
「SNS疲れ」「婚活疲れ」「Zoom疲れ」——いつの間にか日本語には、疲弊の原因や種類を表す「◯◯疲れ」という複合語が数多く生まれています。気疲れのような伝統的な表現から、デジタル社会特有の新語まで、現代人の生活の変化をそのまま映した言葉の一覧です。本記事では、デジタル・SNS系・活動系・対人系・仕事系・日常系の5カテゴリに分けて36の「◯◯疲れ」表現をまとめました。「◯◯離れ」「◯◯寿命」と並ぶ現代語クラスターの一つとして、言葉として楽しんでください。
なお、本記事の「◯◯疲れ」はいずれも日常会話やメディアで使われる言葉の紹介です。医療診断名ではありません。心身の症状が続く場合は医療機関や専門家にご相談ください。
デジタル・SNS系の「◯◯疲れ」
スマートフォンとSNSの普及とともに生まれた疲れ表現です。スクリーン越しのコミュニケーションが日常化した現代ならではの語群で、2010年代以降に急速に定着しました。
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| 表現 | 読み | 意味・背景 |
|---|---|---|
| SNS疲れ | えすえぬえすつかれ | 他者の投稿との比較、いいね数の気にしすぎ、情報過多などSNS使用全般に伴う精神的消耗 |
| 映え疲れ | ばえつかれ | 食事・旅行などを「インスタ映え」として常に演出・撮影し続けることへの疲弊 |
| いいね疲れ | いいねつかれ | 自分の投稿のいいね数や他者へのリアクションを気にし続けることで生まれる消耗感 |
| Zoom疲れ | ずーむつかれ | ビデオ会議の連続による認知的疲弊。自分の顔を長時間見続ける「ミラー効果」も要因とされる |
| 既読疲れ | きどくつかれ | LINEなどの既読機能で「読んだのに返信しない」「返信しなければ」という緊張による消耗 |
| 通知疲れ | つうちつかれ | アプリからのプッシュ通知が途切れず、常に対応を迫られる疲弊感 |
| スマホ疲れ | すまほつかれ | 無意識にスマホを確認し続ける行動と、画面から離れられない依存感による消耗 |
| ニュース疲れ | にゅーすつかれ | 不安や悲惨なニュースが続くなかで感じる無力感・精神的消耗。ニュースデトックスの動機になることも |
| 情報疲れ | じょうほうつかれ | ネット上の情報が多すぎて取捨選択・処理しきれない認知的消耗(情報過多疲れとも) |
| リプ疲れ | りぷつかれ | X(旧Twitter)等でのリプライ(返信)のやりとりが続く消耗。炎上に巻き込まれた場合は特に顕著 |
活動・ライフイベント系の「◯◯疲れ」
「婚活」「就活」など「活」のつく活動名詞から派生した疲れ表現です。長期間にわたる活動ならではの消耗感を表します。
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| 表現 | 読み | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 婚活疲れ | こんかつつかれ | 結婚相手探しの長期化・不成立の繰り返しによる自己否定感と消耗 |
| 就活疲れ | しゅうかつつかれ | 就職活動の長期化・不採用続きによる自信喪失と精神的ダメージ |
| 妊活疲れ | にんかつつかれ | 妊娠を目指す過程での身体的・精神的消耗。うまくいかない焦りや治療の負担も含む |
| 保活疲れ | ほかつつかれ | 保育園入園枠の確保を目指す「保活」の激戦・書類対応・施設見学ラッシュによる消耗 |
| 推し疲れ | おしつかれ | アイドルやキャラクターへのファン活動(推し活)の過熱・費用・感情投資による燃え尽き感 |
| 終活疲れ | しゅうかつつかれ | 人生の終わりへの備え(遺言・断捨離・葬儀準備等)を進める中で感じる消耗感 |
対人・感情系の「◯◯疲れ」
人間関係や感情のやりとりに由来する疲れ表現です。気疲れのように古くから使われる語もあれば、現代の価値観を反映した新語もあります。
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| 表現 | 読み | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 気疲れ | きづかれ | 空気を読み、相手に気を遣い続けることで生まれる精神的消耗。古くからある日本語の表現 |
| 人疲れ | ひとづかれ | 人との付き合い全般への疲弊。「人といると消耗する」という内向的な感覚を表す |
| 共感疲れ | きょうかんつかれ | 他者の苦しみや感情に共感し続けた後の燃え尽き。英語の「コンパッション・ファティーグ(compassion fatigue)」に相当 |
| 比較疲れ | ひかくつかれ | 他者と自分を無意識に比べ続けることで生まれる劣等感と消耗。SNS普及で使われ始めた語 |
| 承認疲れ | しょうにんつかれ | 「認められなければ」という意識で行動し続けることへの消耗。承認欲求が慢性化した状態とも重なる |
| 恋愛疲れ | れんあいつかれ | 恋愛のやりとり・駆け引き・感情の起伏への疲弊。「恋愛したいけど疲れた」という意味でも使われる |
仕事・社会系の「◯◯疲れ」
職場環境や社会の変化から生まれた疲れ表現です。テレワーク普及後に急激に広まった語も含まれます。
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| 表現 | 読み | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 会議疲れ | かいぎつかれ | 多すぎる会議(特にオンライン会議)による集中力・生産性の消耗。「ミーティング疲れ」とも |
| リモートワーク疲れ | りもーとわーくつかれ | 在宅勤務の孤立感・仕事と生活の境界があいまいになることへの消耗(テレワーク疲れとも) |
| 接待疲れ | せったいつかれ | 飲食を伴う接待・おもてなしの連続による消耗。断れない酒席が続く場合に使われやすい |
| 選択疲れ | せんたくつかれ | 選択肢が多すぎる中で判断し続けることの消耗。「決断疲れ」とも。英語の「決断疲弊(decision fatigue)」に対応 |
| 多様性疲れ | たようせいつかれ | 職場や社会で多様性への配慮・対応を常に求められることへの疲弊感を指す俗称 |
家庭・日常・その他の「◯◯疲れ」
育児・介護をはじめ、日常生活全般から生まれた疲れ表現です。コロナ禍から定着した語や、身体的な疲れを表す伝統語も含みます。
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| 表現 | 読み | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 育児疲れ | いくじつかれ | 育児の継続による身体的・精神的疲れ(子育て疲れとも)。睡眠不足・孤立感が重なりやすい |
| 介護疲れ | かいごつかれ | 家族の介護を担い続けることによる身体的・精神的疲弊。介護者のバーンアウトの一因とされる |
| コロナ疲れ | ころなつかれ | コロナ禍の制限・不安・人間関係の変化が続く中での消耗感。「自粛疲れ」とも呼ばれた |
| 旅疲れ | たびつかれ | 旅行後に残る体の疲れ。楽しみながらも体力を使った後の「充実した疲れ」としても使われる |
| 目疲れ | めつかれ | 画面・細かい作業による目の疲れの俗称(眼精疲労の日常語)。スマホの普及で使用頻度が増えた |
| コミュ疲れ | こみゅつかれ | コミュニケーション全般への疲弊。「コミュ力を使い果たした」という感覚を表す |
| ダイエット疲れ | だいえっとつかれ | ダイエット継続の我慢・制限・計測が重なるストレス。リバウンドの繰り返しも含む |
| 節約疲れ | せつやくつかれ | 物価高騰への対応で節約生活を続けることによる消耗感。「節約しなければ」という義務感も重なる |
| 選挙疲れ | せんきょつかれ | 選挙が続く時期の報道・議論・投票呼びかけへの疲弊感。選挙制度への無関心の一因ともいわれる |
「◯◯疲れ」という言葉が生まれる理由
名前がつくことで楽になれる
「SNS疲れ」「婚活疲れ」といった言葉が広まる背景には、「名前のついた疲れは、自分だけじゃないとわかる」 という効果があります。漠然と「なんか疲れた」と感じるより、「SNS疲れだ」と言葉にできた方が原因を特定しやすく、対処(スマホを置く・休む・やめる)につながりやすくなります。
疲れの名称化は、心理学では「ラベリング効果」として知られています。感情や状態に名前を与えることで、感情の処理がしやすくなる現象です。
「◯◯疲れ」は社会の変化を映す鏡
新しい「◯◯疲れ」が生まれるとき、そこには必ず新しい文化・技術・制度の登場があります。
- Zoom疲れ → テレワークの普及(2020年〜)
- 婚活疲れ・保活疲れ → 「活」文化の定着(2000年代後半〜)
- 推し疲れ → 推し活文化の拡大(2010年代後半〜)
- 節約疲れ → 物価高騰(2022年〜)
その時代の「しんどいこと」が語彙として残っていく。「◯◯疲れ」一覧は、そのまま現代史の一側面にもなっています。
「就活疲れ」と「終活疲れ」、読みが同じ2つの疲れ
「就活疲れ」「終活疲れ」はどちらも「しゅうかつつかれ」と読みます。人生の始まりの就職活動と、人生の終わりへの備えという対極にある活動が、同じ読みの「疲れ」に集約されているのは興味深い偶然です。
「◯◯疲れ」と同じ現代語クラスターとして、「◯◯離れ」の一覧や「◯◯寿命」の一覧もあわせてご覧ください。
まとめ
「◯◯疲れ」の表現を36種まとめました。デジタル系のSNS疲れ・Zoom疲れ、活動系の婚活疲れ・推し疲れ、対人系の気疲れ・共感疲れ、仕事系の選択疲れ・リモートワーク疲れ、日常系の育児疲れ・コロナ疲れなど、現代の疲れの種類は多様です。言葉として知っておくと、自分や身近な人の「疲れの正体」を言語化するヒントになります。心身の不調が続く場合は、一人で抱え込まず休息を取るか、医療機関や相談窓口に相談することをおすすめします。