
「今でしょ!」「そだねー」「3密」——毎年12月に発表される「新語・流行語大賞」は、その年を象徴するキーワードを選ぶ恒例行事です。1984年の創設から2025年まで、歴代の受賞語をすべて一覧で紹介します。年間大賞・金賞の受賞語と受賞者に加え、各年の時代背景も一言で解説。42年分の言葉を眺めれば、昭和・平成・令和の空気感がよみがえります。
新語・流行語大賞とは
新語・流行語大賞は、1984年から毎年12月に発表される賞です。「現代用語の基礎知識」(自由国民社)の選者とユーキャンが選定します。
その年に話題になった言葉・新語のなかから「年間大賞」(1〜4語)と「トップ10」が選ばれます。受賞者はその言葉を広めた人物や団体で、授賞式に出席します。
賞の制度変遷:
- 1984〜1990年:「新語部門金賞」と「流行語部門金賞」の2部門制
- 1991〜1993年:年間大賞が新設され、部門賞と並立
- 1994年〜:ユーキャンが協賛し「年間大賞+トップ10」に整理
- 2004年〜:「ユーキャン新語・流行語大賞」として名称が統一
歴代の受賞語一覧(1984〜2025年)
1984〜1990年(新語部門・流行語部門の金賞)
この時期は「新語部門」と「流行語部門」それぞれに金賞が1語ずつ選ばれていました。
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| 年 | 新語部門金賞 | 受賞者 | 流行語部門金賞 | 受賞者 |
|---|---|---|---|---|
| 1984 | オシンドローム | ジェーン・コンドン | まるきん・まるび | 渡辺和博 |
| 1985 | 分衆 | 近藤道生 | イッキ!イッキ! | 慶應義塾大学体育会 |
| 1986 | 究極 | 雁屋哲 | 新人類 | 清原和博 ほか |
| 1987 | マルサ | 伊丹十三・宮本信子 | 懲りない○○ | 安部譲二 |
| 1988 | ペレストロイカ | ソロビエフ・ニコラエビッチ | 今宵はここまでに | 若尾文子 |
| 1989 | セクシャル・ハラスメント | 河本和子 | オバタリアン | 堀田かつひこ・土井たか子 |
| 1990 | ファジィ | 三上遵太郎 | ちびまる子ちゃん(現象) | トーマス・リード |
「オシンドローム」は昭和の国民的ドラマ「おしん」が世界的ブームになった現象を指す造語。「まるきん・まるび」はバブル直前の消費格差を風刺したベストセラー書から。
1991〜2025年(年間大賞)
1991年から年間大賞が中心となりました。複数語が同時受賞する年もあります(1992年・1994〜1996年・1998年・1999年・2013年・2017年は2〜4語受賞)。
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| 年 | 年間大賞 | 受賞者 | 時代の背景 |
|---|---|---|---|
| 1991 | …じゃあ〜ありませんか | チャーリー浜 | バブル崩壊が始まり、お笑いブームの時代 |
| 1992 | うれしいような、かなしいような | きんさんぎんさん | 100歳双子姉妹が大ブームに |
| 1992 | はだかのおつきあい | きんさんぎんさん | (同上・2語同時受賞) |
| 1993 | Jリーグ | 川淵三郎 | プロサッカーリーグが日本で誕生 |
| 1994 | すったもんだがありました | 宮沢りえ | 貴花田との婚約解消騒動での発言 |
| 1994 | イチロー(効果) | イチロー | 当時の年間最多安打記録・オリックスの打撃革命 |
| 1994 | 同情するならカネをくれ | 安達祐実 | TBSドラマ「家なき子」の名台詞 |
| 1995 | 無党派 | 青島幸男 | 阪神・地下鉄サリン事件の年、無党派候補が都知事当選 |
| 1995 | NOMO | 野茂英雄 | 日本人初の本格的MLB挑戦・トルネード投法が話題 |
| 1995 | がんばろうKOBE | 仰木彬 | 阪神淡路大震災を経た神戸への復興の祈り |
| 1996 | 自分で自分をほめたい | 有森裕子 | アトランタ五輪マラソン銅メダル後のインタビュー |
| 1996 | 友愛/排除の論理 | 鳩山由紀夫 | 新進党との政界再編をめぐる発言 |
| 1996 | メークドラマ | 長嶋茂雄 | 巨人が最終戦で逆転優勝を果たした際の言葉 |
| 1997 | 失楽園(する) | 渡辺淳一・黒木瞳 | 不倫小説・映画が社会現象、「〜する」と動詞化 |
| 1998 | ハマの大魔神 | 佐々木主浩 | 横浜ベイスターズが38年ぶり日本一 |
| 1998 | 凡人・軍人・変人 | 田中真紀子 | 自民党総裁選の候補3人を評した田中真紀子の発言 |
| 1998 | だっちゅーの | パイレーツ | 女性お笑いコンビのネタが全国的に大流行 |
| 1999 | ブッチホン | 小渕恵三 | 総理大臣が携帯電話で直接かけてくる「ブッチ電話」 |
| 1999 | リベンジ | 松坂大輔 | 日本シリーズ敗退後の誓いで英単語が広まる |
| 1999 | 雑草魂 | 上原浩治 | 無名校出身のプロ新人が活躍・粘りの精神として定着 |
| 2000 | おっはー | 香取慎吾 | SMAP・香取が朝の情報番組で連日発した挨拶 |
| 2001 | 小泉語録 | 小泉純一郎 | 「聖域なき構造改革」など改革路線の言葉が次々話題に |
| 2002 | タマちゃん | 佐々木裕司・黒住祐子 | アザラシが都市の川に迷い込みテレビを席巻 |
| 2003 | 毒まんじゅう | 野中広務 | 元自民党幹事長が政界の内情を「毒まんじゅう」と評した |
| 2004 | チョー気持ちいい | 北島康介 | アテネ五輪平泳ぎ2冠の喜びを「チョー」で表現 |
| 2005 | 小泉劇場 | 武部勤 | 郵政民営化を問う解散選挙が「劇場型」と評された |
| 2006 | イナバウアー | 荒川静香 | トリノ五輪フィギュアで金メダル・技名が連日報道 |
| 2007 | (宮崎を)どげんかせんといかん | 東国原英夫 | お笑い芸人・東国原英夫が宮崎県知事に当選 |
| 2008 | グ〜! | エド・はるみ | 女性お笑い芸人のリズムネタが日本中で真似された |
| 2009 | 政権交代 | 鳩山由紀夫 | 民主党が歴史的大勝で自民党から政権を奪取 |
| 2010 | ゲゲゲの〜 | 武良布枝 | NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」が高視聴率で大ヒット |
| 2011 | なでしこジャパン | 小倉純二ほか | 女子サッカーW杯で日本が初優勝・東日本大震災の年 |
| 2012 | ワイルドだろぉ | スギちゃん | ヒゲのお笑い芸人スギちゃんのキャラネタが大流行 |
| 2013 | 今でしょ! | 林修 | 予備校講師の決め台詞がCMで爆発的に広まる |
| 2013 | お・も・て・な・し | 滝川クリステル | 東京五輪誘致プレゼンでの発言が世界に注目される |
| 2013 | じぇじぇじぇ | 宮藤官九郎・能年玲奈 | NHK朝ドラ「あまちゃん」の方言の驚き表現 |
| 2013 | 倍返し | 堺雅人・TBSチーム | TBSドラマ「半沢直樹」の名台詞が流行語に |
| 2014 | ダメよ〜ダメダメ | 日本エレキテル連合 | 女性コンビのネタがSNSで爆速拡散 |
| 2015 | 爆買い | 羅怡文 | 中国人観光客によるインバウンド大量消費ブーム |
| 2016 | 神ってる | 緒方孝市・鈴木誠也 | 広島カープのスラングが球界・日常語に浸透 |
| 2017 | インスタ映え | CanCam it girl | インスタグラム全盛で「映えること」が価値になった |
| 2017 | 忖度 | ― | 森友・加計学園問題で官僚用語が一般に広まった |
| 2018 | そだねー | ロコ・ソラーレ | 平昌五輪女子カーリングチームの会話が親しみを集めた |
| 2019 | ONE TEAM | ラグビーW杯日本代表 | 外国出身選手と日本人が一丸になりベスト8進出 |
| 2020 | 3密 | 小池百合子 | コロナ禍の「密閉・密集・密接」の回避が合言葉に |
| 2021 | リアル二刀流/ショータイム | 大谷翔平 | MLBで投打二刀流を実現し世界を席巻 |
| 2022 | 村神様 | 村上宗隆 | ヤクルト・村上宗隆が56本塁打・三冠王で神格化 |
| 2023 | アレ(A.R.E.) | 岡田彰布 | 阪神タイガース38年ぶり日本一、優勝を「アレ」と呼んで |
| 2024 | ふてほど | 『不適切にもほどがある!』チーム | 昭和の価値観をコメディで描いたTBSドラマの略称 |
| 2025 | 働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相 | 高市早苗 | 日本初の女性首相が誕生・就任の決意を語った発言 |
※2026年分は2026年12月の発表予定です(現時点で未発表)。
歴代受賞語の豆知識
語数最多は2013年の4語同時受賞
2013年は「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」の4語が年間大賞を同時受賞しました。東京五輪誘致・朝ドラ「あまちゃん」・ドラマ「半沢直樹」・予備校CMと話題が重なった異例の年でした。
1990年代はスポーツ語が豊富
「NOMO」「ハマの大魔神」「リベンジ」「雑草魂」「チョー気持ちいい」など、野球やスポーツに関連する受賞語が多い時代。野茂・松坂・上原・北島ら名選手の言葉が次々と選ばれました。
社会問題を表す言葉も多い
「セクシャル・ハラスメント」(1989年)は当時まだ知られていなかった概念を社会に広めるきっかけに。「3密」(2020年)はコロナ対策として世界にも広まりました。受賞語は時代の課題も映し出しています。
同じ人物が複数回受賞
小泉純一郎は2001年「小泉語録」・2005年「小泉劇場」と受賞者として2回登場。大谷翔平は2021年受賞後も毎年のように候補に挙がる常連です。
まとめ
1984年から2025年まで42年分の新語・流行語大賞を一覧で紹介しました。年ごとの受賞語を追うだけで、バブル・阪神大震災・政権交代・コロナ禍・スポーツの熱狂——日本社会の変化が鮮やかによみがえります。今年(2026年)の大賞も12月に発表予定です。昭和・平成から現代まで続く「言葉の記録」として、ぜひ保存しておいてください。
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