
和服・着物には独特の専門用語が多く、初心者にはわかりにくいと感じる方も少なくありません。
本記事では、着物の各部位の名称(30種類以上)から着物の種類、帯の種類、着物小物の名称まで、和服に関する呼び方を項目別に網羅しました。着付けを習い始めた方や着物選びの参考にどうぞ。なお、着物の文様については日本の伝統柄・和柄87種一覧も合わせてご覧ください。
着物の各部位の名称
着物を縫製する上でのパーツと、着用時に使う名称をまとめました。
身頃・衿の部位
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| 名称 | 読み方 | 説明 |
|---|---|---|
| 前身頃 | まえみごろ | 着物の前面、胸から裾にかけての部分 |
| 後ろ身頃 | うしろみごろ | 着物の背面、背中から裾にかけての部分 |
| 衿 | えり | 首回りを覆うV字型の布地。着物の印象を大きく左右する重要な部分 |
| 地衿 | じえり | 衿の芯となる部分。着物本体に縫い付けてある |
| 掛け衿(共衿) | かけえり | 地衿の上に重ねる細い衿。汚れやすい部分を保護する役割を持つ |
| 衿先 | えりさき | 衿の先端部分。着付けの際に帯の下に差し込む |
| 衿肩あき | えりかたあき | 衿と肩の接続部分の開き |
| 衣紋 | えもん | 後ろ衿を下げてできる首の後ろのゆとりの部分。「衣紋を抜く」ことで上品な着姿になる |
| 背縫い | せぬい | 後ろ身頃の中央の縫い目 |
| おくみ(衽) | おくみ | 前身頃の外側に縫い付けられた細長い布。着物を打ち合わせるための部分 |
| 褄 | つま | おくみの裾に当たる角の部分。左前褄・右前褄がある |
| 褄下 | つました | おくみの裾側の縦の長さ |
| 脇縫い | わきぬい | 前身頃と後ろ身頃を縫い合わせた縦の縫い目 |
| 揚げ | あげ | 丈を調整するための縫いひだ。腰揚げ・肩揚げがある |
袖の部位
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| 名称 | 読み方 | 説明 |
|---|---|---|
| 袖 | そで | 腕を覆う部分の総称 |
| 袂 | たもと | 袖口の下の袋状に垂れた部分。昔は物を入れるポケット代わりに使われた |
| 振り | ふり | 袖付けの下から袖の先端に向けた開き。振袖は振りが大きいことが特徴 |
| 袖山 | そでやま | 袖の最も高い折り山の部分 |
| 袖付け | そでつけ | 袖が身頃に縫い付けられている箇所 |
| 袖口 | そでぐち | 袖の手首側の開き口。着付けの際に長襦袢が少しのぞくよう調整する |
| 袖幅 | そではば | 袖の横幅 |
| 袖丈 | そでたけ | 袖山から袖口(袖の先端)までの長さ |
裾まわり・サイズに関する名称
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| 名称 | 読み方 | 説明 |
|---|---|---|
| 裾 | すそ | 着物の下端部分 |
| 八掛 | はっかけ | 裾の裏地。表地と異なる色が使われることが多く、動いたときに見える |
| 胴裏 | どううら | 身頃の裏地として使われる白い絹地 |
| 肩山 | かたやま | 肩の最も高い部分の折り山 |
| 裄 | ゆき | 背縫いから袖口までの長さ。着付けの際の重要な採寸箇所 |
| 身丈 | みたけ | 着物の肩山から裾までの長さ |
| 前幅 | まえはば | おくみを含む前身頃の幅。仕立ての際の採寸箇所 |
| 後幅 | うしろはば | 後ろ身頃の幅。着物のシルエットに影響する採寸箇所 |
着物の種類一覧
着物は格式(フォーマル度)によって着用シーンが分かれています。
礼装・フォーマル
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| 種類 | 読み方 | 特徴・着用シーン |
|---|---|---|
| 黒留袖 | くろとめそで | 既婚女性の第一礼装。黒地に裾模様。新郎新婦の親族が結婚式で着用 |
| 色留袖 | いろとめそで | 黒以外の留袖。五つ紋付きで黒留袖に次ぐ格。結婚式・式典など |
| 振袖(大振袖) | おおふりそで | 袖丈が最も長い(114cm以上)。成人式・婚礼衣装として使用 |
| 振袖(中振袖) | ちゅうふりそで | 袖丈100cm前後。結婚式・パーティー・初詣など |
| 振袖(小振袖) | こふりそで | 袖丈85cm前後。卒業式・カジュアルなフォーマルなど |
| 訪問着 | ほうもんぎ | 肩から裾にかけて模様が続く。既婚・未婚問わず着られる準礼装 |
| 付け下げ | つけさげ | 訪問着より控えめな柄。パーティー・観劇・お茶会など |
| 色無地 | いろむじ | 無地の一色染め。紋付きで格が上がる。卒業式・お茶会など |
| 江戸小紋 | えどこもん | 細かい型染めの小紋。紋付きで略礼装に。鮫・行儀・角通しが特に格高 |
| 喪服 | もふく | 葬儀・法事で着る黒無地の着物。白半衿・白帯揚げを合わせる |
お洒落着・カジュアル
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| 種類 | 読み方 | 特徴・着用シーン |
|---|---|---|
| 小紋 | こもん | 全体に繰り返し模様を型染めした着物。街歩き・観劇・食事会など |
| 紬 | つむぎ | 紬糸(先染め糸)で織られた着物。旅行・散策・日常のおしゃれ着に |
| 木綿 | もめん | 木綿素材の着物。気軽に洗え、日常着として着やすい |
| ウール | うーる | ウール素材の着物。保温性があり冬向き。普段着・気軽なお出かけに |
| 浴衣 | ゆかた | 夏の家庭着・外出着。縁日・花火大会・温泉地などに |
羽織もの(上着類)
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| 種類 | 読み方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 羽織 | はおり | 着物の上に羽織る上着。紋付き羽織は男性の礼装 |
| 道行コート | みちゆきコート | 外出用コート。四角い衿が特徴。雨よけ・防寒に |
| 道中着 | どうちゅうき | 着物衿のコート。道行より略式で着やすい |
| 雨コート | あまコート | 雨の日に着物を守るためのコート。裾まで覆う |
帯の種類一覧
帯は着物の格式に合わせて使い分けます。
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| 帯の種類 | 読み方 | 特徴・使用シーン |
|---|---|---|
| 丸帯 | まるおび | 最も格が高い帯。表裏同じ模様。婚礼衣装など最礼装に |
| 袋帯 | ふくろおび | 礼装・お洒落着向け。二重太鼓など格のある帯結びができる |
| 名古屋帯 | なごやおび | お洒落着向け。一重太鼓に結ぶ。着付けしやすく実用的 |
| 半幅帯 | はんはばおび | 名古屋帯の半分の幅。浴衣・普段着・カジュアルな小紋に |
| 角帯 | かくおび | 男性用の帯。硬めで幅広 |
| 兵児帯 | へこおび | 幅広く柔らかい帯。子ども・男性の浴衣に使われる |
着物の下着・小物・履物の名称
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| 名称 | 読み方 | 役割 |
|---|---|---|
| 長襦袢 | ながじゅばん | 着物の下に着る下着。裾や袖から見える半衿を付ける |
| 半襦袢 | はんじゅばん | 上半身だけの短い襦袢 |
| 肌襦袢 | はだじゅばん | 最も肌に近い和装下着(上着部分) |
| 裾よけ | すそよけ | 腰に巻く和装下着(下半身部分) |
| 半衿 | はんえり | 長襦袢の衿につける布。汚れを防ぎながら衿元のアクセントに |
| 重ね衿(伊達衿) | かさねえり | 着物と半衿の間に挟む細い衿。色彩のアクセントに |
| 腰ひも | こしひも | 着物を固定するための紐。数本使う |
| 伊達締め | だてじめ | 着物・長襦袢の崩れを防ぐ細い帯状の布 |
| 帯板(前板) | おびいた | 帯の前面をすっきり見せる板状のもの |
| 帯枕 | おびまくら | お太鼓結びの形を作るために使う枕状の道具 |
| 帯揚げ | おびあげ | 帯枕を包み、帯の上から見える部分の布 |
| 帯締め | おびじめ | 帯を固定するための紐。帯の中央を横に締める |
| 帯留め | おびどめ | 帯締めに通す装飾品。ブローチのような役割 |
| 足袋 | たび | 和服専用のソックス。白が基本 |
| 草履 | ぞうり | 着物に合わせる平底のサンダル状の履物 |
| 下駄 | げた | 木製の台に鼻緒を付けた履物。浴衣に合わせることが多い |
男性の和装名称
男性の和服(和装)には女性と異なる名称・種類があります。
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| 名称 | 読み方 | 説明 |
|---|---|---|
| 紋付き羽織袴 | もんつきはおりはかま | 男性の第一礼装。黒紋付・仙台平の袴が正式 |
| 羽織 | はおり | 男性も着用。紋付き羽織は礼装 |
| 羽織紐 | はおりひも | 羽織の前を留める紐 |
| 袴 | はかま | 腰から足首まで覆うスカート状の衣服 |
| 仙台平 | せんだいひら | 男性の礼装袴。縞柄の絹織物製 |
| 角帯 | かくおび | 男性用の帯。貝ノ口・浪人結びなどに結ぶ |
| 雪駄 | せった | 男性和装に合わせる平底の草履 |
豆知識:着物の「格」とは
着物の世界には「格(かく)」という考え方があります。高い格の着物は格の低いTPOで着ることができますが、逆はできません。
- 第一礼装:黒留袖・振袖(大)→ 結婚式など最も重要な式典に
- 準礼装:色留袖・訪問着→ 結婚式・パーティー・格式あるお茶会
- 略礼装:付け下げ・色無地(紋付)・江戸小紋(紋付)→ 卒業式・お宮参り
- お洒落着:小紋・紬→ 気軽な外出・食事・観劇
- 普段着:木綿・ウール・浴衣→ 日常着
豆知識:「和服」と「着物」の違い
「和服(わふく)」は西洋服(洋服)に対して日本の伝統的な衣服全般を指す言葉です。一方「着物(きもの)」は本来「着るもの」という意味で衣服全般を指しましたが、現代では和服と同義で使われることがほとんどです。厳密には、和服の中に着物・羽織・袴・浴衣などが含まれます。
[[CALC:quiz_wafuku_kimono_names_list]]まとめ
和服・着物の主な名称をカテゴリ別にまとめました。着物の部位は30種類以上、着物の種類は礼装・お洒落着・羽織ものを含む19種類、帯の種類は6種類、着物小物・履物は16種類、男性和装は7種類です。最初は覚えにくいですが、着物を手に取るときにこの一覧を参照しながら確認すると、少しずつ名称が身についていきます。着物に合わせる文様については日本の伝統柄・和柄87種一覧もご参考にどうぞ。