皇室敬語・最高敬語まとめ|陛下・殿下・崩御など正しい使い方一覧

「陛下」と「殿下」はどう使い分けるのか、「崩御」と「薨去」はどちらがどの皇族に使うのか——皇室ニュースに触れるたびに気になる人は多いはずです。皇室には日常の敬語とは別に「最高敬語」と呼ばれる特別な言葉づかいの体系があります。この記事では、敬称・行幸・死去・文書・宮殿・儀式・特有動詞の7分野に分け、皇室敬語64語をテーブルで完全一覧にまとめました。ニュースや式典の中継で耳にするたびに確認できるリファレンスとして活用ください。

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皇室敬語(最高敬語)とは

皇室敬語とは、天皇・皇族に対して使う日本語の特別な敬語体系で「最高敬語(さいこうけいご)」とも呼ばれます。一般的な敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)よりもさらに一段高い表現で、宮内庁が定める公式用語が基準となっています。現代でも皇室の式典・公式発表・報道で日常的に使われており、テレビの皇室ニュースや歴史の教科書を読む際に知っておくと理解が深まります。

皇室敬語の最も基本的なポイントは次の3つです。①敬称は「天皇・皇后・上皇・上皇后」には「陛下」、それ以外の皇族には「殿下」を使う。②死去を表す言葉は「天皇・皇后」には「崩御」、その他の皇族には「薨去」を使う。③外出を表す「行幸」は天皇専用、皇后・皇太子らは「行啓」、その他の親王・王などは「おなり(お成り)」を使う。以下、分野別の用語一覧を参照ください。

敬称・呼称一覧

皇族の敬称は対象によって厳格に使い分けられています。よく混同される「閣下」は皇族には使わず高位の官職者へ、「猊下(げいか)」は宗教最高指導者への敬称です。

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敬称 読み 使用対象 補足・注意点
陛下 へいか 天皇・皇后・上皇・上皇后 皇族の中で最上位の敬称
殿下 でんか 皇太子・親王・内親王・王・女王および各妃 「陛下」以外の皇族全般に使う
皇后陛下 こうごうへいか 天皇の配偶者(皇后) 天皇と同格の「陛下」を付ける
上皇陛下 じょうこうへいか 退位した天皇 退位後も「陛下」を維持する
上皇后陛下 じょうこうごうへいか 上皇の配偶者 退位後も「陛下」を維持する
皇嗣殿下 こうしでんか 皇位継承順位第1位の皇族 皇太子が置かれない場合は皇嗣の称号を用いる
親王殿下 しんのうでんか 天皇の男子・兄弟など三世以内の男系男子 「文仁親王殿下」のように名前と組み合わせる
内親王殿下 ないしんのうでんか 天皇・上皇の女子など三世以内 「愛子内親王殿下」のように使う
妃殿下 ひでんか 親王・王の配偶者(妃) 「妃殿下」単独または名前と組み合わせる
王殿下 おうでんか 天皇から四世以降の男系男子 三世以内が「親王」、四世以降が「王」
女王殿下 じょおうでんか 天皇から四世以降の女系 三世以内が「内親王」、四世以降が「女王」
みや 宮号を持つ親王の略称・非公式呼称 「秋篠宮さま」のように使う
閣下 かっか 大臣・大使・将軍など高位の官職者 皇族には使わない(注意)
猊下 げいか 法王・大僧正など宗教最高指導者 皇族には使わない(注意)
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行動・行幸に関する用語一覧

天皇・皇族が外出・移動する場面の言葉は、誰が出かけるかによって細かく使い分けられます。「行幸」は天皇専用、「行啓」は皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃などに使い、その他の親王・王などには「おなり(お成り)」を使います。

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用語 読み 使用場面 意味
行幸 ぎょうこう 天皇が宮中の外へ出かけるとき 天皇の外出・巡幸。天皇専用
行啓 ぎょうけい 皇后・皇太后・太皇太后・皇太子・皇太子妃が外出するとき 上記の特定の皇族の外出。その他の親王・王などはおなり(お成り)を使う
行幸啓 ぎょうこうけい 天皇と皇后が一緒に外出するとき 二人同行の場合のみ使う合成語
台臨 たいりん 式典・行事へ皇族が臨席するとき 皇族が会場に出席・列席すること
還幸 かんこう 行幸後に天皇が宮中へ帰るとき 天皇が宮中へ戻ること
還啓 かんけい 行啓後に皇后・皇族が帰宮するとき 皇后らが宮中へ戻ること
御巡幸 ごじゅんこう 天皇が各地を巡って回るとき 全国各地を訪問する行幸
おなり おなり 親王・王など行啓の対象外の皇族が外出・来訪するとき 宮内庁公式では「お成り」と表記。行幸・行啓に準じる
渡御 とぎょ 神輿や神体が移動するとき 神聖な行列・遷座にも使う
御幸 みゆき 天皇・上皇・皇后の外出(古称) 「行幸」の雅語形・和語表現

死去・崩御に関する用語一覧

皇族が亡くなった際に使う言葉は立場によって異なります。「崩御」は天皇・皇后・上皇・上皇后のみに使い、その他の皇族には「薨去(こうきょ)」を使います。

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用語 読み 使用対象 補足
崩御 ほうぎょ 天皇・皇后・上皇・上皇后 最上位の死去敬称。「崩」は常用外漢字のため報道では「ご逝去」を使うこともある
薨去 こうきょ 親王・内親王・王・女王・妃 「崩御」に次ぐ皇族の死去敬称
逝去 せいきょ 一般的な死去の敬称(皇族外) 高位の人物全般に使用できる
崩ずる ほうずる 崩御の動詞形 「天皇が崩ずる」の形で書く
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言葉・文書に関する用語一覧

天皇の発言・文書には専用の呼び名があります。現代では「おことば」が主に使われますが、戦前や公式文書では漢語の「勅語(ちょくご)」「詔書(しょうしょ)」が用いられます。

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用語 読み 意味 使用状況
おことば おことば 天皇のスピーチ・メッセージ 現代で最も広く使われる表現
勅語 ちょくご 天皇の公式な言葉・訓示 戦前は「教育勅語」など公文書に多用
勅旨 ちょくし 天皇のご意向・命令を伝える文書 公式な場での意思表示
詔書 しょうしょ 天皇の公式布告・文書 憲法改正・国会召集などの公文書
宣命 せんみょう 天皇の命令書(奈良〜平安時代) 奈良時代から用いられた和文の詔
御製 ぎょせい 天皇の作った詩・和歌 歌会始で詠まれる天皇の和歌
玉音 ぎょくおん 天皇の声・声明 「玉音放送」(1945年の終戦放送)で有名
聖断 せいだん 天皇の最終的なご判断 終戦決定など歴史的場面で使用
叡旨 えいし 天皇のご意向・命 「叡慮(えいりょ)」とも言う
叡慮 えいりょ 天皇のお考え・ご意向 「叡旨」とほぼ同義で用いる

宮殿・居所・儀式に関する用語一覧

宮殿・居所の用語

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用語 読み 説明
皇居 こうきょ 天皇の住まい(東京・千代田区)
御所 ごしょ 天皇・皇族の住まいの総称(京都御所など)
宮邸 みやてい 宮号を持つ皇族の邸宅
御用邸 ごようてい 皇族の別荘(那須・葉山など)
離宮 りきゅう 本宮以外の皇室の宮殿・別邸
大宮御所 おおみやごしょ 皇太后・上皇后の居所

儀式・行事の用語

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用語 読み 内容 時期・場面
即位礼正殿の儀 そくいれいせいでんのぎ 天皇の即位を宣言する最重要の式典 即位後に国内外へ公表する大礼
大嘗祭 だいじょうさい 天皇即位後初めての新嘗祭 即位後の秋に1度だけ行う
新嘗祭 にいなめさい 収穫を感謝し神々に供える年中行事 毎年11月23日(勤労感謝の日の起源)
践祚 せんそ 天皇位を受け継ぐこと 前天皇の崩御・退位の直後
立太子礼 りったいしれい 皇太子を定める正式な儀式 皇位継承順位が確定した際
納采の儀 のうさいのぎ 皇族の婚約を公式に決める儀式 成婚前の婚約手続き
ご成婚 ごせいこん 皇族の結婚 皇族の婚礼全般を指す
歌会始 うたかいはじめ 天皇・皇族と選ばれた国民が和歌を詠む行事 毎年1月(宮中で開催)
四方拝 しほうはい 元旦に天皇が四方の神々に礼拝する宮中行事 毎年1月1日午前(非公開)
元服 げんぷく 皇族の男子が成年を迎える伝統行事 成年時に行われる
誕辰 たんしん 誕生日(皇族の誕生日の雅語) 「天皇誕生日」の格式ある別称
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皇室特有の動詞・表現

日常語と異なる言い方をする最高敬語の動詞・表現です。同じ動作でも天皇・皇族には一段高い言い換えを使います。

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最高敬語 読み 一般語に相当 意味・用例
遊ばされる あそばされる される・なさる 動詞全般に使える最上位の尊敬語
在らせられる いらせられる いる・いらっしゃる 「いる」の最高敬語形
召す めす 食べる・着る・乗る 複数の動作をまとめる最高敬語
賜る たまわる くださる・いただく 天皇から何かを授かること
奉る たてまつる 差し上げる・献上する 皇族に謹んで差し上げること
天覧 てんらん (天皇が)ご覧になる 「天覧試合」など複合語として定着
天聴 てんちょう (天皇が)お聞きになる 「天聴に達する」(天皇の耳に届く)
叡覧 えいらん (天皇が)ご覧になる 「天覧」より格式ある古語表現
拝謁 はいえつ 天皇にお目にかかること(こちら側の動作) 謙譲表現。「拝謁を賜る」の形で使う

皇室敬語のよくある疑問

「薨去」の「薨」は一般メディアで使いにくい常用外漢字

「崩御」の「崩」は「崩壊・崩落」などにも使われる常用漢字ですが、「薨去(こうきょ)」の「薨(こう)」は常用漢字表に掲載されていない常用外漢字です。そのため、親王・内親王らが亡くなった際、一般メディアでは「薨去」の代わりに「ご逝去(ごせいきょ)」や「お亡くなりになった」を使うことがあります。「崩御」は天皇崩御(1989年の昭和天皇など)の際にNHKを含む主要メディアが広く使った正式な語です。

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「閣下」「猊下」は皇族に使わない

「閣下」は大臣・大使・将軍など高位の官職者への敬称、「猊下」は法王・大僧正など宗教最高指導者への敬称です。どちらも皇族には使いません。「陛下・閣下・猊下」は音が似ていて混同されやすいため、使用対象を整理しておくと便利です。

「行幸啓」は天皇と皇后が一緒のときだけ

「行幸啓」は天皇と皇后がともに外出する場合のみに使う合成語です。天皇が単独で外出すれば「行幸」、皇后が単独なら「行啓」、二人一緒なら「行幸啓」と使い分けます。宮内庁の公式発表や報道の案内文でこの使い分けが見られます。

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まとめ

今回は皇室敬語・最高敬語を敬称・行幸・死去・文書・宮殿・儀式・動詞の7分野に分け、64語をテーブルで一覧にまとめました。最大のポイントは「陛下(天皇・皇后・上皇・上皇后)」と「殿下(その他の皇族)」の使い分け、そして「崩御(天皇・皇后)」と「薨去(その他の皇族)」の使い分けです。皇室ニュースや歴史の教科書を読む際に、本記事を辞書代わりに活用ください。日本語の言葉や用語に興味がある方はニュースの報道用語・隠語一覧も合わせてご覧ください。

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