世界の通貨記号79種一覧|$・€・¥など記号と由来まとめ

$や€、¥は毎日目にする記号ですが、その由来を正確に言える人は少ないのではないでしょうか。ドル記号の縦棒にはどんな意味があるのか、ユーロ記号の横棒は何の象徴なのか——通貨記号のデザインには、各国の言語・歴史・文化が凝縮されています。

この記事では、世界の通貨記号79種を地域別の一覧テーブルで網羅し、各記号の由来をコンパクトに解説します。Unicodeに収録された専用文字から、ラテン文字を組み合わせた非公式記号、廃止された歴史的記号まで幅広くカバーしました。

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世界の通貨記号一覧(地域別)

アジア・太平洋の通貨記号

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記号 通貨名・コード 国・地域 記号の由来
¥ 円(JPY) 日本 「Yen」の頭文字Yに横棒2本を重ねたもの
¥ / 元 人民元(CNY) 中国 「Yuan」の頭文字Y由来(¥を共用)
ウォン(KRW) 韓国 「W」に横棒2本。ハングル「원」の頭文字
ルピー(INR) インド デヴァナーガリー「र」とRを融合。2010年デザイン
ルピー(PKR) パキスタン ラテンRとsを組み合わせた合字
ルピー(NPR) ネパール パキスタンと同じ₨を使用
ルピー(LKR) スリランカ 同じ₨記号をルピーの略称として共用
タカ(BDT) バングラデシュ ベンガル文字「ত」を様式化した専用Unicodeコード
ドン(VND) ベトナム 「Đồng(銅)」の頭文字D形を変形
฿ バーツ(THB) タイ タイ文字「บ」を縦棒2本で装飾
キープ(LAK) ラオス 「Kip」のKを記号化。2011年Unicode収録
K チャット(MMK) ミャンマー 「Kyat」の頭文字。専用Unicodeなし
Rp ルピア(IDR) インドネシア 「Rupiah」の略。専用Unicode記号なし
ペソ(PHP) フィリピン 「Piso(ペソ)」のPに横棒2本
RM リンギット(MYR) マレーシア 「Ringgit Malaysia」の略称
S$ ドル(SGD) シンガポール Sを冠したドル記号でカナダ・豪州ドルと区別
A$ ドル(AUD) オーストラリア Aを冠してUS$と区別。A省略で$とも書く
NZ$ ドル(NZD) ニュージーランド NZを冠してUS$と区別
トゥグルグ(MNT) モンゴル 「Тугрик」のキリル頭文字Тを様式化
テンゲ(KZT) カザフスタン T形をデザイン化。2007年制定
マナト(AZN) アゼルバイジャン ラテンMとアゼルバイジャン文字マナトを融合
ラリ(GEL) ジョージア ジョージア文字の様式化。2014年採用

ヨーロッパの通貨記号

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記号 通貨名・コード 国・地域 記号の由来
ユーロ(EUR) ユーロ圏21カ国 ギリシャ文字εにEurope頭文字E+横棒2本。1999年導入
£ ポンド(GBP) イギリス ラテン語「libra(重量単位)」の頭文字L。ローマ時代由来
Fr / CHF フラン(CHF) スイス 「Franc Helvétique」の略。専用Unicode記号なし
kr クローナ(SEK) スウェーデン 「Krona(王冠)」の略。北欧4カ国が共用
kr クローネ(NOK) ノルウェー スウェーデンと同じkr。スペルはKrone
kr クローネ(DKK) デンマーク 北欧共通のkr略称
kr クローナ(ISK) アイスランド 北欧共通のkr略称
ズウォティ(PLN) ポーランド 「Złoty(黄金)」の略。lにストローク付き
Ft フォリント(HUF) ハンガリー 「Forint」の略。古語でフィレンツェの金貨由来
コルナ(CZK) チェコ 「Koruna česká(チェコの王冠)」の略
лв レフ(BGN) ブルガリア 「Лев(ライオン)」のキリル略称
ルーブル(RUB) ロシア キリル文字「Р」に横棒。2013年制定
フリヴニャ(UAH) ウクライナ キリル文字「Г(ге)」に横棒2本。通貨は1996年導入、記号は2004年制定
フラン(旧FRF) フランス 「Franc」のFを様式化(廃止通貨・歴史記号)
リラ(旧ITL) イタリア 「Lira(天秤)」のL様式化(廃止通貨・歴史記号)
ден デナル(MKD) 北マケドニア キリル文字「ден」の略称
kn クーナ(旧HRK) クロアチア 「Kuna(テン)」の略(2023年ユーロ移行で廃止)
ユーロ(EUR) クロアチア 2023年ユーロ圏加入でkn廃止
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南北アメリカの通貨記号

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記号 通貨名・コード 国・地域 記号の由来
$ ドル(USD) アメリカ スペイン「PS(Pieza de ocho)」合字説ほか諸説あり
C$ ドル(CAD) カナダ Cを冠してUS$と区別。CA$とも表記
$ ペソ(MXN) メキシコ スペインドルの伝統を継承した$記号
R$ レアル(BRL) ブラジル Rにポルトガル語複数形Sを組み合わせ
$ ペソ(ARS) アルゼンチン スペイン植民地時代のペソ記号を継承
$ ペソ(CLP) チリ 同じく植民地ペソ由来の$記号
S/ ソル(PEN) ペルー 「Sol(太陽)」を略し斜線を加えた記号
Bs. ボリビアーノ(BOB) ボリビア 「Bolívar(解放者の名)」の略にドットを付与
グアラニー(PYG) パラグアイ 「Guaraní」のGに横棒
$ ペソ(UYU) ウルグアイ ペソ伝統の$記号を使用
¢ セント 米国・多国共通 「Cent」のCに縦棒1本。ラテン語centum(100)由来
コロン(CRC) コスタリカ コロンブスのCにゴシック縦棒2本
Q ケツァル(GTQ) グアテマラ 国鳥ケツァル(quetzal)の頭文字

中東・アフリカの通貨記号

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記号 通貨名・コード 国・地域 記号の由来
リヤル(SAR) サウジアラビア アラビア文字でリヤルを表す合字。右から左書き
リヤル(IRR) イラン 同じ﷼記号。「Rial」のアラビア文字表記
リヤル(QAR) カタール 同上。湾岸諸国でリヤル系記号を共用
リヤル(YER) イエメン 同上。アラビア語圏で統一的に使われる
リアル(OMR) オマーン アラビア語圏の共通记号
د.إ ディルハム(AED) アラブ首長国連邦 アラビア文字「درهم」の略(複数のアラビア文字)
新シェケル(ILS) イスラエル ヘブライ文字שׁ(シン)とפ(ペー)の合字
؋ アフガニ(AFN) アフガニスタン アラビア文字「ف」を様式化した専用記号
ナイラ(NGN) ナイジェリア 「Naira」のNに横棒2本
R ランド(ZAR) 南アフリカ 「Rand(岩山地帯)」の頭文字R
Br ビル(ETB) エチオピア 「Birr(銀)」の略称
KSh シリング(KES) ケニア 「Kenya Shilling」の略
セディ(GHS) ガーナ 「Cedi」のCに横棒を加えた専用記号。2007年制定

廃止・歴史的通貨の記号

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記号 通貨名・コード 国・地域 記号の由来
ECU(廃止) 欧州共同体 ユーロ導入前の欧州通貨単位。Cに横棒
クルゼイロ(廃止) ブラジル 旧ブラジル通貨。レアル導入前
ミル(廃止) アメリカ 1/1000ドル単位。現在は行政の一部でのみ使用
ドラクマ(廃止GRD) ギリシャ ユーロ導入(2001年)で廃止。古代ギリシャの通貨単位
ペニヒ(廃止) ドイツ マルク(DEM)の補助単位。ユーロ導入で廃止
オーストラル(廃止) アルゼンチン 1985〜1992年の旧通貨。ペソに戻して廃止
リーヴル・トゥルノワ(廃止) 旧フランス 中世フランスの通貨。歴史記号としてUnicode収録
スパスマ(廃止) 国際(エスペラント) 1907年提案のエスペラント実験的国際通貨。実用化されず
ノルディックマーク(廃止) 北欧(スウェーデン等) 北欧の歴史的通貨単位「マルク」の記号
ペセタ(廃止ESP) スペイン PとTを合字化。2002年ユーロ移行で廃止

暗号通貨・特殊記号

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記号 通貨名・コード 種別 記号の由来
ビットコイン(BTC) 暗号通貨 Bに縦棒2本。サトシ・ナカモト考案、Unicode採用は2017年
Ξ イーサリアム(ETH) 暗号通貨 ギリシャ文字「クシー」を転用(非公式)
¤ 汎用通貨記号 特殊 「どこかの通貨」を示すプレースホルダー。Unicode専用記号
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通貨記号の由来にまつわる豆知識

$(ドル記号)の由来は諸説あり

ドル記号「$」の起源は、通貨記号の中でも特に議論が多いテーマです。現在最も広く知られている説は、スペインのペソ(Peso、またはPieza de ocho=8レアル銀貨)を示す略称「P」と「S」が重ねられて合字化したというものです。筆記体でPとSを重ねて速記したことで、やがて現在の$の形に変化したと考えられています。

別の説では、スペイン植民地時代に流通した「ピラー・ドル(Pillar dollar)」の図柄——ヘラクレスの柱に巻きつく巻物——が縦棒のデザインの源という見方もあります。また、アメリカの独立以前に流通していたスペイン銀貨「レアル」を示す記号が変形したという説もあり、いずれも定説には至っていません。

縦棒が1本か2本かという問題もあります。歴史的文書には両方が登場し、現代では1本が標準的ですが、2本の「$」も長く使われてきた経緯があります。

€(ユーロ)誕生の経緯

ユーロ記号「€」は、1999年の欧州単一通貨導入に合わせてデザインされました。公式の説明によると、「€」はギリシャ文字のイプシロン(ε)をベースに「Europe」の頭文字「E」を組み合わせ、経済的安定を表す横棒2本を加えたものです。

デザインコンペを経て制定されましたが、欧州委員会は長らく「チームで開発した」とのみ説明しており、実際のデザイナーについては諸説あります。ドイツ人グラフィックデザイナーのアーサー・アイゼンメンガーが中心的役割を担ったとも言われています(ベルギー人デザイナーのアラン・ビリエも同様の主張をしており、真の制作者は現在も欧州委員会の公式には明かされていません)。横棒2本はユーロの安定と強さを象徴し、€のフォントは日本語を含む多言語環境での表示を考慮して設計されています。

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¥が日本円と中国元で共用されるわけ

「¥」は日本の円(JPY)と中国の人民元(CNY)の両方に使われています。理由はシンプルで、日本語「Yen」も中国語「Yuan」も、ローマ字表記の頭文字が「Y」であるためです。Yに横棒2本を加えた記号が同時期に発展したことで、両国が同じ記号を採用することになりました。

区別する際は「JP¥」「CN¥」と国名略称を前に付けるか、通貨コード(JPY・CNY)を明記するのが一般的です。国際的な取引や金融システムではISO 4217コード(JPY / CNY)が使われるため、混同のリスクは限られています。

記号がない通貨はどう書く?(ISO 4217コードの話)

世界には専用の記号を持たない通貨が多数あります。そのような場合、国際標準化機構(ISO)が定めた3文字の通貨コード「ISO 4217」が使われます。USドルは「USD」、ユーロは「EUR」、日本円は「JPY」といった形です。

ISO 4217コードは金融機関・銀行・証券取引所・外国為替市場などで広く使われており、異なる通貨を混同せずに扱うための国際共通語となっています。最初の2文字は国コード(ISO 3166-1)を、3文字目はその国の通貨名の頭文字を表すのが基本的なルールです(例:JP+Y=JPY)。

最近できた通貨記号(₿ビットコインなど)

通貨記号は現代でも増え続けています。代表例が暗号通貨ビットコインの「₿」で、2009年に中本聡(サトシ・ナカモト)が考案したとされます。B字に縦棒2本を加えたデザインで、2017年にUnicode 10.0に正式収録されました。

ジョージアのラリ「₾」は2014年採用、カザフスタンのテンゲ「₸」は2007年に制定されるなど、2000年代以降も新規記号の制定が続いています。インドルピーの「₹」は2010年、全国公募コンペで約3,000の応募作の中からD. Udaya Kumarのデザインが選ばれた比較的新しい記号です。デヴァナーガリー文字「र(ra)」とラテン文字「R」を融合させたデザインで、インドの文化的アイデンティティを体現しています。

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まとめ

世界の通貨記号79種を地域別に一覧しました。$の諸説ある起源、€の設計思想、₹の公募コンペ誕生秘話など、記号のひとつひとつに歴史と文化が刻まれています。身近な¥やドルの記号を見かけたとき、その背景を少し思い浮かべてみると、お金の世界が立体的に見えてくるかもしれません。

記号・シンボルつながりでは、地図記号一覧|建物・交通・地形など全154種の意味と由来まとめもあわせてどうぞ。

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