世界の擬音語の違い一覧|犬のワンワン・鶏のコケコッコーを8言語で比較

世界の擬音語(オノマトペ)は、国によって聞こえ方が大きく異なります。犬の鳴き声を例にとると、日本語では「ワンワン」ですが、英語では「bow-wow(バウワウ)」、フランス語では「ouaf ouaf(ワフワフ)」、そして中国語ではなんと「汪汪(ワンワン)」と日本語にそっくりな発音。同じ動物の鳴き声なのに、これほど聞こえ方が変わります。

本記事では、世界の擬音語を英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語の8言語で徹底比較します。動物16種の鳴き声から自然の音まで一覧でまとめました。

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オノマトペとは何か

オノマトペ(onomatopoeia)とは、音そのものを言葉で表した擬音語・擬態語の総称です。フランス語の「onomatopée」が語源で、世界中のあらゆる言語に存在します。

ただし、同じ音でも聞こえ方は言語によって大きく異なります。英語には「v」や「th」の音があり、フランス語には鼻母音(アン・オン)があるなど、各言語に固有の音体系があるためです。だからこそ、同じ犬の鳴き声が「ワンワン」にも「bow-wow」にも「ouaf ouaf」にも聞こえるのです。

なお、日本語は世界でも特にオノマトペが豊富な言語で、4,500語以上存在するとされています(諸説あり)。他の言語と比べて桁違いに多く、感情・感覚・状態まで表現できる点が特徴です。日本語のオノマトペについて詳しくは日本語のオノマトペ30選|擬音語・擬態語の不思議な世界もご覧ください。

動物の鳴き声を各国語で比較

動物の鳴き声を8言語で比較した一覧です。言語グループ別に3つの表に分けています。

欧州語系①(英語・フランス語・ドイツ語)

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動物 日本語 英語 フランス語 ドイツ語
ワンワン woof woof / bow-wow ouaf ouaf wau wau
猫(鳴き声) ニャー meow miaou miau
猫(ゴロゴロ) ゴロゴロ purr ronron schnurr
モー moo meuh muh
ブーブー oink oink groin groin grunz grunz
ヒヒーン neigh hiii hiii hiiih
メーメー baa baa bê bê mäh mäh
雄鶏 コケコッコー cock-a-doodle-doo cocorico kikeriki
アヒル ガーガー quack quack coin coin quak quak
カエル ケロケロ ribbit coâ coâ quak quak
小鳥 チュンチュン tweet tweet cui cui piep piep
フクロウ ホーホー hoot hoot hou hou uhu
ハチ ブーン buzz buzz bzzz summ summ
カラス カーカー caw caw croâ croâ kräh kräh
ヘビ シューシュー hiss hiss sss sss
キツネ コンコン yip yip
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欧州語系②(スペイン語・イタリア語・ロシア語)

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動物 日本語 スペイン語 イタリア語 ロシア語
ワンワン guau guau bau bau гав гав(gav gav)
猫(鳴き声) ニャー miau miao мяу(myau)
猫(ゴロゴロ) ゴロゴロ ronron frrr мурр(murr)
モー muuu muu му(mu)
ブーブー oinc oinc gruik gruik хрю хрю(khryoo khryoo)
ヒヒーン hii hii ihiiiii иго-го(igo-go)
メーメー beee bee bee бе-бе(be-be)
雄鶏 コケコッコー quiquiriquí chicchirichì ку-ка-ре-ку(ku-ka-re-ku)
アヒル ガーガー cuac cuac qua qua кря-кря(krya-krya)
カエル ケロケロ croac croac cra cra ква-ква(kva-kva)
小鳥 チュンチュン pío pío cip cip чирик(chirik)
フクロウ ホーホー uu uu uhuu уху(ukhu)
ハチ ブーン bzzzz bzzz жж(zhzh)
カラス カーカー graaa graaa cra cra кар-кар(kar-kar)
ヘビ シューシュー ssss ssss шш(shsh)
キツネ コンコン arf arf

アジア言語(中国語・韓国語)

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動物 日本語 中国語(普通话) 韓国語
ワンワン 汪汪(wāngwāng) 멍멍(mong mong)
猫(鳴き声) ニャー 喵(miāo) 야옹(ya-ong)
猫(ゴロゴロ) ゴロゴロ 呼噜(hūlū) 그르릉(geureureng)
モー 哞(mōu) 음매(eum-mae)
ブーブー 哼哼(hēnghēng) 꿀꿀(kkul kkul)
ヒヒーン 嘶(sī) 히힝(hi-hing)
メーメー 咩咩(miēmiē) 매애(mae-ae)
雄鶏 コケコッコー 喔喔喔(ōōō) 꼬끼오(kkokk-kkio)
アヒル ガーガー 嘎嘎(gāgā) 꽥꽥(kkwaek kkwaek)
カエル ケロケロ 呱呱(guāguā) 개굴개굴(gaegul gaegul)
小鳥 チュンチュン 啾啾(jiūjiū) 짹짹(jjaekjjaek)
フクロウ ホーホー 咕咕(gūgū) 부엉부엉(boo-eong)
ハチ ブーン 嗡嗡(wēngwēng) 윙윙(wing wing)
カラス カーカー 哇哇(wāwā) 까악까악(kkawak kkawak)
ヘビ シューシュー 咝咝(sīsī) 쉬쉬(shwi shwi)
キツネ コンコン
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自然の音を各国語で比較

動物の鳴き声だけでなく、自然現象の音も言語によって聞こえ方が異なります。

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音の種類 日本語 英語 中国語 韓国語
大雨 ザーザー pour / patter 哗哗(huāhuā) 쏴쏴(sswa sswa)
小雨 しとしと pitter-patter 淅沥(xīlī) 부슬부슬(busul busul)
ゴロゴロ rumble / boom 轰隆(hōnglóng) 우르르쾅쾅(ururr kkwang)
ビュービュー whoosh / howl 呼呼(hūhū) 쌩쌩(ssaeng ssaeng)
ザブザブ splash / swish 哗哗(huāhuā) 출렁출렁(chulreong)
焚き火 パチパチ crackle 噼啪(pīpā) 타닥타닥(tadak tadak)

豆知識:擬音語にまつわる面白い話

「cocorico」はフランスの誇りを表す言葉にもなった

フランス語で雄鶏の鳴き声を表す「cocorico(ココリコ)」は、フランスの国民的なシンボルとしても機能しています。フランスの象徴であるガリアの雄鶏(le coq gaulois)にちなみ、自国の誇りや喜びを示すときに「Cocorico !」と叫ぶ表現が根付いています。英語の「cock-a-doodle-doo」(6音節)と比べ、「cocorico」(4音節)は短くてリズミカルです。

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「ribbit」は特定のカエルの声が起源とされる

英語でカエルを「ribbit(リビット)」と表現しますが、これは北米西部に生息するアマガエルの一種(Pacific treefrog / Pseudacris regilla)の鳴き声が元になっているとされています(諸説あり)。ハリウッドの撮影スタジオがカリフォルニア州に集中しており、映画の効果音として使われたことで「英語でのカエルの声=ribbit」として広まったと考えられています。

日本語のオノマトペは世界でも圧倒的に豊富

日本語のオノマトペは4,500語以上あるとされ(小野正弘『日本語オノマトペ辞典』、諸説あり)、英語や他の言語と比べて圧倒的に多いとされています。特に雨の表現が多彩で「ザーザー」「しとしと」「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「じとじと」「ぴちぴち」「しょぼしょぼ」など、降り方の細かなニュアンスをひと言で表現できます。英語では基本的に「rain」「drizzle」「downpour」などの名詞で状況を分けるのと対照的です。

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まとめ

世界の擬音語を比較すると、同じ音でも言語によってこれほど異なる表現になることがよくわかります。猫の「ニャー / meow / miaou」のように世界共通に近い音もあれば、雄鶏の「コケコッコー / cock-a-doodle-doo / cocorico / kikeriki / quiquiriquí」のように全く違うものも。中国語「汪汪(ワンワン)」と日本語「ワンワン」がたまたま一致するような面白い偶然も見つかります。各国の音の感じ方・表現の違いが、その言語の音体系や文化を反映している点が擬音語の魅力です。

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