・プロキオンB
中性子星 ちゅうせいしせい 大質量星が超新星爆発後に残した極高密度の天体。直径わずか10〜20kmに太陽の質量が詰まる かに星雲パルサー
パルサー ぱるさー 高速回転する中性子星が、磁極方向に規則的な電磁波パルスを放射する天体。「宇宙の灯台」とも呼ばれる PSR B1919+21(最初に発見されたパルサー)
マグネター まぐねたー 宇宙最強クラスの磁場(地球磁場の1000兆倍以上)を持つ中性子星。強烈なX線・ガンマ線フレアを発生させる SGR 1806-20
恒星質量ブラックホール こうせいしつりょうぶらっくほーる 太陽の25倍以上の大質量星が超新星爆発後に形成。質量は太陽の5〜数十倍 はくちょう座X-1
超大質量ブラックホール ちょうだいしつりょうぶらっくほーる ほぼすべての銀河の中心に存在する。質量は太陽の数百万〜数百億倍。銀河の形成・進化と深く関わる M87(太陽の65億倍)・いて座A
中間質量ブラックホール ちゅうかんしつりょうぶらっくほーる 太陽の100〜10万倍の質量。球状星団の中心などで発見例が増えつつある中間的な存在 NGC 6624の候補天体
スポンサーリンク

太陽系の天体の種類|惑星から塵の粒まで

太陽系は太陽を中心に、惑星・準惑星・衛星・無数の小天体が公転する複合的な天体系です。IAUは2006年に惑星の定義を改定し、冥王星を「準惑星」として再分類しました。

惑星の分類

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
地球型惑星(岩石惑星) ちきゅうがたわくせい 主成分が岩石・金属。密度が高く小型。太陽に近い4惑星 水星・金星・地球・火星
木星型惑星(ガス惑星) もくせいがたわくせい 主成分が水素・ヘリウム。内部は高圧で液体状または固体状の核を持つ 木星・土星
天王星型惑星(氷惑星) てんのうせいがたわくせい 水・アンモニア・メタンの氷が主体の「アイスジャイアント」。ガス惑星とは別種に分類 天王星・海王星

準惑星(矮小惑星)

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴
冥王星 めいおうせい 2006年まで第9惑星。窒素氷の広大な平原「スプートニク平原」が特徴。ハート型の地形で有名
エリス えりす 冥王星より小さいが密度が高い。その発見が冥王星の再分類のきっかけとなった
ケレス けれす 小惑星帯最大の天体(直径約940km)。地下に液体の水の層が存在する可能性が指摘される
マケマケ まけまけ カイパーベルトに存在する赤みがかった準惑星。南太平洋ラパ・ヌイ島の神に由来する名称
ハウメア はうめあ 高速自転によってラグビーボール型に変形した準惑星。ハワイの創造神の名を持つ
スポンサーリンク

衛星の種類

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
規則衛星 きそくえいせい 親惑星と同方向(順行)に公転。惑星と同時期に形成されたと考えられる 月・ガニメデ・タイタン
不規則衛星 ふきそくえいせい 逆行軌道や大きな軌道傾斜角を持つ。後から捕獲されたと考えられる フォービ(土星)・ヒミリア(木星)
共軌道衛星 ともきどうえいせい 別の天体と同じ軌道を共有し、ラグランジュ点L4/L5近傍を公転 テレスト・カリプソ(土星)

衛星の名前と詳しい由来については惑星の衛星一覧|月・タイタン・エウロパの名前の由来まとめも参考にどうぞ。

太陽系小天体

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
主ベルト小惑星 しゅべるとしょうわくせい 火星と木星の軌道の間の小惑星帯に存在する岩石天体。数十万個以上が確認されている ベスタ・パラス・ジュノー
地球近傍天体(NEO) ちきゅうきんぼうてんたい 地球軌道近くを通る小惑星・彗星の総称。探査機が着陸した天体も多い リュウグウ・イトカワ・ベンヌ
トロヤ群 とろやぐん 惑星と同じ軌道上の安定点(ラグランジュ点L4/L5)に集まる小惑星群 ヘクトル(木星トロヤ群)・パトロクロス
短周期彗星 たんしゅうきすいせい 周期200年以下で周期的に回帰する彗星。カイパーベルト起源が多い ハレー彗星・チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
長周期彗星 ちょうしゅうきすいせい 周期200年以上〜数百万年の彗星。オールト雲起源が多い。大彗星になりやすい ヘール・ボップ彗星・百武彗星
流星体 りゅうせいたい 宇宙空間を漂う小さな岩石・塵のかけら。大気圏突入前の呼称(突入後は「流星」) ペルセウス座流星群の塵粒
隕石 いんせき 大気圏を通過して地上に落下した流星体の残骸。石質・鉄質・石鉄質の3種に大別 アレンデ隕石・マーチソン隕石
カイパーベルト天体 かいぱーべるとてんたい 海王星軌道の外側(30〜50天文単位)に広がる円盤状の領域に存在する小天体 アロコス・クワオアー・オルクス
オールト雲天体 おーるとぐもてんたい 太陽系を球状に取り囲む遠方領域の天体。長周期彗星の起源となる セドナ(内オールト雲の候補)・オウムアムア(恒星間天体)
惑星間塵 わくせいかんちり 太陽系内に漂うミクロ〜ミリ単位の塵の粒子。夜明け・黄昏前後に見える黄道光の原因
スポンサーリンク

星雲の種類|恒星の揺りかごと墓場

星雲(ネビュラ)はガスや塵の集まりで、恒星が誕生する場所にもなれば、恒星が死んだ後に残される場所にもなります。見た目によって分類が大きく変わります。

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
輝線星雲(HII領域) きせんせいうん 近くの高温恒星の紫外線を受けてガスが電離・発光するガス雲。星が生まれる場所 オリオン大星雲(M42)・わし星雲(M16)
反射星雲 はんしゃせいうん 自ら発光せず、近くの恒星の光を塵が散乱・反射して青白く輝く プレアデス星団周辺の星雲
暗黒星雲(分子雲) あんこくせいうん 高密度のガスと塵で背景の光を遮る雲。低温・高密度で恒星形成の「材料庫」 馬頭星雲(バーナード33)・コールサック
惑星状星雲 わくせいじょうせいうん 中小質量の恒星が晩年に外層を吹き飛ばして形成するガスのシェル。惑星とは無関係。中心に白色矮星が残る リング星雲(M57)・らせん星雲(NGC 7293)
超新星残骸 ちょうしんせいざんがい 大質量星の超新星爆発で吹き飛ばされたガスが広がったシェル状構造 かに星雲(M1)・カシオペア座A
星形成領域 せいけいせいりょういき 恒星が実際に誕生しつつある密なガス・塵の塊。「宇宙のゆりかご」 竜骨座星雲(NGC 3372)・NGC 3603

星団の種類|恒星の家族

星団は多数の恒星が重力で集まったグループです。形成過程・恒星の年齢・密度によって大きく性質が異なります。

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
散開星団 さんかいせいだん 数十〜数千個の比較的若い恒星が緩やかに集まる。銀河の円盤部に多い すばる(プレアデス・M45)・ヒアデス星団
球状星団 きゅうじょうせいだん 数万〜数百万個の古い恒星(約100億年以上)が球状に密集。銀河のハロー部に多い M13(ヘルクレス座)・ω星団(ケンタウルス座)
OB星協 おーびーせいきょう 大質量の青色高温星(OB型星)が散開星団より広い領域に緩く集まったグループ さそり座OB星協・オリオン座OB1星協
移動星団 いどうせいだん 共通の起源を持ち同じ方向に同じ速度で動く恒星群。見かけ上の散開星団より広がっている ヒアデス移動星団・おおぐま座移動星団
スポンサーリンク

銀河の種類|宇宙の島々

銀河は数十億〜数兆個の恒星・ガス・暗黒物質が重力で結びついた巨大な天体系です。ハッブル系列(音叉図)によって形状が分類されています。

銀河の形態分類

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
渦巻銀河 うずまきぎんが 中心核から渦状の腕が延びる。宇宙で最も多い銀河タイプの一つ。腕の巻き付き度合いでSa/Sb/Sc型に分類 アンドロメダ銀河(M31)・風車銀河(M101)
棒渦巻銀河 ぼううずまきぎんが 中心核に棒状構造があり、その両端から渦腕が延びる。天の川銀河もこのタイプと考えられている 天の川銀河・NGC 1300
楕円銀河 だえんぎんが 楕円形でほぼ球状。渦腕を持たず、老齢の赤い星が多い。質量が大きいほど扁球形 M87(おとめ座)・M49
レンズ状銀河 れんずじょうぎんが 渦腕は持たないが円盤構造がある中間型。S0型とも。渦巻銀河がガスを失った姿とも考えられる NGC 3115・NGC 5866
不規則銀河 ふきそくぎんが 明確な形状を持たない銀河。近傍銀河との衝突・合体によることが多い 大マゼラン雲・小マゼラン雲
矮小銀河 わいしょうぎんが 恒星数が数百万〜数十億個の小型銀河。大型銀河の近くに衛星銀河として存在することが多い 射手座矮小銀河・おおぐま座矮小銀河
リング銀河 りんぐぎんが 中心に核があり、周囲にリング状の星形成領域が広がる。別の銀河が貫通した痕跡と考えられる 車輪銀河(ESO 350-40)

活動銀河(AGN)

活動銀河核(Active Galactic Nucleus: AGN)は、銀河の中心にある超大質量ブラックホールへの物質降着によって強力なエネルギーを放射する現象です。観測角度や光度によって呼び名が変わります。

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 特徴 代表例
セイファート銀河 せいふぁーとぎんが AGNを持つ渦巻銀河。核が光学・X線で明るく輝くが銀河自体は識別できる。Sy1型とSy2型がある NGC 4151・NGC 1068
クエーサー くえーさー 数十億光年以上の遠方に存在する極めて明るいAGN。全宇宙で最も明るい天体の一つ 3C 273(地球から約24億光年)
電波銀河 でんぱぎんが 強力な電波ジェットを両極方向に噴出するAGN。大質量楕円銀河に多い ケンタウルス座A(Cen A)・白鳥座A
ブレーザー ぶれーざー ジェットが地球方向を向いているAGN。激しい光度変動と強い偏光が特徴 BL Lacertae・Mrk 421
スターバースト銀河 すたーばーすとぎんが 銀河全体で爆発的な星形成が起きている銀河。多くは銀河の衝突・合体が引き金 M82(葉巻銀河)・NGC 253
スポンサーリンク

宇宙の大規模構造|銀河の集まり

銀河は重力で集まり、階層的な構造を形成しています。最も小さな「銀河群」から、宇宙最大の構造「グレートウォール」まで、スケールが格段に異なります。

← 横にスクロールできます →

天体名 読み 規模の目安 特徴・代表例
銀河群 ぎんがぐん 数個〜数十個の銀河 天の川銀河・アンドロメダ銀河など54個以上で構成される「局部銀河群」が代表例
銀河団 ぎんがだん 数百〜数千個の銀河 おとめ座銀河団(約1,300個)・髪の毛座銀河団(約1,000個)。高温のX線プラズマで満たされている
超銀河団 ちょうぎんがだん 複数の銀河団の集まり ラニアケア超銀河団(直径約5億光年・10万個以上の銀河)。天の川銀河はここに属する
銀河フィラメント ぎんがふぃらめんと 宇宙最大の構造の一つ 銀河が細長い糸状につながった構造。「コズミックウェブ」の骨格をなす
グレートウォール ぐれーとうぉーる 数億〜数十億光年 銀河が壁状に並ぶ超大規模構造。スローン・グレートウォール(約13億光年)が有名
ボイド ぼいど 直径1〜3億光年 銀河がほとんど存在しない宇宙の空洞。コズミックウェブの「泡」の内側にあたる部分

豆知識:宇宙の天体についての面白い話

宇宙で最も多い恒星は「赤色矮星」

宇宙に存在する恒星の約70〜80%は赤色矮星です。温度が低く暗いため肉眼では見えませんが、寿命が100億年以上と非常に長く、生命が存在できる惑星を持つ候補として注目されています。太陽から最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」も赤色矮星です。

「銀河」は望遠鏡がなければ識別できなかった

19世紀まで、アンドロメダ銀河などは「星雲」と呼ばれていました。1924年にエドウィン・ハッブルがアンドロメダ星雲の距離を測定し、天の川の外にある独立した銀河系であることを初めて証明しました。この発見が宇宙の大きさの認識を一変させました。

ブラックホールには大きく3種類がある

ブラックホールは、「恒星質量型」(太陽の5〜数十倍)、「中間質量型」(太陽の100〜10万倍)、「超大質量型」(太陽の数百万〜数百億倍)の3種類に大別されます。2019年に初撮影されたM87銀河中心のM87は太陽の65億倍、2022年撮影の天の川銀河中心のいて座Aは太陽の400万倍の質量を持ちます。

まとめ

宇宙の天体は、恒星とその進化形・太陽系の天体・星雲・星団・銀河・宇宙の大規模構造まで、6つの大グループ65種類に分類できます。教科書に出てくる「惑星」や「恒星」だけでなく、褐色矮星・マグネター・クエーサー・銀河フィラメントといった多彩な天体が宇宙を彩っています。

宇宙の天体についてさらに知りたい方は、以下の関連記事もあわせてどうぞ。

一緒に読まれている人気記事

スポンサーリンク

X でフォローしよう!

おすすめの記事