世界の「ありがとう」102言語一覧|各国語の読み方・語源まとめ

「ありがとう」は、世界中どの文化にも存在する言葉だ。しかしその言い方は言語によって大きく異なり、語源をたどると「神の救い」「恩恵」「義務」など、各民族の感謝観が透けて見えてくる。本記事では、ヨーロッパ・アジア・アフリカ・アメリカ・オセアニアの102言語について、原語表記とカタカナ読みを地域別テーブルで一覧にまとめ、語源グループ別の解説も加えた。旅行前の予習や、語学学習の参考にどうぞ。

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世界の「ありがとう」一覧(102言語)

ヨーロッパ①:ラテン語系(8言語)

フランス語・スペイン語・イタリア語など、ラテン語を先祖にもつロマンス諸語のグループ。同じルーツでも「gratia(恩恵)」由来と「merces(報酬)」由来で二手に分かれる。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
スペイン語 Gracias グラシアス
イタリア語 Grazie グラッツィエ
カタルーニャ語 Gràcies グラシエス
ガリシア語 Grazas グラサス
フランス語 Merci メルシー
ルーマニア語 Mulțumesc ムルツメスク
ポルトガル語 Obrigado/Obrigada オブリガード/オブリガーダ
マルタ語 Grazzi グラッツィ

ヨーロッパ②:ゲルマン語系(9言語)

英語やドイツ語などを含むゲルマン語族。「thank」の祖先は古英語の「þancian(感謝する)」で、「think(考える)」とも語源を共有する。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
英語 Thank you サンキュー
ドイツ語 Danke ダンケ
オランダ語 Dank u wel ダンク・ウ・ウェル
アフリカーンス語 Dankie ダンキー
スウェーデン語 Tack タック
ノルウェー語 Takk タック
デンマーク語 Tak タック
アイスランド語 Takk タック
フェロー語 Takk タック
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ヨーロッパ③:スラヴ語系(12言語)

東欧を中心に広がる言語群。ロシア語の「スパシーバ」は「Spasi Bog(神があなたを救いますように)」に由来するなど、宗教的な背景をもつ表現が特徴的だ。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
ロシア語 Спасибо スパシーバ
ウクライナ語 Дякую ジャクユ
ベラルーシ語 Дзякуй ジャクイ
ポーランド語 Dziękuję ジェンクイェ
チェコ語 Děkuji ジェクイ
スロバキア語 Ďakujem ジャクイェム
セルビア語 Hvala フヴァラ
クロアチア語 Hvala フヴァラ
スロベニア語 Hvala フヴァラ
ボスニア語 Hvala フヴァラ
ブルガリア語 Благодаря ブラゴダリャ
マケドニア語 Благодарам ブラゴダラム

ヨーロッパ④:その他(14言語)

バルト語派・フィン語派・その他のヨーロッパ言語。語源は多様で、バスク語のように他のどの語族にも属さない「孤立語」も含まれる。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
フィンランド語 Kiitos キートス
エストニア語 Tänan テーナン
ラトビア語 Paldies パルディース
リトアニア語 Ačiū アチュー
ハンガリー語 Köszönöm ケセネム
ギリシャ語 Ευχαριστώ エフハリスト
アルバニア語 Faleminderit ファレミンデリット
バスク語 Eskerrik asko エスケリック・アスコ
アイルランド語 Go raibh maith agat ゴ・ロ・モー・アガット
ウェールズ語 Diolch ジョルク
スコットランドゲール語 Tapadh leat タパ・ラット
ジョージア語 გმადლობ グマドロブ
アルメニア語 Շնորհակալություն シュノルハカルトゥン
トルコ語 Teşekkür ederim テシェッキュル・エデリム

中東・中央アジア(10言語)

アラビア語の「シュクラン(شكراً)」は、アラビア語圏はもちろん、中央アジアのチュルク語族やペルシャ語にも広く影響を与えている。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
アラビア語 شكراً シュクラン
ヘブライ語 תודה トダ
ペルシャ語 ممنون マムヌン
トルクメン語 Sag bol サグ・ボル
カザフ語 Рахмет ラフメット
ウズベク語 Rahmat ラフマット
キルギス語 Рахмат ラフマット
タジク語 Ташаккур タシャックル
アゼルバイジャン語 Təşəkkür edirəm テシェッキュル・エディレム
パシュトー語 مننه メナナ
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東アジア(5言語)

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言語 表記(原語) カタカナ読み
日本語 ありがとうございます アリガトウゴザイマス
中国語(普通話) 谢谢 シェシェ
広東語 多謝 ドジェ
韓国語 감사합니다 カムサハムニダ
モンゴル語 Баярлалаа バヤルララー

東南アジア(9言語)

インドネシア語・マレー語の「テリマ・カシー(Terima kasih)」は「受け取る+愛」の合成語。タガログ語の「サラマット」はアラビア語起源とされ、交易の歴史が言葉に刻まれている。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
タイ語 ขอบคุณ コープクン
ベトナム語 Cảm ơn カームオン
インドネシア語 Terima kasih テリマ・カシー
マレー語 Terima kasih テリマ・カシー
タガログ語 Salamat サラマット
ミャンマー語 ကျေးဇူးတင်ပါတယ် チェーズー・ティンバーデー
クメール語 អរគុណ アークン
ラオス語 ຂໍຂອບໃຈ コーコップチャイ
ジャワ語 Matur nuwun マトゥル・ヌウン

南アジア(10言語)

ヒンディー語・ベンガル語などは「ダンニャワード(धन्यवाद)」というサンスクリット語由来の語を使う一方、ウルドゥー語はアラビア語由来の「シュクリヤー(شکریہ)」も日常的に使われる。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
ヒンディー語 धन्यवाद ダンニャワード
ベンガル語 ধন্যবাদ ドンノバード
ウルドゥー語 شکریہ シュクリヤー
パンジャブ語 ਧੰਨਵਾਦ ダンワード
ネパール語 धन्यवाद ダンニャワード
タミル語 நன்றி ナンリ
テルグ語 ధన్యవాదాలు ダンヤワーダル
カンナダ語 ಧನ್ಯವಾದ ダンヤワーダ
マラヤーラム語 നന്ദി ナンディ
シンハラ語 ස්තූතියි ストゥティイ
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アフリカ(14言語)

アフリカには2,000以上の言語が存在すると言われる。ズールー語・コサ語など南アフリカの言語は「感謝する」という動作そのものを表す単語が発達しており、発音にはクリック音が含まれる言語もある。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
スワヒリ語 Asante アサンテ
アムハラ語 አመሰግናለሁ アメセグナレフ
ソマリ語 Mahadsanid マハドサニド
ヨルバ語 E se エ・セ
ハウサ語 Na gode ナ・ゴデ
イグボ語 Daalụ ダアル
ズールー語 Ngiyabonga ンジヤボンガ
コサ語 Enkosi エンコシ
セソト語 Ke a leboha ケ・ア・レボハ
ルワンダ語 Murakoze ムラコゼ
ルガンダ語 Webale ウェバレ
チェワ語 Zikomo ジコモ
ウォロフ語 Jërejëf ジェレジェフ
マラガシー語 Misaotra ミサウトラ

アメリカ大陸(6言語)

スペイン語はラテンアメリカ全域で使われるが、各地の先住民言語にも固有の「ありがとう」が存在する。マヤ語の「ディオス・ボーティク」のようにスペイン語と先住民語が融合した表現も生まれた。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
ナワトル語 Tlazohcamati トラソカマティ
ケチュア語 Sulpayki スルパイキ
グアラニー語 Aguyje アグイジェ
アイマラ語 Yuspagara ユスパガラ
マヤ語(ユカテコ) Dios bo'otik ディオス・ボーティク
ハイチ・クレオール語 Mèsi メルシー

オセアニア(5言語)

ハワイ語の「マハロ」、マオリ語の「ンガ・ミヒ」など、ポリネシア系言語に属する表現が多い。これらの言語はかつてポリネシア人が太平洋を渡って広めたという、壮大な民族移動の歴史を共有している。

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言語 表記(原語) カタカナ読み
ハワイ語 Mahalo マハロ
マオリ語 Ngā mihi ンガ・ミヒ
サモア語 Fa'afetai ファアフェタイ
トンガ語 Mālō マロ
フィジー語 Vinaka ビナカ
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語源グループ別:世界の「ありがとう」のルーツ

言語によって異なる「ありがとう」だが、語源をたどると大きくいくつかのグループに分けられる。

ラテン語「gratia(恩恵・好意)」由来

スペイン語の「Gracias」、イタリア語の「Grazie」はラテン語の「gratias agere(恩恵を表明する)」が語源。英語の「grace(優雅・恩寵)」「gratitude(感謝)」も同じ語根をもつ。ラテン語が広まったローマ帝国の版図と重なるように、ロマンス諸語圏でこのグループが見られる。

フランス語の「Merci」は別系統で、ラテン語の「merces(報酬・対価)」に由来する。本来「値する」という意味だったものが、神の恵み・慈悲へと意味が転じた。英語の「mercy(慈悲)」と同語源だ。

ゲルマン語「þancian(感謝する・思う)」由来

英語の「Thank」は古英語の「þancian」に由来し、「think(考える)」と同じ語根「*tong-(思う・感じる)」をもつ。相手のことを思いやる心が「感謝」になった、という解釈ができる。ドイツ語の「Danke」、北欧諸語の「Tack/Takk/Tak」はいずれも同じ語族だ。

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スラヴ語「благо(善)」由来

ブルガリア語の「Благодаря」、マケドニア語の「Благодарам」は「благо(善)+давам(与える)」の組み合わせ。「善いものを与える」という意味から感謝の表現になった。ロシア語の「Спасибо(スパシーバ)」はやや特殊で、「Spasi Bog(神があなたを救いますように)」という宗教的な祝福の言葉がなまったものだ。

アラビア語「شُكْر(šukr・感謝)」由来

アラビア語の「شكراً(シュクラン)」は「感謝・認める」という意味の語根。イスラム文化の伝播とともにペルシャ語・中央アジアのチュルク語族・ウルドゥー語に広まり、さらにフィリピンのタガログ語「Salamat」にもアラビア語の影響が見られると言われる。

「有り難し」由来(日本語の特殊性)

日本語の「ありがとう」は「有ること(存在すること)が難しい=めったにない・貴重だ」という形容詞「有り難し」が語源。仏教語とも言われており、珍しい・稀有なものに対する感動と感謝が結びついた言葉だとされる。英語の「Thank you」が「思いやり」から、フランス語の「Merci」が「慈悲」から来ているのと対比すると、日本語は「稀少性」への驚きが感謝の出発点だという点で独特だ。

まとめ

世界の「ありがとう」102言語を一覧にまとめた。語源グループは大きくラテン語・ゲルマン語・スラヴ語・アラビア語の4系統に分けられ、各民族がどんな価値観で感謝を捉えてきたかが透けて見える。旅先での一言は言葉の壁を越える最高の挨拶。ぜひお気に入りの「ありがとう」を見つけてほしい。

世界の「こんにちは」110言語一覧はこちらの記事をどうぞ。

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