
振り子が揺れる軌跡、放物運動で描く放物線——これらは中学・高校物理の定番ですが、「実際にパラメータを変えながら動かしてみる」機会はなかなかありません。
このページでは振り子と放物運動の物理シミュレーターを提供しています。スライダーを動かすと法則がリアルタイムでアニメーションに反映されます。学習の補助にも、純粋に眺めるだけでも楽しめます。データの送信は一切なく、すべてブラウザ内で完結します。
物理シミュレーター
使い方
- シミュレーションの種類を選ぶ:ドロップダウンから「振り子」または「放物運動」を選択します。
- パラメータをスライダーで調整する:ひもの長さ・振れ角・重力(振り子)、または初速・角度・重力(放物運動)を自由に変えられます。
- 「スタート/リセット」を押す:スライダーを動かすと自動でリセットされます。ボタンでいつでも再スタートできます。
すべてブラウザ内で処理されるため、通信・送信は発生しません。
振り子シミュレーション:周期を決めるのは「長さ」と「重力」だけ
振り子の最大の特徴は「等時性」——振れ幅が小さければ、振幅が変わっても周期がほぼ一定になる性質です。1583年頃にガリレオ・ガリレイが発見したとされ、後に振り子時計の設計へ応用されました。
単振り子の周期の公式
T(周期・秒)= 2π × √(L ÷ g)
- L:ひもの長さ(m)
- g:重力加速度(地球は約9.8 m/s²)
この式からわかる重要な事実は、周期を変えるのは「ひもの長さ」と「重力」だけで、おもりの質量は関係ないということです。重いおもりも軽いおもりも、同じ長さで同じ周期で揺れます。
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| ひもの長さ | 地球(g=9.8)での周期(目安) |
|---|---|
| 25 cm | 約1.0秒 |
| 50 cm | 約1.4秒 |
| 100 cm(1 m) | 約2.0秒 |
| 250 cm | 約3.2秒 |
シミュレーターで「重力」スライダーを月面相当の1.6 m/s²付近まで下げると、地球の約2.5倍ゆっくり揺れる月の振り子が体感できます。重力が弱い場所では時計がゆっくり進む理由が、この単純な式から見えてきます。
なお、振り子の等時性が成立するのは「小角振動(振れ角が小さいとき)」の近似です。シミュレーターで振れ角を最大に設定すると、厳密には公式からわずかにズレた動きをしています。
放物運動シミュレーション:角度45°で飛距離が最大に
ボールを投げたときに描く曲線が「放物線」です。放物運動は水平方向(等速直線運動)と垂直方向(重力による自由落下)の2つの動きを組み合わせて説明できます。
放物運動の基本式(空気抵抗なし)
水平方向:x = v₀ × cos(θ) × t(一定速度で進む)
垂直方向:y = v₀ × sin(θ) × t − ½ × g × t²(重力で減速・落下)
- v₀:初速
- θ(シータ):発射角
- t:経過時間
理論上は発射角45°で飛距離が最大になります。シミュレーターで角度を変えながら軌跡の違いを確認してみてください。
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| 発射角 | 軌跡の特徴 |
|---|---|
| 10〜20° | 低く速い軌跡・飛距離は短め |
| 45° | 理論上の最大飛距離 |
| 60〜70° | 高く上がるが水平距離は短くなる |
| 80〜90° | ほぼ真上に飛び、ほぼ同じ地点に落ちる |
シミュレーターでは空気抵抗を無視した理想モデルを採用しています。現実のスポーツ(砲丸投げ・野球など)では空気抵抗やボールの回転の影響で、最大飛距離が出る最適角度は45°より小さくなることが知られています。「理想と現実の差」を考えるきっかけにもなります。
物理の法則・定理91選(ニュートン力学から量子力学まで)では、放物運動の背景にあるニュートンの運動方程式も含め、物理の重要法則を一覧で紹介しています。
よくある質問
Q. 振り子の質量を変えるスライダーがないのはなぜですか?
A. 単振り子の周期は質量に無関係だからです。「重力と質量が打ち消し合う」という等価原理の基礎により、重いおもりも軽いおもりも同じ周期で揺れます。スライダーを増やしても動きが変わらないため省いています。
Q. 月での振り子を体感するには?
A. 「重力」スライダーを1.6(月面の重力加速度:地球の約6分の1)に設定してください。ゆっくりとした月面らしい動きが再現されます。
Q. 空気抵抗は含まれますか?
A. 含まれません。振り子・放物運動ともに空気抵抗を無視した理想モデルです。物理の法則を直感的に確かめるために簡略化しています。
Q. スマートフォンでも使えますか?
A. はい、スマートフォン・タブレット・PCで動作します。データの通信は発生しません。
まとめ
振り子シミュレーションでは「ひもの長さ」と「重力」が周期を決め、質量は関係しないという等時性を体感できます。放物運動シミュレーションでは「45°が最大飛距離」という理論を目で確かめられます。
スライダーを動かしながら「なぜそうなるのか」を考えると、物理の公式が実感を持って理解できます。ぜひパラメータをいろいろ変えて楽しんでみてください。
参考・出典
- セイコーミュージアム銀座「機械式時計の誕生」 https://museum.seiko.co.jp/knowledge/MechanicalTimepieces03/ (2026-09-12参照)