日本酒の種類一覧|純米・吟醸・大吟醸の違いと精米歩合を完全解説

日本酒のメニューを開くたびに「純米と吟醸って何が違うの?」「大吟醸は何がそんなにすごいの?」と迷ってしまう……そんな経験はありませんか?

実は日本酒には、国税庁が定める「特定名称酒」として8種類の格付けがあります。さらに「生酒」「にごり酒」「古酒」「貴醸酒」など、製法・状態・貯蔵期間によってさらに細かく分類されます。

この記事では、日本酒の種類を特定名称酒8種製法・状態別の分類(普通酒・原酒・生酒など)飲む温度の呼び名(燗9段階)香味の4タイプに分けて完全解説します。居酒屋や酒屋での日本酒選びに、ぜひ役立ててください。

スポンサーリンク

日本酒の種類を決める「3つの基準」

日本酒の種類を整理するには、まず3つの基準を押さえることが大切です。

① 精米歩合(せいまいぶあい)

玄米の外側を削り取った後に残った部分の割合です。「精米歩合50%」とは、玄米の外側を50%削り、芯に近い部分だけを使うという意味。数字が小さいほど磨きが細かく、雑味が少ない香り高い上品なお酒になります。

精米には多くのコストと時間がかかるため、精米歩合が低い(より磨いた)ほど価格が高くなる傾向があります。

② 醸造アルコールの有無

純米系は米と米麹だけで作ります。本醸造系はサトウキビなどを原料とした醸造アルコールを少量添加します。

醸造アルコールは「品質を下げるため入れる」のではなく、お酒の香りを引き立てたり、すっきりとした飲み口を生み出したりするために使われます。純米系と本醸造系に優劣はなく、スタイルの違いです。

③ 製法・状態・貯蔵

火入れ(加熱殺菌)の回数・貯蔵期間・搾り方などによって、「生酒」「にごり酒」「古酒」などに分かれます。

日本酒の種類一覧(特定名称酒8種+その他)

【早見テーブル】特定名称酒8種の違い

国税庁が定める特定名称酒は、醸造アルコールの有無と精米歩合によって8種類に分類されます。

← 横にスクロールできます →

種類 精米歩合 醸造アルコール 特徴
純米大吟醸酒 50%以下 なし フルーティな香り・最高峰
大吟醸酒 50%以下 あり 上品な吟醸香・すっきり
純米吟醸酒 60%以下 なし 米の旨みと吟醸香を両立
吟醸酒 60%以下 あり 華やかな香り・軽快
特別純米酒 60%以下または特別製法 なし 蔵元のこだわり純米
純米酒 規定なし(60%以下が多い) なし 米の旨み・コクが豊か
特別本醸造酒 60%以下または特別製法 あり 本醸造より香り豊か
本醸造酒 70%以下 あり 飲みやすい・コスパよし
スポンサーリンク

最高峰「純米大吟醸・大吟醸」の違い

純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)

精米歩合50%以下、つまりお米を半分以上削った芯の部分だけを使う、特定名称酒の最高峰です。醸造アルコールは一切加えません。

吟醸造り(低温でゆっくり発酵させる特別な製法)によって吟醸香(ぎんじょうこう)が生まれます。メロン・洋梨・バナナのような果実系の香りが特徴で、味わいはすっきりと透明感があります。

飲み方は冷酒(花冷え〜涼冷え:5〜15℃)がおすすめ。刺身・白身魚・タコ・イカなどあっさりした和食に合います。加熱すると繊細な香りが飛びやすいため、燗酒には向きません。

代表的な銘柄例:獺祭(だっさい)・十四代・新政・磯自慢・八海山 など

大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)

精米歩合50%以下という点は純米大吟醸と同じですが、少量の醸造アルコールを添加します。醸造アルコールを加えることで香りがさらに引き立ち、純米大吟醸よりもすっきりとした飲み口になります。

純米大吟醸との違いは「豊かな旨みとコク(純米)」vs「洗練されたすっきり感と華やかな香り(大吟醸)」というスタイルの差です。優劣ではないので、飲み比べて好みを探してみましょう。

華やかな香り「純米吟醸・吟醸」の違い

純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)

精米歩合60%以下で、米と米麹のみを使います。吟醸造りの香りを活かしながら醸造アルコールを使わないため、米の旨みと吟醸香が両立したバランス型です。

「純米大吟醸を飲んでみたいけど価格が…」という場合の入門版としてもおすすめです。冷酒から常温(涼冷え〜冷や:15〜20℃)で楽しめます。

吟醸酒(ぎんじょうしゅ)

精米歩合60%以下で、少量の醸造アルコールを添加した種類です。醸造アルコールが香りを引き立て、純米吟醸よりもさらに軽やかで飲みやすい味わいになります。

日本酒が苦手な方や「まず試してみたい」という入門者にも向いているタイプです。冷酒か常温でどうぞ。

旨みとコスパ「純米・本醸造」系4種

純米酒(じゅんまいしゅ)

精米歩合に法的規定はなく(実際には60%以下が多い)、米と米麹のみで作ります。醸造アルコールを加えないため、お米本来のどっしりとした旨みとコクが最大の特徴です。

燗酒(温めて飲む)にすると旨みが増し、焼き魚・肉料理・みそ汁などとの相性が抜群です。価格帯も比較的手頃で、日常酒として広く愛されています。

特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)

精米歩合60%以下、または蔵元が定める特別な製法で作った純米酒です。「特別」の定義が幅広いため、蔵元の哲学とこだわりが最も反映されやすいカテゴリです。看板商品として展開している蔵も多いです。

本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)

精米歩合70%以下で、少量の醸造アルコールを添加した種類です。醸造アルコールがキレを生み、すっきり飲みやすいのが特徴。価格帯が手頃で、冷酒・常温・燗と幅広い温度帯で楽しめます。「日本酒は重い味が苦手」という方でも飲みやすく、和食全般に合います。

特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)

精米歩合60%以下または特別な製法で作られた本醸造酒です。通常の本醸造より磨いた米を使うため、より洗練された香りとキレがあります。

製法・状態別の種類(その他の清酒)

普通酒(ふつうしゅ)

特定名称酒の条件を満たさないすべての清酒です。日本酒の生産量の概ね6〜7割程度を占め(国税庁統計)、「ワンカップ大関」などのパック酒がこれにあたります。価格が手頃で、燗酒との相性が良いです。

原酒(げんしゅ)

醸造後に加水(割水)せず、そのまま瓶詰めしたお酒です。通常の日本酒が14〜16度前後なのに対し、原酒は18〜20度前後と高くなります。濃厚な旨みと力強い飲み口が特徴で、ロックやソーダ割りにすると飲みやすくなります。

生酒・生貯蔵酒・生詰酒(火入れ回数の違い)

日本酒は通常、製造工程で2回「火入れ」(加熱殺菌)を行います。火入れのタイミングによって3種類に分かれます。

← 横にスクロールできます →

種類 貯蔵前の火入れ 出荷前の火入れ 味わいの特徴
生酒(なまざけ) なし なし フレッシュ感最強。要冷蔵
生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ) なし あり 旨みあり・保存性高い
生詰酒(なまづめしゅ) あり なし まろやか・ひやおろしはこれ

特に生酒は一切加熱しないため、搾りたてのフレッシュな香りが楽しめます。ただし品質が落ちやすく、必ず冷蔵保管が必要です。

にごり酒・活性清酒・どぶろく

にごり酒(にごりざけ)は、粗いフィルターで搾ることで酒粕成分を残した乳白色のお酒です。甘みがあり飲みやすく、日本酒が苦手な方にも人気があります。

活性清酒(かっせいせいしゅ)は、発酵中の炭酸ガスを意図的に残した発泡タイプ。「スパークリング日本酒」とも呼ばれ、近年若い世代を中心に人気が高まっています。

どぶろく(濁酒)は、醪(もろみ)をほとんど搾らずそのまま飲む古来のお酒です。法的には「清酒」ではなく「その他の醸造酒」に分類されます。どろっとした食感と独特のコクが魅力です。

新酒・ひやおろし・古酒(季節による分類)

新酒(しんしゅ)は毎年10〜12月ごろ、その年の新米で醸造・出荷される初しぼりのお酒です。フレッシュで若々しい味わいが楽しめます。

ひやおろし(冷卸)は春に醸造し夏の間蔵で熟成させ、秋(9〜11月)に出荷するお酒です。出荷前の火入れを省く(生詰)ため、まろやかな旨みが増します。「秋あがり」とも呼ばれる秋の風物詩です。

古酒(こしゅ)・長期熟成酒は3年以上(蔵によっては10年以上)貯蔵したお酒で、琥珀色に変化し、ウイスキーやブランデーを思わせる深い香りと複雑な旨みが生まれます。

樽酒・貴醸酒(特殊な種類)

樽酒(たるざけ)は杉の木の樽に貯蔵することで、清涼感のある杉の香りが移ったお酒です。お正月の鏡開きで振る舞われるイメージですが、専門店では通年楽しめます。

貴醸酒(きじょうしゅ)は仕込み水の代わりに清酒を使って醸造する、非常に贅沢な特殊酒です。通常の数倍のコストがかかりますが、濃厚な甘みとコクが生まれます。日本酒度がマイナス30〜50になることもあり、デザートワイン感覚で楽しめます。1973年に国税庁醸造試験所(現・酒類総合研究所)で開発された比較的新しい製法です。

生酛・山廃・速醸(酒母の製法の違い)

日本酒の骨格を決める「酒母(しゅぼ)」の造り方にも種類があり、ラベルに記載されることがあります。

速醸酛(そくじょうもと)は現代の標準製法で、乳酸を直接添加して効率よく酒母を育てます。現在の日本酒の大半がこの方法で作られています。

生酛(きもと)は江戸時代から続く伝統製法で、蔵の自然環境にいる乳酸菌を使います。「山卸し(やまおろし)」と呼ばれる重労働な撹拌作業が必要で、作るのに速醸の2倍ほどの時間がかかります。複雑な旨みと酸味のある骨格がしっかりした味わいが特徴です。

山廃酛(やまはいもと)は生酛の山卸し工程を省略(廃止)した製法です。「山卸しを廃したもと」が略されて「山廃」になりました。生酛に近い複雑な味わいを持ちながら、製造コストを抑えられます。

純米酒や本醸造に「生酛」「山廃」と記載されていれば、より複雑な旨みと強い酸味があるサインです。燗酒との相性が抜群で、通好みの一本として知られています。

スポンサーリンク

温度・香味タイプで好みの日本酒を見つける

燗の呼び名一覧【全9段階】

日本酒は提供温度によって風味が大きく変わります。温めたものを「お燗(かん)」と呼び、温度帯によって細かく9段階の名称があります。

← 横にスクロールできます →

呼び名 温度 飲み方の特徴
雪冷え(ゆきびえ) 約5℃ 香りが締まる。吟醸系に合う
花冷え(はなびえ) 約10℃ 冷酒の定番温度。透明感のある香り
涼冷え(すずびえ) 約15℃ ほぼ常温。バランスがよい
冷や(ひや) 約20℃ 「常温」のこと(冷たい意味ではない)
人肌燗(ひとはだかん) 約35℃ 体温程度。米の旨みが増す
ぬる燗(ぬるかん) 約40℃ 燗酒で最も飲みやすい温度
上燗(じょうかん) 約45℃ 香りが開きやすい
熱燗(あつかん) 約50℃ キレが増す。辛口感が強まる
飛び切り燗(とびきりかん) 約55℃以上 最も熱い。ピリッとした辛さ

注意点として、「冷や」は「常温(約20℃)」を指します。「冷たいお酒」を意味するのではありません。冷たいものは「冷酒」または「雪冷え〜涼冷え」と呼びます。

純米系・本醸造系は燗酒にすると旨みが増します。吟醸・大吟醸は加熱すると繊細な香りが飛びやすいため、冷酒か常温がおすすめです。

香りと味の「4タイプ分類」で好みを知る

SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)が提唱する分類で、日本酒の香りと味わいを4つのタイプに整理しています。「どんな日本酒が好みか」を掴む入口として役立ちます。

← 横にスクロールできます →

タイプ 読み 代表的な種類 香りと味わい
薫酒 くんしゅ 大吟醸・純米大吟醸 フルーティで華やか。冷酒向き
爽酒 そうしゅ 本醸造・普通酒・生酒 軽快でさわやか。食中酒向き
醇酒 じゅんしゅ 純米酒・生酛系 コクが深く旨みが濃い。燗酒向き
熟酒 じゅくしゅ 古酒・長期熟成酒 琥珀色・複雑な香味。食後酒向き

「フルーティで香り豊かな日本酒が好き」なら薫酒(大吟醸・吟醸系)を、「どっしりとした旨みが好き」なら醇酒(純米系)を選ぶと外れにくいです。

スポンサーリンク

まとめ

日本酒の種類は、特定名称酒8種(精米歩合と醸造アルコールの有無で分類)と、製法・状態別の分類(普通酒・原酒・生酒・にごり酒・古酒・貴醸酒など)に大きく分けて理解するとスッキリ整理できます。

精米歩合が低いほど磨いた米を使い、香り高い上品な味わいになります。純米系は米の旨み重視、本醸造系は醸造アルコールでキレとすっきり感が加わります。また、同じお酒でも冷酒と燗酒では風味が変わるため、温度の呼び名を知っておくと注文の楽しさが広がります。

日本酒入門には「吟醸酒」か「純米吟醸酒」を花冷え〜涼冷えで試すのがおすすめです。お酒の席や贈り物選びで日本酒に迷ったとき、この記事の早見テーブルをぜひ参考にしてみてください。

カクテルなど他のお酒の種類が気になる方は、カクテルの種類一覧45選|名前の由来・ベースのお酒まとめもあわせてどうぞ。

一緒に読まれている人気記事

スポンサーリンク

X でフォローしよう!

おすすめの記事