
日本の伝統的な計量体系「尺貫法」は、1958年(昭和33年)末から段階的に使用が規制され、1966年(昭和41年)3月末をもって取引・証明への使用が全面禁止されましたが、坪・一升瓶・貫目など、現代の生活にも深く根付いています。本記事では、尺貫法の単位を長さ・面積・体積・重さの4カテゴリに分けて全24種を一覧化し、メートル法との換算値と現代での使用例を分かりやすい表でまとめました。換算ツールもぜひご活用ください。
尺貫法とは
尺貫法(しゃっかんほう)は、長さの「尺(しゃく)」・重さの「貫(かん)」・体積の「升(しょう)」を基本単位とする日本の伝統的な計量体系です。
古代中国から伝わり、日本では奈良時代以降に公式に採用されました。明治時代にはメートル法が導入されて並存しましたが、計量法の整備により一般商取引では1958年(昭和33年)末から使用が規制され、1966年(昭和41年)3月末をもって取引・証明への使用が全面禁止されました。
それでも「坪(つぼ)」は不動産業界で、「一升(いっしょう)」はお酒・お米の量として、「貫(かん)」は相撲界でと、多くの単位が慣習・業界用語として今でも現役です。また「匁(もんめ)」は計量法で真珠の質量の計量に限定して法定計量単位として認められており、国際的な真珠取引で現在も使用されています。
長さの単位
長さは「尺(しゃく)」を基本とし、10の倍数または分数で体系化されています。
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| 単位 | 読み | メートル法換算 | 現代での使用例 |
|---|---|---|---|
| 里 | り | 約3.927km | 地名(七里の渡し・三里塚等) |
| 町 | ちょう | 約109.09m | 農地測量・地名 |
| 間 | けん | 約1.818m | 建築・畳のサイズ基準 |
| 丈 | じょう | 約3.030m | 「三丈の大男」などの慣用表現 |
| 尺 | しゃく | 約30.30cm(10/33m) | 大工道具・和裁の基本単位 |
| 鯨尺 | くじらじゃく | 約37.88cm | 着物・和服の仕立て専用 |
| 寸 | すん | 約3.030cm | 大工・工芸・刀剣の表示 |
| 分 | ぶ | 約3.030mm | 刃物・金工・印鑑サイズ |
| 厘 | りん | 約0.303mm | 精密部品(現代ではまれ) |
| 毛 | もう | 約0.0303mm | 現代ではほぼ使われない |
関東と関西の「間」の違い: 間(けん)には地域差があり、関東(江戸間)では6尺(約1.818m)、関西では6尺5寸(約1.970m)が使われていました。建築の畳サイズが地域によって異なるのはこのためです。
鯨尺について: 着物・和服の仕立て専門で使われる特殊な尺で、標準の尺(30.3cm)より一回り大きい約37.88cmが1尺に相当します。
面積の単位
面積の単位は農地・土地測量で発展し、「坪」が現代でも不動産業界で広く使われています。
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| 単位 | 読み | メートル法換算 | 現代での使用例 |
|---|---|---|---|
| 町歩 | ちょうぶ | 約9,917m²(≈1ha) | 農地・林野の広さ表示 |
| 反 | たん | 約991.7m² | 農地測量・田畑の広さ |
| 畝 | せ | 約99.17m² | 狭い農地の広さ |
| 坪 | つぼ | 約3.306m²(400/121m²) | 不動産・建築(今でも現役) |
単位の関係: 1町歩 = 10反 = 100畝 = 3,000坪
「坪」は現代でも現役: 不動産広告や建築図面では今でも「坪」が使われています。1坪≈3.31m²(ほぼ畳2枚分)と覚えると便利です。
体積・容積の単位
体積の単位は「升(しょう)」を基本とし、お米・日本酒の量として現代でも親しまれています。
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| 単位 | 読み | メートル法換算 | 現代での使用例 |
|---|---|---|---|
| 石 | こく | 約180.4L | 米の年間収穫量(歴史的表現) |
| 斗 | と | 約18.04L | 一斗缶(ペンキ・灯油の容器) |
| 升 | しょう | 約1.804L | 一升瓶(日本酒・醤油) |
| 合 | ごう | 約180.4mL | 米の計量・日本酒の量(現役) |
| 勺 | しゃく | 約18.04mL | 薬・少量の油(現代ではまれ) |
単位の関係: 1石 = 10斗 = 100升 = 1,000合 = 10,000勺
「一升瓶」と「一合炊き」: 一升瓶の容量は1.8L(約1升分)。炊飯器の「3合炊き」「5合炊き」も同じ単位です。「石高(こくだか)」は江戸時代の武士・大名の収入を米で表した単位で、1石=約1年分の1人の食料量(180Lのお米)に相当します。
重さの単位
重さの単位は「貫(かん)」「匁(もんめ)」が基本で、相撲や真珠取引で今でも使われています。
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| 単位 | 読み | メートル法換算 | 現代での使用例 |
|---|---|---|---|
| 貫 | かん | 3.75kg(3,750g) | 相撲の体重・「〇貫目」 |
| 斤 | きん | 約600g(160匁) | パンの「1斤」 |
| 両 | りょう | 約37.5g(10匁) | 江戸時代の金貨の重量単位 |
| 匁 | もんめ | 3.75g | 真珠の国際取引単位(現役) |
| 分 | ふん | 約0.375g(1/10匁) | 漢方薬の処方単位 |
単位の関係: 1貫 = 160斤 ÷(換算注意)= 1,000匁
匁は今でも現役: 真珠の重さは国際的に「もんめ(匁)」で取引されています。英語圏でも "momme" と呼ばれ、1momme = 3.75gとして使用されています。
パンの「1斤」: 日本のパン業界で使われる「斤」は、尺貫法の斤(600g)より小さく、JAS規格では「340g以上」と定められています。元々は明治時代に輸入されたパンの重さが基準になったものです。
尺貫法換算ツール
尺・寸・間・坪・升・貫などをメートル法に一発換算できます。
※尺貫法は計量法により、現在は取引や証明に使用できません(1966年全面禁止)。このツールは参考用の換算です。ただし「匁(もんめ)」は真珠の質量の計量に限り法定計量単位として認められています。
まとめ
尺貫法の単位は長さ・面積・体積・重さの4系統に分かれ、それぞれ10進法で体系化されています。
- 長さ(10種): 里→町→間→丈→尺→(鯨尺)→寸→分→厘→毛
- 面積(4種): 町歩→反→畝→坪(不動産で現役)
- 体積(5種): 石→斗→升→合→勺(一升瓶・一合炊きの由来)
- 重さ(5種): 貫→斤→両→匁→分(真珠取引で現役)
法律上の使用は1959年に廃止されましたが、坪・一升・貫など多くの単位が今も日常会話・業界用語として生き続けています。日本のSI単位(メートル法)の体系についてはSI単位・組立単位一覧|7基本単位と固有名称22種の語源まとめもあわせてご覧ください。
腕試しクイズ(全5問)
尺貫法の単位、どこまで知っていますか?
計量法(昭和26年法律第207号) https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000207(2026-08-26参照)