二十四節気・七十二候一覧|読み方・意味・時期まとめ【全96種】

「立春」「夏至」「冬至」はご存じでも、「七十二候」まで知っている方は少ないのではないでしょうか。二十四節気は太陽の動きをもとに1年を24等分した暦の区分で、さらに各節気を3つに細分した七十二候と合わせると、日本の先人たちが自然の変化をいかに細やかに観察していたかがわかります。この記事では二十四節気24種・七十二候72種の全96種を、読み方・意味・時期とともに網羅しました。

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二十四節気24種一覧

二十四節気とは、太陽が黄道を360度回る軌道を24等分し、それぞれの区切りに名前をつけた暦の区分です。中国で生まれ、日本には奈良時代頃に伝わりました。現在も気象情報や季語として広く使われています。日付は太陽の動きで決まるため、毎年1日前後ずれます。

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節気 読み 時期(目安) 意味・特徴
立春 りっしゅん 2月4日頃 春の気配が立ち始まる。暦の上での春の始まり
雨水 うすい 2月19日頃 雪が雨に変わり、大地の氷が溶け始める
啓蟄 けいちつ 3月6日頃 冬眠していた虫が地上に出てくる
春分 しゅんぶん 3月20日頃 昼夜の長さがほぼ等しくなる。春の彼岸の中日
清明 せいめい 4月5日頃 万物が清らかに明るく輝き、花が咲き乱れる
穀雨 こくう 4月20日頃 穀物を育てる恵みの春雨が降る時期
立夏 りっか 5月6日頃 夏の気配が立ち始まる。暦の上での夏の始まり
小満 しょうまん 5月21日頃 万物が次第に成長し、気力が満ちてくる
芒種 ぼうしゅ 6月6日頃 芒(のぎ)を持つ穀物の種を播く頃
夏至 げし 6月21日頃 一年で最も昼が長く、夜が短い日
小暑 しょうしょ 7月7日頃 梅雨が明け、本格的な暑さが始まる
大暑 たいしょ 7月23日頃 一年で最も暑い時期
立秋 りっしゅう 8月7日頃 秋の気配が立ち始まる。暦の上での秋の始まり
処暑 しょしょ 8月23日頃 厳しい暑さが和らぎ始める
白露 はくろ 9月8日頃 草の葉に白く光る露が宿り始める
秋分 しゅうぶん 9月23日頃 昼夜の長さがほぼ等しくなる。秋の彼岸の中日
寒露 かんろ 10月8日頃 露が冷たく感じられるようになる
霜降 そうこう 10月23日頃 朝晩に霜が降りるようになる
立冬 りっとう 11月7日頃 冬の気配が立ち始まる。暦の上での冬の始まり
小雪 しょうせつ 11月22日頃 雪が少し降り始める。まだ積もるほどではない
大雪 たいせつ 12月7日頃 雪が本格的に多く降るようになる
冬至 とうじ 12月22日頃 一年で最も夜が長く、昼が短い日
小寒 しょうかん 1月5日頃 寒さが少し増す。「寒の入り」とも呼ばれる
大寒 だいかん 1月20日頃 一年で最も寒さが厳しい時期

七十二候72種一覧

七十二候とは、二十四節気をさらに約5日ごとに「初候・次候・末候」の3つに細分したものです。草木・動物・気象の変化を詩的な漢語で表現しており、72種すべての言葉に古代の人々の自然観が凝縮されています。元は中国の暦ですが、日本の気候に合わせて江戸時代に改編されました。

春の七十二候(立春〜穀雨)

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候名 読み 対応節気 意味
東風解凍 はるかぜこおりをとく 立春・初候 東からの春風が川や湖の氷を解かし始める
黄鶯睍睆 うぐいすなく 立春・次候 鶯が山里でさえずり始める
魚上氷 うおこおりをいずる 立春・末候 水面の氷が割れて魚が跳ね上がる
土脉潤起 つちのしょううるおいおこる 雨水・初候 雨が降って大地が湿り気を帯び始める
霞始靆 かすみはじめてたなびく 雨水・次候 春らしい霞がたなびき始める
草木萌動 そうもくめばえいずる 雨水・末候 草や木が芽吹き始める
蟄虫啓戸 すごもりのむしとをひらく 啓蟄・初候 冬ごもりの虫が穴を開けて地上に出てくる
桃始笑 ももはじめてさく 啓蟄・次候 桃の花が咲き始める(「笑う」は花開くの意)
菜虫化蝶 なむしちょうとなる 啓蟄・末候 菜の花についた青虫が蝶に変わる
雀始巣 すずめはじめてすくう 春分・初候 雀が巣作りを始める
桜始開 さくらはじめてひらく 春分・次候 桜の花が咲き始める
雷乃発声 かみなりすなわちこえをはっす 春分・末候 春の雷(春雷)が鳴り始める
玄鳥至 つばめきたる 清明・初候 ツバメが南から渡ってくる
鴻雁北 こうがんかえる 清明・次候 雁が北方へ帰っていく
虹始見 にじはじめてあらわる 清明・末候 春の雨上がりに虹が見えるようになる
葭始生 あしはじめてしょうず 穀雨・初候 水辺の葦が芽吹き始める
霜止出苗 しもやんでなえいずる 穀雨・次候 霜が降らなくなり、苗が育ち始める
牡丹華 ぼたんはなさく 穀雨・末候 牡丹の花が咲く
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夏の七十二候(立夏〜大暑)

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候名 読み 対応節気 意味
蛙始鳴 かわずはじめてなく 立夏・初候 蛙が鳴き始める
蚯蚓出 みみずいずる 立夏・次候 ミミズが土から出てくる
竹笋生 たけのこしょうず 立夏・末候 竹の子が生え出す
蚕起食桑 かいこおきてくわをはむ 小満・初候 蚕が目覚めて桑の葉を食べ始める
紅花栄 べにばなさかう 小満・次候 紅花が盛んに咲く
麦秋至 むぎのときいたる 小満・末候 麦が実り収穫の時を迎える
螳螂生 かまきりしょうず 芒種・初候 カマキリが卵から生まれる
腐草為蛍 くされたるくさほたるとなる 芒種・次候 蛍が飛び始める(古代は草が蛍になると信じられた)
梅子黄 うめのみきばむ 芒種・末候 梅の実が黄色く色づき熟す
乃東枯 なつかれくさかるる 夏至・初候 夏枯草(うつぼぐさ)が枯れる
菖蒲華 あやめはなさく 夏至・次候 菖蒲の花が咲く
半夏生 はんげしょうず 夏至・末候 烏柄杓(からすびしゃく・半夏の古名)が生える。現代では片白草を指すとも
温風至 あつかぜいたる 小暑・初候 温かい南風が吹いてくる
蓮始開 はすはじめてひらく 小暑・次候 蓮の花が咲き始める
鷹乃学習 たかすなわちわざをならう 小暑・末候 鷹の雛が飛ぶ術を学ぶ
桐始結花 きりはじめてはなをむすぶ 大暑・初候 桐の木が花の蕾を持ち始める
土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし 大暑・次候 湿気で大地が湿り、蒸し暑さが最高潮に
大雨時行 たいうときどきふる 大暑・末候 夕立のような大雨が時々降る

秋の七十二候(立秋〜霜降)

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候名 読み 対応節気 意味
涼風至 すずかぜいたる 立秋・初候 涼しい風が吹いてくる
寒蝉鳴 ひぐらしなく 立秋・次候 蜩(ひぐらし)が鳴き始める
蒙霧升降 ふかきりまとう 立秋・末候 深い霧が立ち込めるようになる
綿柎開 わたのはなしべひらく 処暑・初候 綿の萼(がく)が開く
天地始粛 てんちはじめてさむし 処暑・次候 大気が引き締まり、暑さが和らぎ始める
禾乃登 こくものすなわちみのる 処暑・末候 稲など穀物が実り始める
草露白 くさのつゆしろし 白露・初候 草の葉に白い露が光る
鶺鴒鳴 せきれいなく 白露・次候 鶺鴒(セキレイ)が鳴き始める
玄鳥去 つばめさる 白露・末候 ツバメが南の地へ帰っていく
雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ 秋分・初候 夏の雷が鳴らなくなる
蟄虫坏戸 むしかくれてとをふさぐ 秋分・次候 虫が土に潜り、戸口を塞いで冬ごもりの準備
水始涸 みずはじめてかるる 秋分・末候 田んぼの水が涸れ始める
鴻雁来 こうがんきたる 寒露・初候 雁が北方から渡ってくる
菊花開 きくのはなひらく 寒露・次候 菊の花が咲く
蟋蟀在戸 きりぎりすとにあり 寒露・末候 コオロギが戸口近くで鳴く
霜始降 しもはじめてふる 霜降・初候 霜が初めて降り始める
霎時施 こさめときどきふる 霜降・次候 小雨がぱらぱらと降るようになる
楓蔦黄 もみじつたきばむ 霜降・末候 紅葉や蔦が黄色く色づき始める

冬の七十二候(立冬〜大寒)

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候名 読み 対応節気 意味
山茶始開 つばきはじめてひらく 立冬・初候 山茶花(さざんか)が咲き始める
地始凍 ちはじめてこおる 立冬・次候 大地が凍り始める
金盞香 きんせんかさく 立冬・末候 水仙の花が咲く(金盞は「金の盃」の意で水仙の花の形に由来)
虹蔵不見 にじかくれてみえず 小雪・初候 虹が見えなくなる
朔風払葉 きたかぜこのはをはらう 小雪・次候 北風が木の葉を吹き払う
橘始黄 たちばなはじめてきばむ 小雪・末候 橘の実が黄色く色づく
閉塞成冬 そらさむくふゆとなる 大雪・初候 天地の気が閉ざされ、冬が到来する
熊蟄穴 くまあなにこもる 大雪・次候 熊が穴に入って冬眠する
鱖魚群 さけのうおむらがる 大雪・末候 鮭が群れをなして川を上る
乃東生 なつかれくさしょうず 冬至・初候 夏に枯れていた夏枯草(うつぼぐさ)が芽吹く
麋角解 おおしかのつのおつる 冬至・次候 大鹿の角が自然に抜け落ちる
雪下出麦 ゆきわたりてむぎいずる 冬至・末候 雪の下で麦の芽が出てくる
芹乃栄 せりすなわちさかう 小寒・初候 芹(せり)が盛んに生長する
水泉動 しみずあたたかをふくむ 小寒・次候 地中の泉が動き始め、温もりを帯びる
雉始雊 きじはじめてなく 小寒・末候 雉が鳴き始める
款冬華 ふきのはなさく 大寒・初候 蕗の薹(ふきのとう)が花を咲かせる
水沢腹堅 さわみずこおりつめる 大寒・次候 沢の水が厚く凍りつく
鶏始乳 にわとりはじめてとやにつく 大寒・末候 鶏が卵を産み始める
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二十四節気・七十二候の豆知識

七十二候は江戸時代に日本独自に改編された

七十二候はもともと中国の暦で、黄河流域の気候や動植物をもとに作られました。日本に伝わった後も長らく中国版がそのまま使われていましたが、1685年(貞享2年)に江戸幕府の天文方・渋川春海(しぶかわはるみ)が日本の気候に合わせて大幅に改訂しました。

たとえば中国版の「虎始交(とらはじめてこうず)」は日本版では「桃始笑(ももはじめてさく)」に、「鷙鳥厲疾(ちょうはやくとなる)」は「鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)」に変わっています。日本固有の桜・梅・ツバメなどが登場するのも日本版ならではの特徴です。

現代に残る七十二候の言葉

七十二候の言葉は、暦や天気予報・料理の世界で現在も生きています。

  • 半夏生(はんげしょう):芒種の末候。農家がこの日までに田植えを終える目安とされた。タコを食べる習慣がある地域もある
  • 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし):大暑の次候。「蒸し暑い」という感覚を漢語で表現した言葉
  • 寒の入り:小寒を指す言葉として現代でも使われる表現
  • 春の彼岸・秋の彼岸:春分・秋分をはさむ前後7日間で、七十二候と同じ暦の体系から生まれた

なぜ「24」と「72」なのか

二十四節気の「24」は、1年(約365日)を24等分したもので、1節気はおよそ15日。これをさらに3分割(約5日ごと)したのが七十二候で、24×3=72となります。

なぜ「72」なのかについては、暦学者の間でも諸説あります。有力な説は「1年365日を5日ごとに区切ると約73等分になるが、暦の区切りとして縁起の良い72を採用した」というものです。また「古代の360日暦を5日×72候で表した」という説や、古代中国の思想的な神聖数だったという説もあります。いずれにせよ、72という数字に先人たちの自然への繊細な観察眼が宿っています。

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まとめ

二十四節気は1年を24に分けた季節の目安、七十二候はそれをさらに5日ごとに細分した日本の自然観察の記録です。合わせて全96種で、草木・動物・気象の移り変わりを細かく言葉にしてきた先人の知恵が凝縮されています。

和風月名(睦月・師走など)の語源と意味元号一覧(大化〜令和)と合わせて読むと、日本古来の時間の感覚をより深く味わえます。

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